千堂大善

千堂大善とは、ドラマ「桜の塔」に登場する警察官僚。階級は警視監。最終学歴は名古屋大学法学部。
演じているのは椎名桔平。

概要

東大、京大出身者が多数を占める警視庁上層部で非主流派である地方大学出身の「外様派」のトップ。カリスマ性あふれる人柄と行動力を武器に警視庁刑事部長という要職に登り詰めた。同じ「外様派」である漣を重宝しており彼を踏み台にして警視総監の座を狙っている。出世や保身の為なら脅迫などの強引な手段も平気で使う冷酷な一面を持ち、警察上層部から「サッチョウ(警察庁)の悪魔」と呼ばれている。
主人公の上條漣に「勇仁と同じ道を辿れば、彼が自ら命を絶った理由が分かる」と漣に告げて自分の名刺を渡し、彼が警察官になる切っ掛けを作った。

動向

第1部

東大、京大出身者が多数を占める警視庁上層部で非主流派である地方大学出身の「外様派」のトップ。カリスマ性あふれる人柄と行動力を武器に警視庁刑事部長という要職に登り詰めた。同じ「外様派」である漣を重宝しており彼を踏み台にして警視総監の座を狙っている。出世や保身の為なら脅迫などの強引な手段も平気で使う冷酷な一面を持ち、警察上層部から「サッチョウ(警察庁)の悪魔」と呼ばれている。
23年前、上層部の「薩摩派」による押収物の拳銃横流しを秘密裏に捜査していた勇仁が夜勤をする交番を訪れ、警視正への昇進を見返りに勇仁を粛清する汚れ仕事を「薩摩派」に申し出ていたことから、彼が交番で首吊り自殺で死亡した件に関与していた。勇仁の葬儀に参加した際、自身が勇仁を自殺に追い込みながら「勇仁と同じ道を辿れば、彼が自ら命を絶った理由が分かる」と漣に告げて自分の名刺を渡し、彼が警察官になる切っ掛けを作った。
父の仇と知り失脚を狙う漣から、5年前の娘・優愛の傷害事件の揉み消しの不祥事で揺さぶりをかけられるが、漣の動きを志歩からの密告で全て見通しており、彼が仕掛けた策を全て回避する。反旗を翻した漣を追放することもできたが、愛娘・優愛に傷害事件の自首を勧めた際、寄り添うことを約束していたことから反逆を不問とし、結婚して娘を幸せにするようにと漣を服従させる。

第2期では

第2部開始時点では副総監に就任しており、「外様派」を「東大派」に匹敵する一大勢力「千堂派」に発展させる。第1部のラストで漣が優愛と結婚したことで、彼と"義理の親子"となるが、千堂は漣が自分を失脚させること諦めていないと認識しており、互いの関係を「仮面親子」と揶揄する。
次期警視総監の座を手中に収めるべく、警視総監の任命権を有する国家公安委員会委員長でもある内閣府特命担当大臣・若槻に接触し、彼の政治塾出身で贔屓にしている加森議員の収賄容疑を調べる漣に捜査を中止するよう命じるなどの妨害を図るが、爽の協力を得て収賄の証拠を手に入れた漣によって加森議員が逮捕されたことで若槻の信頼を失う。
しかし警視総監の座に固執することから、20年前(2001年)公安部所属時に矢上の命令で携わった潜入捜査の関係者・元SAT隊員の久瀬を唆して若槻大臣を狙撃させ、若槻が長を務める国家公安委員会による次期警視総監の任命を遅らせようと目論む。久瀬と同期だった刈谷、敵対する権藤・吉永からの情報を得た漣と彼の味方についた富樫によって、自身が久瀬に書かせた誓約書を証拠に追及されるが、矢上が20年前の自身の失態を公にさせまいと介入することを見越して返り討ちを果たし、漣たち「改革派」を窮地に追い込む。
その夜の帰り道、同期の久瀬が利用されたことを知り激昂した刈谷の襲撃を受けナイフで刺されるが大事には至らず、警視総監となる野望を成熟しようとするが、漣に仕向けられた娘・優愛が刈谷を殺害したことを打ち明けられ、彼女の犯罪を隠蔽しようと5年前の改造拳銃密造・銀行強盗犯の蒲生に刈谷殺害の罪を擦り付けようとする。しかし、富樫の懸命な聞き込み捜査により蒲生の無実のアリバイが証明され、優愛が刈谷殺害を自首したことから、娘の犯罪を隠蔽しようとしていたことが突き止められる。更には、漣の計略により殺人犯となった優愛の捜査のために彼女の親族としてコレクションルームが家宅捜索されることとなり、漣がその存在を確信していた父・勇仁が自殺した晩の紛失したとされていたもう一つの監視カメラの映像が納められたビデオテープが発見され、勇仁の自殺への関与が証明されたことから副総裁の座から失脚、「千堂派」は崩壊し多数が「改革派」に鞍替えする。
副総監の座から失脚し警察組織から追放されたと思われたが、権藤の計らいにより優愛の犯罪を隠蔽しようとしていた事実を揉み消され、地方警察本部の本部長として警察組織に留まる。

