すっかり日も暮れた頃。
「有沢、お前はこれからどうするつもりだ?」
「まだ決まってないわ、高校もまだ卒業できてないし。」
俺と有沢は屋上にある大きな貯水槽の上に座っていた。
「・・・将来の夢とかは?」
「困ってる人を助けられる職業がいいわね、医者とか弁護士とか。」
「無理だろ、その体じゃ。」
「自分の事は自分で分かってるつもりよ、だから・・・。」
俺は封筒を有沢に投げ渡した。
「・・・海軍の将軍がやってるギルドがある、そこならお前でも十分やっていけるだろう。」
「どういう意味?」
「お前は普通の人間じゃない、今は大丈夫でもいつかは制御が効かなくなる。」
「そんなの分からないわよ、私だって・・・。」
「常に進化し続ける力はいずれ自分で抑えきれなくなる、俺だってそうだった。」
「・・・。」
「安心しろ、あのギルドにはそういう奴が集まってる。」
「・・・分かりました、考えておきます。」
「強制はしない、よく考えて自分で結論を出せ。」
最終更新:2011年09月28日 11:00