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夏休みももう僅か。リビングの引き戸をガララと開けて、涼宮ハルヒは1人黄昏る。

「あ~あ、今年も何の変哲もない夏休みだったわ」
「よく言うです。ハル姉はほとんど家にいなかったですよ?」
テレビを見ながら後ろから翠星石が突っ込む。

「やれ不思議探しだ花火だ祭りだバーベキューだスイカ割りだ肝試しだキャンプファイアーだ…」
「あーもー!それが普通だっつってんの!」
「どこが普通ですか!一般人はこのうちの2つでもやれば思い出深い夏休みになるはずです!」
定例の不思議探し以外は全てかり出された翠星石の魂の叫びである。

「夏休みが終わってせいせいするです」
しかしハルヒはつかつかと妹に歩み寄り、ニッコリと問う。

「でもさ、楽しかったでしょ?」
否定はしないが、素直に肯定も出来ない翠星石は黙り込んでしまった。

「わたしだって、楽しかったのは認めるわ。別にね、後悔ししてるわけじゃないのよ。ただ」
ハルヒがそこまで言った時にリビングの扉が開いた。

「お風呂空いたわよ~って、ちょっとハル姉!カーテン閉めてよ!」
女所帯で完全に油断しているのか、バスタオル1枚のアスカが入ってきた。

「へん、そんな凹凸のない身体なんて誰も見ねえです」
「アンタ、それ完全に負け惜しみだから」
そんなやり取りを聞きながら、颯爽とカーテンを閉めたハルヒはアスカの身体を一瞥し、

「う~ん、これはいいわね」
「ちょ、ちょっと何触ってんのよハル姉!」
ハルヒがアスカの左肩から右肩までを、鎖骨を伝って指でなぞり出したのだ。

「季節限定、日焼け跡萌え、よ」
「よ、じゃないわよ!ちょ、くすぐった」
アスカも翠星石同様、イベントにかりだされて多少の日焼けをしていた。
無論ハルヒは不思議探しにも出かけているせいもあって、アスカ以上に焼けている。

「そんなんだったらハル姉の方が…ほらこの辺」
「や、ちょ何すんのよ生意気ねぇ~!」
突如始まった美少女同士のさわりっこ。鋼鉄の理性を持つものでも鼻血ものだろうが、あいにく観客は翠星石だけだった。

「オトコ日照りが揃いも揃ってうるせーです!テレビが聞こえねーです!」
意外なほどの剣幕に、さわりっこはあっさり終了と相成った。

「ご、ごめんね?ちょっとさ、こういうのも萌えなのよ。それでつい」
「ま、まあなんていうか、夏遊んだなあって、感じがしたもんで」
アスカがそう言った時、ハルヒは気づいた。翠は日焼けが出来ない。もしかしたら、それが羨ましかったのかもしれない、と。

「そうだ、アルバムの整理してないわ、2人とも手伝ってよ」
そう言って自室に戻る。妹達はブーブー言ったが、戻ってきてテーブルに写真をぶちまけると、自分から集まってきた。
この後賑やかな3姉妹の思い出話は深夜まで続くのであった……


翌日、桜田家の庭には大の字に寝転がる翠星石の姿があった。
蒼星石が心配そうに声をかける。

「翠星石、暑いだろ?もう中に入りなよ」
「翠星石の事は放っておいてほしいです。蒼星石、水銀燈がキレイに見えるのは、白と黒だったからなんです、日焼け跡だったんです」
「はあ?」

蒼星石の後ろからも声がかかる。
「蒼星石、翠星石の好きにさせておけばいいわ」
「でも…」
「そんなに中に入れたいなら、翠星石の顔に靴墨でも塗ってあげることね」(フ…淑女は結局美白なのよ、翠星石)
静かに紅茶をすする真紅。うろたえる蒼星石。シャネルズかよ、と爆笑するジュン。

「む!こら~!誰のためだと思ってるですか、このチビバカ人間!」
翠星石は中に入ってきた。しばらくしてジュンの悲鳴が聞こえる。


おわり