「やっぱり凄いな、エーリヒの「ヘル・テンペスト」は。」

ルーデルが牛乳を飲み干す。

「え?でもルーデルも使えるんでしょ?アレ。」

ヴォルフは鍋で煮込んでいる具材が焦げないようにかき混ぜている。

「でもエーリヒから教わっただけだ、本人から教わった訳じゃない。」

ルーデルが冷蔵庫から二本目の牛乳を取り出そうとするのを俺はシュヴァルベの柄で取り押さえた。

「一体何本飲む気だ、腹壊すぞ。」

「仕方ないだろ、俺の原動力は牛乳なんだから。」

「少しは我慢しろ、大体今日はカレーだろ?」

「カレーと牛乳と何の関係があるんだよ。」

「いいか、煮込むのはヴォルフだが味付けをするのはエーリヒだ、後は分かるな?」

ルーデルの顔から血の気が引く。

「成程、ならば牛乳を節約しなければなるまい。」

ルーデルは小刻みに震えている、親友といえどもアレだけは苦手らしい。

「で、あのジェントルメンが言っていた事って何だ?」

「ああ、どうやら・・・」

マークの作戦を伝えた。

「成程、病気は根元から断つ、って訳ね。」

「しかし珍しいな、滅多に他人の作戦には乗らないのに。」

「仕方ないだろ、「※※」も参加するんだからな。」

「成程、「※※」なら仕方ないな。」

ルーデルはうなだれた。

そしてエーリヒは今だに有沢に何かを教えている。

もう少し掛かりそうだ、風邪だけは引いてほしくない。

となんとなく俺は仲間を心配してみるのだった。

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最終更新:2011年05月19日 09:49