関連人物

  • 上條漣
演:玉木宏
本作の主人公。
  • 上條勇仁〈享年42〉
漣の父。元警視庁捜査一課の刑事。階級は警部。新人時代の千堂、吉永、権藤たちに刑事のイロハを叩き込んでいる。プロファイリングの技術を習得していた。正義感が強く優しい人柄。離婚をしたことで漣を1人で育てるために交番勤務を希望して異動する。爽からは「ヒーロー」と慕われていた。
拳銃の横流しを行っていたのが上層部の「薩摩派」であることを突き止めるが、度重なる脅迫を受けたことで心身共に疲弊し、一度は内部告発を断念しようとするも、漣からの「警察官は人を助けるための仕事」という言葉で自分の信念を思い出す。そして23年前の1993年5月12日、交番を訪ねてきた権藤からの説得を退け告発に踏み切ろうとするも、同じ日の夜に「薩摩派」からの警視正への推薦を見返りに交番に現れた千堂から「告発を取り止める」「告発する代わりに拳銃横流しの罪を自分が被る」「告発せずに自ら命を絶つ」という3つの選択肢を突き付けられ、悩んだ末に自らの信念を貫くため漣への"遺言"を遺し首吊り自殺の道を選ぶ。
  • 加森沙代里
演:中田有紀(第6話)
民生党の国会議員。アイドル出身。
商業施設の誘致を斡旋した受託収賄罪で漣からマークされていたが、2年かけて集めた捜査二課内の収賄の証拠資料が紛失する。しかし漣からの密命を受けた爽により、癒着する帝東商事の専務秘書の女性から授乳室で賄賂を受け取る証拠を掴まれ逮捕される。
  • 若槻有造
演:浜田晃(第6話・第7話)
内閣府特命担当大臣。自身の政治塾出身で子飼いである加森への賄賂の一部が自分に横流しされていることから、警視総監の任命権を有する国家公安委員会委員長でもあるため取り入ろうと接触してきた千堂に対し、彼女の収賄罪での逮捕に便宜を図るよう要求する。
次期警視総監の選出会議まで残り1週間足らずとなった際、駅前で街頭演説中に左の大腿部を何者かに狙撃される被害に遭う。
  • 久瀬秀臣〈55〉
演:浜田学(第7話)
SATの狙撃手だった男。機動隊からSATに配属後、千堂が所属していた頃の公安部に転属した後、依願退職している。漣のプロファイリングで捜査範囲を広げた結果、目撃情報やビルの屋上から硝煙反応が検出され若槻大臣狙撃の容疑で逮捕される。オリンピック開催を前に世間に警備の脆弱性を訴えるための犯行であったと自供するが、20年前潜入捜査をしていた同期で恋人を取り合った仲でもあった深海を射殺しており、彼の死が殉職として取り扱われていなかったことから、若槻大臣の狙撃を持ち掛けてきた千堂に名誉回復のため深海を公務での殉職扱いにして二階級特進を与え、その分の遺族年金も保障させる誓約書を交わし狙撃を引き受けていた。
警察の取り調べを受ける前に、久瀬は行きつけの居酒屋の店長に誓約書を預けており、漣の指示を受けた富樫が入手するも、千堂に加担した矢上総監に脅され手放したことで狙撃事件と千堂の繋がりを証明することが出来なくなり、結果的に若槻大臣の事件は「久瀬が単独で実行した犯行」として処理された。
  • 深海慎吾
演:中川晴樹(第7話)
元公安部の警察官。故人。20年前、手柄を立てたい矢上が当時公安部だった千堂を使い捜査一課への異動をダシに覚醒剤取引の潜入捜査を命令したことから復職を前提に警察を退職、ヤクザ組織の構成員として潜入するがミイラ取りがミイラになり覚醒剤に手を染めてしまい、覚醒剤の取引現場で突如錯乱状態に陥り、同じく潜入捜査をしていた刈谷が刑事であることを暴露したために遠方から包囲していた久瀬によって射殺される。しかし、遺体から覚醒剤が検出されたため公務中の殉職として扱われなかった。
  • 矢上彰文
演:尾美としのり(第6話 - 最終話)
荒巻の後任の警視総監。「薩摩派」。「薩摩派」での内部分裂で派閥内の強硬派を率いるトップとなり、警視総監に就任後、汚れ仕事を任せるため千堂を副総監に選び自身の腹心とする。千堂に対し「関心があるのは、私に従うか、従わないか。その二択だけだ」と断言し、退官後も院政をひくことを画策している。
事件の捜査などにおいては真相解明よりも損得勘定を重視する傾向が強く、自らの地位・権力を固持する上で必要と見なした者に対しては、たとえ相手が重大事件に関与していても協力・擁護する立場に回り、場合によっては脅迫や証拠隠滅などの強行手段を自ら用いることも厭わない狡猾な人物。
2001年、当時公安部に所属していた千堂に暴力団の潜入捜査を命じて自らの"点数稼ぎ"を目論むが、その潜入捜査官の深海が覚醒剤に手を染め暴走した挙げ句に射殺されるという最悪の結末を迎えてしまったことを"黒歴史"として秘匿し続けており、その事件に関わりのある久瀬が起こした若槻大臣の狙撃事件で千堂が漣たちから追及された際には、狙撃事件を仕組んだのが千堂だと知りながら自らの保身の為に千堂に加担し、証拠となる誓約書を富樫を脅し回収する。
漣の父・勇仁が交番で自殺した晩に、刈谷に夜勤を休むように持ち掛けた張本人で、薩摩派の上層部として拳銃の横流しに関わっていたことからその秘密を共有する千堂とは一蓮托生の関係で、千堂を警視正に推薦するとともに、以降も千堂の数々の不正を擁護していた。最後は漣の計略で千堂のコレクションルームに保管されていた漣の父・勇仁から拳銃横流しに関わっていたことを証言されている交番の監視カメラのビデオ映像が発見されたことを権藤から突きつけられ、国家公安委員会にそのことを申告され警視総監の座から失脚する。

