あいう

正の整数kに対して,kの正の約数の個数をd(k)と表す.
このとき,任意の正の整数nについて,
\sum_{k=1}^n d(k) \leqq n \log n+n
が成り立つことを示せ.


xy平面上において,
y \leqq \frac{n}{x}\,,\,0<x \leqq n\,,\,0<y \leqq n
を満たす点(x,y)全体からなる領域をSとする.
このとき,Sに含まれる格子点全体の集合と,
曲線
y=\frac{k}{x}(x>0)\,\,(k=1,2, \,\cdot \cdot \cdot \,,n)
上にある格子点全体の集合は一致する.
kについて,曲線
y=\frac{k}{x}(x>0)
上にある格子点の個数はd(k)なので,
Sに含まれる格子点の個数は
\sum_{k=1}^n d(k)である.
ここで,Sに含まれる各格子点(a,b)について,
a-1<x \leqq a\,,\,b-1<y \leqq bを満たす
(x,y)全体からなる面積1の図形はSに含まれ,
またそれらの図形はどの相異なる2つも共有点をもたない.
よってそれらの図形の面積の和はSの面積以下であるから,
\sum_{k=1}^n d(k) \leqq \int_1^n \frac{n}{x} \,dx+n=[n \log x]_1^n+n=n \log n+n
以上で示すべき不等式が得られた.(終)
最終更新:2015年03月21日 06:49