箕部啓二とは、テレビドラマ「半沢直樹」の登場人物。演じているのは柄本明。
概要
政権与党「進政党」幹事長・衆議院議員。原作では進政党の創立メンバーの一人である大物代議士だが、党内の役職や衆参両院どちらの議員であるかまでは明かされていない。
三重県伊勢志摩市を地盤としており、空港誘致に大きく介入したことから伊勢志摩空港は地元住民からは「箕部空港」とも呼ばれている。
新内閣の組閣内容に的場首相が意見を乞うなど、進政党の陰の実力者で、白井を国土交通大臣へ大抜擢したのも、箕部の剛腕によるもの。
的場首相に土下座をして白井を国交大臣に推薦するなど、目的を果たすためにはプライドを捨てる真似をもいとわない老練政治家でもある。盆栽が趣味で、幹事長室で暇を見つけてはお気に入りの松の鉢植えを手入れしている。
帝国航空に債権を持つ銀行がすべて債権放棄を見送った後も、再び債権放棄に傾けさせるため、債権放棄を見送るように中野渡頭取が他行をけしかけた疑惑があるので、中野渡頭取を国会に参考人招致するかもしれないとにおわせ、揺さぶりをかける。
自身の身辺調査をしていた半沢と大和田を直々に呼び出し、牧野副頭取が不正融資を行なっていた会社からリベートを受け取っていたという口座の入金記録を見せつけ、東京中央銀行に業務停止命令が下される可能性を示唆し金融庁長官に電話をかけ暗に脅しをかけ、半沢たちが自身の不正融資を嗅ぎまわることを阻止する。
ネタバレ
実は15年前にマンション購入資金の名目で5年間無担保の条件の元旧東京第一銀行に融資させた20億円を、そのまま自身の親族が経営する伊勢志摩ステートに転貸し、その20億円で当時地価が下がっていた伊勢志摩市の山林の土地を買い占めさせた後、自身が政治介入して伊勢志摩空港をその山林に誘致、空港用地として高騰した土地を売却することで、伊勢志摩ステートが得た巨額の利益から一部をリベートして自身に還元するという「錬金術」を行っていた。
そしてとあるホテルのレストランの個室で中野渡頭取と大和田と密会し、中野渡頭取は証拠の書類を箕部に渡してしまうのであった。
過去の不正について「全て公表、謝罪をすべき」と主張する半沢に対し、箕部は「筋はそうかもしれない。でも理想と現実は違うよ。これ(証拠)が出たら君たち、銀行はどうなると思う」と静かに脅す。
さらに、「この日本には、相手に思いを伝えるために、古来から引き継がれた素晴らしい礼法がある」とし、半沢に土下座をするよう要求。
当初は穏やかに「ささささ、ほら、やりなさい」と穏やかな口調で促すも、一向に動かない半沢にしびれを切らし、最後は、
と鬼の形相で怒鳴りつけた。
大和田も箕部の意を汲んだかのように半沢に土下座を勧める。
大和田は、しばらく説得を続けたが 、あまりにも頑固な半沢に背中に飛び乗り、なんとしても土下座させようと物理的に力の限りを尽くすが、半沢がそんな事に屈するわけなく土下座を拒否。
押さえつけていた大和田はふっとばされ、更に半沢には大和田、中野渡頭取とともに「この借りは必ず返します、やられたらやり返す、倍...いや、3人纏めて1000倍返しだ!!!」とリベンジを宣言された。
その後、マスコミを集めて再度開かれたタスクフォースによる帝国航空の債権放棄の報告会の場で、帝国航空上記の錬金術によって旧Tから不正融資させた20億円を優に超える100憶8000万円もの不正資金を2007年から2020年の13年間にかけて定期的に伊勢志摩ステートから受け取り、これらの入金を、選挙運動収支報告書にも、政治資金収支報告書にも記載していないという事実を暴露されてしまう。
「記憶にない」と逃げ出そうとするも白井に制止され、半沢に「謝ってください、この国で懸命に生きるすべての人に、心の底から詫びてください!!!」とマスコミを通して国民に謝罪するよう迫られ、渋々土下座をした後すぐさまその場から小走りに逃げ出し、マスコミに追いかけ回される。
その数日後、政治資金規正法違反の他、脱税と収賄の容疑で東京地検特捜部に逮捕された(幹事長室に警察の家宅捜査が入るシーンがある)。
また、当初は制作側は小日向文世氏にオファーを出していたが、コロナ禍で番組スケジュールに狂いが生じたことや、裏番組とのカブリもあったことで急遽柄本氏になった。
原作では半沢たちにこっぴどくやられた後、白井と面会した的場の口から「進政党を離党した」と言われるだけで、法の裁きを受けたかどうかまでは言及されなかった。
ドラマ化に当たってその末路が詳しく設定された人物と言える。
最終更新:2024年06月20日 20:02