千堂派

  • 佐久間義孝
演 - 少路勇介(第1話・第5話)
捜査共助課課長。刑事部長・千堂の娘・優愛の婚約者。銀行強盗事件の陣頭指揮を執っていたが上層部の権力闘争のあおりをうけSATの出動要請がかなわず犯人を取り逃す失態を晒す。漣の仕掛けた女子高生・弥生との援交捏造の罠にはまり依願退職して失脚し、優愛との婚約も白紙となった。
5年前の傷害事件で被害者に見舞金100万円を渡していたことを漣から尋ねられ、自分をクビにした千堂に復讐するため、娘・優愛が起こした傷害事件を千堂が揉み消したことを教える。優愛のスポーツカーのドライブレコーダーを渡して証人になることを漣に約束するが、その裏では千堂に再就職先を斡旋されることで懐柔されており、更には自分を失脚させたのは漣であったことを教えられていたことから、漣が千堂を失脚させる動きを実行に移したところで彼を裏切る。
  • 土門義郎
演:野間口徹
千堂の後任の刑事部長。階級は警視監。「千堂派」で彼に絶対服従。
加森議員の収賄罪での逮捕を千堂の意向で差し止められていたが、志歩と不倫している写真を漣から突きつけられ仕方なく逮捕状を発行する。ハーバード大学で犯罪心理学を専攻しプロファイリングの心得があり、モニター越しで取り調べを受ける久瀬が誓約書を預けた相手を特定する。

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最終更新:2024年06月20日 20:19
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