「・・・。」
「・・・。」
腕を組んだまま桜上水は動かない。
「どうした?もうお手上げか?」
「・・・王手(チェック)!」
桜上水が駒を動かした。
「甘いな、詰み(チェックメイト)だ。」
俺はキングの駒を倒した。
「やっぱりお前相手じゃ勝負にならん。」
「だろうな、俺に勝てるのは栄斗だけだ。」
栄斗はこういうボードゲームは強い、俺でさえ時々負ける。
「じゃあ何で俺とチェスなんかしたんだ?」
「当たり前だろ、暇だったからだ。」
俺はおもむろに立ち上がるとトラックの荷台からいつものソーダを取り出した。
「そろそろ行ってくる、暴れるには絶好の天気だからな。」
「行くって・・・どこにだ?」
「決まってるだろ、ゾンビの発生源だよ。」
最終更新:2011年07月04日 09:57