「翠星石」
トントン。鞄の蓋をノックする音。
二回、三回。
「翠星石?」
トントン。
四回、五回。
「翠星石!」
トントン。
六回、七回。
「…翠星石!起っきろー!!」
この声は、次女のアスカさんかな?
ドンドンドンドンドン。
八回、九回、十回、………、
「…だあぁー!もうっ、うるせぇーっっですよこの!ヴァカ姉貴がですうぅ!」
…わーっ、また始まった。こうなる前に、私が起こすべきだったかなぁ…。
「ぬうぅあんだとーっ!わざわざ起こしてやってるのに!何よその態度はっ!」
「私の大切な鞄を、毎朝何度もなんどもそのバカ力でぶっ叩いて……
見ろ!ここに出来たこの凹みを、ですぅ!どう責任取ってくれるつもりですか!」
「はっ?なーにを言ってんだか!その凹み、もともとあったものじゃない!
そんなボロっちぃ鞄、いい加減他のものに替えればいいのよ!!」
「くっ…このっ…「あんた達ー!いい加減にしなさーい!
ほら、ご飯できたわよ!食べるの?食べないの?」
「「あ、は~~~い」」
「…なんですかその猫なで声は?メシの時だけあからさまに態度変えやがって…
わかりやすい女ですぅ!」
「……人のこと言えるわけ?
つーかですぅですぅ煩いのよあんたは!」
「いいんですよ、これは私の個性なんですからぁ~」
「…ほんっ…とうぅ~にむかつくガキね!
まだですぅを繰り返すようだったら今度からあんたのことタ☆マ二等兵って呼ぶわよ!」
「な…なんですt…あっ」
「はい一回!
二等兵、私先行くから!早く来ないと、あんたの分まで食べちゃうからね」
今日はアスカさんの勝ちみたいだな。
まったく…。来る朝来る朝、よくも飽きないもんだわ。
「ま、待ちやがれですぅー!あぁっ…!
…もう!スィドリーム!お前も早く来るです!」
…あ、はい!>(((○)))
「おっそーい!ご飯冷めちゃうじゃないの!
ほら、早く席について!」
「はーい」
「はいはいです」
「返事は一回!伸ばして言わない!…まあいいわ。
とっとと食べなきゃ学校に遅刻しちゃうしね!
それでは早速、」
「「「いただきまーす」」」
こうして今日も姉妹達の朝は始まるのでした……。 おしまい>○
゛●>…あれっ? 僕の出番は?
お・し・ま・い!>ヽ○ゝ