「・・・。」
進展なし、憤ってそうな雰囲気も出してない。
あるはずない情報を探す、というのは僕が培ってきた知識を持ってしても不可能なことである。
なのにこの男はあると信じて疑わない。
「おい!まだなのか?」
「急かさないでくださいよ、ロック解除だけでもかなり時間がかかるんですから。」
隅から隅まで探す・・・フリをする。
もしこの男の言う物質転送システムが実在したとしてもそれは僕がどうこうする必要はない。
あくまで僕は「応用」する側だからこういう事はあまり好きではないのだ。
こっそり変電所へのハッキングをしておいた、僕がエンターキーを押すだけで一時的な停電を起こせる。
幸いこの男が「こういう事」に詳しくないのが幸いした。
あとは僕に付きつけられているこの銃口を逸らすだけでいい。
停電と同時に地下は真っ暗になる、狙うならその一瞬のチャンスだ。
「もしかして・・・これではないですか?」
あくまで見つかった「フリ」をする。
「見つかったか!?」
男が画面を覗き込む。
銃口が僕から逸れた。
今だ!と言わんばかりに僕はエンターキーを押した。
部屋が真っ暗になる。
だが僕には関係ない、男の位置は覚えている。
動揺して体を大きく動かしていなければ僕の勝ちだ。
驚くほどすぐ決着がついた。
とりあえず銃を回収して落ちていた鉄パイプの先を男の頭に押し付ける。
「動かないでくれますか?でないと今度は貴方の頭に穴が開きますよ。」
「な、何者だ・・・・お前・・・。」
「ハルジオン・アマリリス、名前くらいは聞いたことがあるでしょう?」
「ま、まさか・・・」
「流石に覚えてるんですね、「皇帝に逆らって唯一生き延びた男」の事。」
「いや、そんなはずはない!もしお前があのハルジオン・アマリリスだとしても何故こんな所に・・・。」
「僕は僕自身の興味で動く、だからこんな馬鹿げたことには興味が無いんでね。」
僕は立ち上がると鉄パイプを投げ捨てた。
「あとこれ、渡しておくよ。」
僕はメモリを投げ渡した。
「君の行っていた衛星物質転送システム、見つかったよ。」
「ほ、本当か!」
「さ、こんな所に居ないで早く避難所に行ってください、でないと切り刻みますよ。」
僕は銃を投げ渡すと部屋を出た。
最終更新:2011年05月31日 09:28