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──ザザーン ザパーン
波の音で目が覚めた。あれ?アタシはベッドで寝たはずなのに、なんでこんな小汚いテントで寝てるんだろう…
ハル姉と翠はどこ?ああもう、視界が狭い。塞がれている左目に手を当ててみると、包帯が巻かれていた。
アタシはテントを出る。目の前は海。真っ赤な海だ。なんとなく思い出す。

「あ、アスカおはよう。ご飯もうすぐだから」
シンジがいる。シンジしかいない。
アタシはシンジに詰め寄った。自己中でいつも騒動ばかり起こす迷惑な姉と、
口が悪くて庭の水遣りとスコーン作りくらいしかやらない妹の事。
アタシは映画女優だかなんだか知らないけど、今回は出番がないとかで拗ねてた事。
みんないた。ミサトも、ヒカリも、2バカも、そしてファーストも。
シンジは初めは面食らってたけど、途中からは落ち着いて聞いてくれた。

「僕もいたんだね…そっちには」
そうよ。今のアンタより明るかったけどね。

「そっか…楽しそうだね」
ええ。とても楽しかったわ。できるなら覚めないでほしかった。

「アスカは戻りたいと思ってる?」
相変わらずバカな男。答えないでおいてやる。

「僕はもう、逃げないって決めたんだ」
…ふうん。

「恐いけど、アスカと生きていきたい」
一言余計だっつーの。ま、これからのアンタの精進しだいね。
ありがとう、と微笑まれて咄嗟に目を逸らす。こういう時、翠がいたら多分からかわれたんだろうな…

2人きりの、静かな食事。聞こえてくるのは波の音ばかり。
さっきのがなんとなく悔しかったから、最低女の子3人はつくろうねって言ってみたら、シンジは盛大にむせていた。
フン、これでおあいこよ。

 

一方ちょっと上空
「なんか吼えてるから見に来てみれば…ひでえ夢ですぅ、ハル姉背中をかいてほしいです、かゆくてたまらんです」
「2人きりになりたいからってこんな世界にするなんて、アスカって恐いわ……なんでそんな目で見るのよ」
「な、なんでもないです、さ、もう帰るです。明日はアス姉をこのネタでたっぷりいたぶってやるです」
「だめよ、夢なんだから好きにさせてあげましょ。夢でくらい、ね」
「おや?ハル姉は夢で好きにした心当たりがあるんですか?」
「な、ないわよ。あれは悪夢よ悪夢!もう行くわよ!それじゃおやすみ、アスカ」