Q8

ちょうど2002個の相異なる正の整数からなる集合であって,その1個以上の要素の和が決して累乗数にならないようなものが存在することを示せ.
(2002 ブラジル数学オリンピック)




[解答]


より一般に,任意の正の整数nに対して,ちょうどn個の相異なる正の整数からなる集合であって,その1個以上の要素の和が決して累乗数にならないようなものが存在することを示そう.

素数は無限に存在するから,
\sum_{k=1}^{n}k<pを満たす素数pが存在する.
そのようなpを任意に1つとり,集合S
S=\{kp \mid kは整数,1 \leqq k \leqq n\}と定める.
このSが題意を満たす集合であることを示す.
まず,Sは相異なるn個の正の整数からなる.
また,Sの任意の空でない部分集合をAとし,
Aの要素の総和を\mid A \midとおく.
Sの要素は全てpで割り切れるので,
\mid A \midpで割り切れるが,
pの定め方より
0< \mid A \mid \leqq \sum_{k=1}^{n}kp =p\sum_{k=1}^{n}k <p^2なので,
\mid A \midp^2で割り切れない.
よって,\mid A \midを素因数分解したときのpの指数は1であるから,
\mid A \midは累乗数でない.
以上より示された.


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最終更新:2017年01月27日 18:29