常夏島の歴史
我々の世界『ガイア』は2007年に平行世界を観測した。
当初は技術格差により戦争や侵略などが懸念されたが、平行世界『マキナ』の技術によって世界間の話し合いが実現。
『ガイア』『アストラル』『マキナ』『レプタイル』『プレイライト』の5つの世界は平和的な交流を開始した。
また、その交流を促進するため世界間会議によって平行世界同士を繋ぐ"ゲート"の作成が決定される。2010年のことである。
話し合いによりゲートは『ガイア』を中心に作ることとなり、その設置場所として日本の沖縄南東に人工の島『常夏島』の建築がスタート。
平行世界の技術を存分に注ぎ込んだ結果、2012年には基礎である三本の柱が完成。その柱上に入植が開始された。
同時に世界中で構築が進められていたメガフロートの運搬・接続も開始。
1年の時を経て、2013年の春には当初予定されていた初期段階の面積の確保が完了。
街としての機能を保持するため、一般入植者の公募を全ての世界で開始。
続々と集まる入植者や、平行世界を見渡しても唯一と言っていい巨大人工島への観光客なども訪れ、常夏島は2025年の現在でも好景気に湧いている。
メガフロートは2013年以降も更に構築・接続されており、年々常夏島の面積は広くなっている。
【イツビ組】
概要
常夏島はガイアの国連、及び4つの平行世界全てが認めている自治特区である。
地理的な理由で日本の警察機構やランデルが当初は治安維持を担っていたが、利権や他組織からの突き上げにより頓挫。
現在それらの組織は協力組織として島内に支部を残すのみとなり、治安維持は自警団である『イツビ組』が行っている。
このイツビ組は2015年に設立され、『朱雀隊』『青龍隊』『玄武隊』『白虎隊』の4つに分けて編成されている。
メンバーは毎年公募しており、筆記試験や面接などで採用不採用が判断される。
(ただし、市長や各隊の隊長がスカウトして採用することもある)
所属している理由は様々であるが、この組織の目的は常夏島内を平和に保つことである。
なお、イツビ組は副業を認めている。
なのでランデルや、その他の組織に属している人間が同時にイツビ組で働いていることも珍しくはないし、
農地プラントで働く農家が農閑期の収入源としていたり、バリバリの戦闘隊員が休みの日には実家の酒屋で店番をしている、という光景も見られる。
備品点
イツビ組は自警団とはいえ、規模や担う職責の重要さからきちんとした会社として整備されている。
(公務員ではなく民間企業という扱い)
給与や有給、社員ごとに応じた勤務時間なども整っているが、特筆すべきは『業務備品制度』だろう。
この制度は所属する魔法使いが実力に合わない弱い装備をしている状態を払拭するため、業務で使用する装備・消耗品の全てを備品で賄う制度である。
ただし、どのようなアイテムも使い放題というわけではない。実力と功績に応じた『備品点』というものが支給され、それを消費して備品やアイテムを揃えていく形となる。
この備品点は日常生活には使えないため、魔法使いそれぞれの事情に左右されることなく純粋に実力に見合った装備を揃えさせることが出来るようになった。
渾沌隊
常夏島では不死や違法使いを認めていない。発見されれば討伐対象となるのは島外と同じである。
しかし、イツビ組では非公開ながらも不死・違法使いなどを集めた『渾沌隊』が存在する。
この隊は一般隊員には知らされていないが、副隊長以上の隊員には周知の事実である。
渾沌隊が出来たのは、同じく不死や違法使いに対抗するためである。
どれだけ水際で防ごうとしても、不死や違法使いに関する知識が無ければ出し抜かれて侵入されてしまうかもしれない。
よってイツビ組では身柄の保障を行う代わりに研究に協力することを義務とし、不死や違法使いを秘密裏に受け入れている。
【イデア論と異界の頻発】
5つの平行世界が繋がる地点である常夏島は、時空における質量のようなもの――イデアが特に増した状態にある。
平行世界のような大きな世界は"ゲート"の効果もあり特段影響はないが、異世界の欠片や異界のような小さな世界は引力のようにイデアの大きな場所へと引き寄せられてしまう。
それに加えて人の入れ替わりが激しく、平行世界間での価値観の相違などで諍いも少なくない。
つまり常夏島は異界が流れ着きやすく、発生しやすく、規模が大きくなりやすい土地である。
これらの異界を処理するのもイツビ組の大事な任務である。
他平行世界のスタンス
アストラル
3つの主要国家からそれぞれ優秀な人材が移住・派遣されてきている。
どの国家からどの程度の人数が来るかは政治的な話し合いによって決定されており、平行世界の技術はある程度認められているようだ。
特に鉄製品などの重工業を意欲的に学ぶ者が多く、建築・工業の分野が飛躍的に発展している。
また、鉄に神秘を見出す世界故か、アストラル世界で建築された鉄筋コンクリート製のビルはちょっとした要塞並の防護を誇るとか。
マキナ
基本的に技術を教える側であり、自身を端末と称するアンドロイドたちが講師役として派遣されてきている。
また、これらとは別に、マザーコンピュータが将来有望であると見込んだ人間へ個人的な端末を派遣することもある。
有望の基準は外部には知らされていないが、指導者や優れた魔法使い、技術者、または料理人や漫画家、役者などにも派遣が確認されている。
レプタイル
他世界の技術や道具は改良しなければレプタイル人には細かすぎて使えず、あまり平行世界の技術は重視されていない。
しかし採取や狩猟で成り立っていた世界に置いて他世界の緻密な料理は衝撃だったらしく、異世界料理が一大ムーブメントを巻き起こしている。
諸王によって選ばれた派遣人材も、レプタイルの優れた戦士と異世界料理に惹かれた料理人志望者が同数送られてくるほど。
手先の不器用さからまだ大成した料理人はいないが、レプタイル人の情熱を持ってすれば時間の問題だろう。
プレイライト
劇場ごとにまったく意見が異なるが、『異世界に反発する世界観』の劇場でもない限りほとんどは歓迎の意を示している。
派遣されてくる人材はおおよそ学者や研究職などの"役割"を持ったプレイライトだが、時折まったく意味の無い役割のプレイライトが来ることもある。
派遣人材の決め方はその時々によって違い、ひどい時は「希望者全員じゃんけんで勝った者10名が来た」ということすら。
最終更新:2018年01月04日 14:08