傍観している私を尻目にどんどんデモ隊を蹴散らしてゆく。
「教官、この行動に何か意味があるのですか?デモ隊など放っておけばよろしいではないですか。」
「意味?決まってるじゃない。」
「何ですか?」
「八つ当たりよ。」
「そうですか、では私は帰らさせていただきます。」
「駄目、そこで待ってなさい。」
拳一発で岩盤をぶっ飛ばしたと言われる皇帝には及ばないが、教官もかなりの力持ちである。
竹刀一本でも脅しをかけるには十分である。
「ホラホラ!こんな所でそんなチンケな事やってないでさっさと避難しなさい!それにデモやるならもっと人気のある所でやらないと!」
教官はまるで生徒をたしなめる教師のような口調で指示する、実際教官は教師なのだか。
「教官、帰ってもよろしいですか?」
「駄目、手伝いなさい。」
「・・・了解しました。」
私はそう言うとデモ隊を体育館まで誘導することにした。
最終更新:2011年04月22日 17:37