有沢が消え、弾丸は壁に命中した。

「・・・何だ?」

俺は状況の整理が出来なかった。

突然のアクシデントがあったとはいえ自分が仕損じたという事実に気付いた時にはもう遅く。

「ゴメン、来夏。」

有沢の声がしたのでゆっくりと俺は振り返った。

「私・・・まだ死ぬわけにはいかないみたい。」

有沢はそのまま少し笑うと右腕を振った。

「だから見てて、これが私の「力」。」

有沢が拳を握り締めた。

それと同時に有沢の腕に「何か」が形成され装備されてゆく。

「イフリートVer.2.0「ウロボロス」、私はこう呼ぶことにしたわ。」

有沢の腕に形成されていたのはガトリング砲だった。

しかし普通のガトリング砲とは明らかに違う、砲身もやけに短い。

「ガトリングアームか、本来は義手に仕込むモンだが・・・まあそう言うのもアリだろうな。」

「何?あまり驚かないのね。」

「慣れてるから。」

「そう、じゃあ私は行くね。」

「行くって・・・どこにだ?」

「決まってるじゃない。」

有沢はそう言ってマザーのいる方を指差した。

「こんな退屈なこと終わらせてさっさと帰りましょう、ね?」

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最終更新:2011年09月01日 08:11