有沢の近くにいた少女を探すのには一苦労した。
偶然高校の体育館のトラックの中にいた所を見つけ、声を掛けてみた。
ぴょこん、といった感じでトラックから飛び降りた少女は服の埃を払うと
こちらを向いた。
「有沢の所の教師が俺に何の用だ?」
私はゲルトルートの計画と教官の考えを伝えた。
「・・・。」
少女はしばらく考えた後、首を鳴らした。
「教官に伝えてくれ、俺はその話に乗るってな。」
そして少女はトラックのドアを閉めた。
「あと俺の名前は来夏だ、マーク・ウルフ。」
「どうして私の名前を?」
「アンタ前の戦争で結構戦果上げてただろ?こっちにも噂が伝わってくるんでな、色々知ってるのよ。」
来夏は言葉を一旦区切ると、股しゃべり始めた。
「アンタがどういう人間で、いつ退役して、今何をしているのかもな。」
そして来夏はトラックに入ると毛布を被ってしまった。
まあ、とりあえず協力は得られた、教官の所へ戻ろう。
最終更新:2011年05月16日 08:51