え?ふぇ?なんでですか?どーしてあたしはここに連れて来られたんですかぁ~?あたしの横には涼宮さん、そして目の前には涼宮さんの妹さんが2人。
「しょうがないから、ちょ、ちょっとだけ…」「イーッヒッヒッヒ、もう観念するです、乳牛人間っ」なぜか2人はこっちに迫ってきます。ただならぬ気配で、手をわきわき動かしながら。あ、あたしはこれからどうなるんでしょう…なんでこんな事に…
今日もいつも通りのはずでした。ゲームで古泉君がキョン君に勝つ事も無く、長門さんが大声で歌いだすでもなく…キョン君に淹れたお茶が、ほんのちょっといつもより熱かったくらいです。それもキョン君は笑顔で飲んでくれたし。そしていつものように長門さんの合図と共に、文芸部室を出て行く団員達。あたしだけが残って着替え、あとは帰るだけ。着替えが終わって、キョン君が待っててくれないかなあなんて軽く思いながら部室を出ると、
「はぁ~い、待ってたのよ、みくるちゃん!」涼宮さんがやけにニヤニヤして立っていました。あたしはどこかで危険を感じましたが、どうにもできません。どうか気のせいでありますように…それだけを祈って涼宮さんと一緒に学校を出たんです。
学校を出て他愛の無い話を始める涼宮さん。でもなんだかさっきから、涼宮さんがちらちらあたしの胸を見ているような気がします…
「でね、わたし、最近大きくなってきちゃって」話題もいつの間にか胸の話題に。よくよく見てみると、涼宮さんの胸は確かに大きくなっています…ホントに、見てわかるほどに。涼宮さんが言うには、下着のサイズが合わなくなってきたので、あたしが下着を買っているお店を教えてほしいという事。なんだ、それであたしを待ってたのか。あたしはホッとして、喜んで教えてあげると約束をしました。
「よかった~、じゃ、今からうちに来て!」え?今から?なんで?と疑問の泉が湧き上がりますが、あたしはその泉を懸命に埋め立て、口に出すのを抑えます。止めてくれるキョン君もいません。そうして自然に涼宮さんの家に向かう事になりました…
「いらっしゃいませ、朝比奈さん」「キシシシ、のこのこやって来やがったです」「こ、こら翠!アハハ…気にしないで、ほら上がって、みくるちゃん!」輝きすぎな笑顔で出迎えてくれたアスカさんと、明らかに怪しい光を瞳に宿した翠星石さん。こ、恐いです…躊躇う暇もなく、涼宮さんに背中を押されて、あたしはリビングに連れて行かれました。
リビングに入るなり、シャーという音とカチリという音が。どうしてアスカさんはにこやかにカーテンを閉めてるんですか?どうして翠星石さんはニヤつきながら鍵をかけるんですか~?!
「ご、ごめんね?みくるちゃん。わたしさ、急に胸が大きくなっちゃったでしょ?でさ、この子達に問い詰められたのよ… それでね、特に心当たり無くて…で、ひょ~っとしたら、みくるちゃんの胸を揉んでたご利益なのかな~、なんて」……な、なんでしゅってぇ~?!そして冒頭へ…
「こんなもんで大きくなるなら世話無いわよ…でも可能性はゼロじゃないし…ミサトくらいになればアイツは…ウフフ」「これで翠星石がナンバーワンのオンリーワンですぅっ!きっとメロメロになるに違いないです、その上で改めて主従関係を…クケケ」……
送ってくれるという涼宮さんの申し出を丁重に断り、無駄に熱くなった身体を夜風で冷やしながらとぼとぼ歩き出すと、涼宮さんの隣の家の玄関が開く気配がしました。ここって確か…
「涼宮ハルヒの胸部が発達した事と、あなたとの関係性は皆無…」スーッとあたしの前に立つ長門さん。あの、もしかしてあたしの進路を遮ってませんか?
「だったが、涼宮ハルヒがそう考えたのであれば、実現する可能性が…」悪寒がしたので長門さんの出てきた玄関を見てみると悪寒は強まりました。怪しい光が4つ。紛れもなく眼光です。
「あがって」ふえぇ~助けてキョン君!
翠星石「凄かったです……あの感触はいちご大福なんて目じゃなかったですぅ……」
みくる「キャアッー」
アスカ「!? ……今の、あの人の声じゃない?」
翠星石「明らかに隣から聞こえてきたですぅ……」
ハルヒ「あ、有希にもこの話してたのよ」
アスカ「あっけらかんとそんな事を……ハル姉、あんた鬼ね」
翠星石「天使のような悪魔の笑顔ですぅ……」
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