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ニギメダナ伍話『事件ノ後』


 「外へは出ないで下さい!館内に待避していてください!」
蓬莱館内には、駆けつけたチェグ市治安員の声が響いていた。
我々も館職員の指示に従って大広間に集められた。
誰も犯人の顔を見ていないということで誰が犯人なのか分からなかった。
少なくともあの群衆の中に犯人は紛れ込んでいたのであろう。
大広間は「この中に犯人がいる」ということで不安に満ちあふれていた。
誰が犯人なのか分からなかったので誰もが皆を疑いの目で見ていた。
 大広間では我々は悲壮感に浸っていた。
キムジェ先輩が見た銃に打たれていた人は――
グブンゲオ上等学校校長、スン校長だったからだ。
             ◆
 我々は大広間の畳の上で一夜を明かした。
治安員達が忙しなく館内を動き回っていた。
捜査が本格的に始まったようであった。
 あの後、校長はすぐに療養院へ運ばれたということであった。
チェグの外国から取り入れた高度な医療によって一命は取り留めたようであったが
その時は未だ目覚めておらず、衰弱していたという。
 大広間に居た人々は長く待たされることになり、不満の声が続出したため、
事件発生時に入浴中であった者や事件発生場所から離れた場所に居た者は
館から出ることが許された。
我々はグブンゲオ上等学校の生徒であるため何かしら取り調べがあるかと
思われたが、当時入浴中であったために同じく許された。
 「おい、校長が撃たれたんだぜ、俺たちこのままキンジョンなんかに行っても
大丈夫なのかよ」
ヤンが不安そうに尋ねてきた。
私も同じくそう思っていため、サグ先輩に同じ事を尋ねた。
「校長先生には悪いが、俺たちには何も出来ない。さっさと果胞子を貰って
さっさと帰るとしよう」
 我々はチェグ駅に行き、中央横断鉄道に乗った。
さっさと帰る ということになったためにシャングリラで温泉にはいるのは中止になり、
そのまま真っ直ぐケリョンへ行くことになった。
              ◆
 ケリョンへの車中で私は考えていた。何故、校長が撃たれたのであろうと。
 校長はグブンゲオ上等学校校長だけではなく様々な団体の会長なども務めている
ようであったので、そこでの問題であるのであろうか。
しかしあの人が何か問題を起こすということも考え難い。
何か意見の衝突であろうか。しかしそれだけで殺人に走るというのも考え難い。
 私のちっぽけな頭では推理することは出来なかった。
後は治安員の方々や探偵の方々に推理は任せることとした。



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最終更新:2011年06月23日 22:44