Q20

a,b,cを正の整数とする.
\frac{a}{c}+\frac{c}{b}+\frac{b}{a}
\frac{a}{b}+\frac{b}{c}+\frac{c}{a}がともに整数ならば,a=b=cであることを示せ.
(けんけん問題を参考に作成)




[解答]

\frac{a}{c}+\frac{c}{b}+\frac{b}{a}=\frac{a^2b+c^2a+b^2c}{abc}
\frac{a}{b}+\frac{b}{c}+\frac{c}{a}=\frac{a^2c+b^2a+c^2b}{abc}である.
素数pを任意に1つとる.
以下,正の整数nに対して,nを素因数分解したときのpの指数を
ord_pnと表す.
ord_pa=s,ord_pb=t,ord_pc=uとおく.
問題の式はa,b,cについて巡回的であるから,
s \leqq t \leqq uまたはs \leqq u \leqq t
が成り立つと仮定しても一般性を失わない.
s \leqq t \leqq uのとき,
ord_pa^2b=2s+t,ord_pc^2a=s+2u,ord_pb^2c=2t+u,
ord_pabc=s+t+uであるが,
s \leqq t\leqq uよりord_pc^2a \geqq ord_pabc,ord_pb^2c \geqq ord_pabcなので,
\frac{a^2b+c^2a+b^2c}{abc}が整数となるためには
ord_pa^2b \geqq ord_pabcでなければならない.
よって2s+t \geqq s+t+uよりs \geqq u
これとs \leqq t \leqq uを合わせてs=t=uを得る.
また,s \leqq u \leqq tのときも同様に考えてs=t=uを得る.
以上のことが任意の素数pに対して成り立つので,
a=b=cである.


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最終更新:2015年03月25日 10:34