24.9日後にプールメンバーへ負荷分散できなくなる可能性
[[BIG-IP]] LTM 11.0.0, 10.2.3, 10.2.2, 10.2.1, 10.2.0, 10.1.0, 10.0.1, 10.0.0
TMMはプールメンバーのSlow Ramp Timeに誤った情報を記し、メンバーに想定よりも少ない数を接続するかもしれません。
この問題は、次の全ての条件を満たした時に起こります。
・プールメンバーのステータスがavailableのまま24.9日以上経過
・プールの Slow Ramp Time 設定が有効(0秒以外)
注釈:BIG-IPバージョン10.1.0からSlow Ramp Timeはデフォルト値が10秒で有効になっています。
・次の2つの値の1つが変更されたとき
○プールのSlow Ramp Time値
○プールのactive memberのPriority Group値
BIG-IPシステムは24.9日ごとにリセットするカウンターを使用しています。
そして、プールメンバーのSlow Ramp Time値の誤った計算が発生します。
この誤った値はまるでSlow Ramp Timeの間隔であるかのように、LTMシステムで継続的にプールメンバーを扱う原因になります。
結果として、BIG-IP LTMシステムは新規接続を負荷分散できないかもしれない、または想定よりも少ない数を負荷分散するかもしれません。
補足 : Slow Ramp Timeとは、運用中のバーチャルサーバに新規でプールメンバーを追加したとき、新規プールメンバーにトラフィックが集中しないようにするために、
段階的にトラフィックを割り当てる機能
詳細は以下を確認してください。
段階的なトラフィック振り分け
プールメンバーは非常に少ない新規接続を受ける、または新規接続ができない
この問題の結果として、次のような事象に直面するかもしれません。
・Slow Ramp Time が設定されたプールメンバーの数がプールのactive memberの総数の半分より少ないとき、影響を受けたプールメンバーは新規接続を受けません。
・Slow Ramp Time が設定されたプールメンバーの数が少なくとも半分のとき、影響を受けたプールメンバーは想定された接続の割合よりも少ない接続を受けます。
・プール統計は、プールメンバーの接続負荷が予想外の配分を表示します。
例えば、"tmsh show ltm pool members"コマンドの出力の一部で示されるように、"Availability"と"State"が"available"と"enabled"と示されていても、
現在の接続数は0と表示され続けるかもしれません。
--------------------------------------------------------------
| Ltm::Pool Member: 10.1.1.200:80
--------------------------------------------------------------
| Status
| Availability : available
| State : enabled
| Reason : Pool member is available
| Monitor : http (pool monitor)
| Monitor Status : up
| Session Status : enabled
| Pool Name : MyPool
| IP Address : 10.1.1.200
|
| Traffic ServerSide General
| Bits In 0 -
| Bits Out 0 -
| Packets In 0 -
| Packets Out 0 -
| Current Connections 0 -
F5製品開発はID 367690をこの問題に割り当てました。この問題が上記対象バージョンに存在することを確認しました。
この問題を解決するリリースまたはホットフィックスに関しては、以下の表を参照してください。
Fixのタイプ |
Fixしたバージョン |
関連記事 |
リリース |
11.1.0 ,10.2.4 |
SOL2200: Most recent versions of F5 software |
ホットフィックス |
None |
None |
この問題の暫定対応は、次の手順を実行し、Slow Ramp Timeを無効にすることです。
暫定対応の影響 : プールメンバーがオンラインに戻る時、偏って多数の接続を受けるかもしれません。
■Slow Ramp Timeの無効化
1.Configuration utility(GUI)にログインします
2.Local Traffic >> Pools >> Pools Listの順に辿ってクリックします
3.設定を修正したいプール名をクリックします
4.ConfigurationをAdvancedに変更します
5.Slow Ramp Timeの値を0(秒)に設定します
6.Updateをクリックします
もし、上記手順の影響が特定の環境で適さないならば、影響を受けたプールメンバーのカウンターをリセットすることでこの問題を軽減することができます。
この措置は問題の暫定対応にはなりませんが、BIG-IPシステムが再びプールメンバーへ負荷分散します。
しかし、プールメンバーがactiveの状態で24.9日経過すると、この問題は再発する可能性があります。
次の手順を実行して、カウンターをリセットすることができます。
■プールメンバーの無効化と有効化
手順の影響 : プールメンバーが監視されているならば、プールメンバーの状態が遷移するので、アラートが発生する場合があります
1.Configuration utility(GUI)にログインします
2.Local Traffic >> Pools >> Pools Listの順に辿ってクリックします
3.設定を修正したいプール名をクリックします
4.Membersタブをクリックします
5.Current Membersのリストで、修正したいプールメンバーのチェックボックスを選択します
6.Disableをクリックします
7.Current Membersのリストで、再度プールメンバーのチェックボックスを選択します
8.Enableをクリックします
・SOL13099: Change in Behavior: The Slow Ramp Time pool setting is enabled by default
・The Pools chapter in BIG-IP Local Traffic Manager: Concepts (11.x)
・The Configuring Load Balancing Pools chapter in the Configuration Guide for BIG-IP Local Traffic Manager (10.x)
最終更新:2012年06月09日 22:44