「ごめんね!」
ハルヒは少しはにかみながら、片目を閉じ、愛らしさでごまかすような謝り方をした。し
かし、そのような謝り方をするのならば、朝比奈さんの方が適任のような気もする。
「馬鹿ね、こういうことは団長がしなくちゃ意味が無いのよ」
ハルヒが目を三白眼にしながら、俺を睨んでくる。さすがに見なれた光景だが、改めてハ
ルヒほど三白眼の似合う女はいないのではないかと思う。男ならば、人知を超えた競技の
プレイヤーにコシマエという常に三白眼の選手がいるらしいが。
さて、俺達は何だってハルヒ謝罪ポスターの撮影をしなくならなくなったのだろうか?
勿論、兵庫県出身のどこぞのライトノベル作家が締め切りを守れなかったとかそんな理由
ではない。もしそんな理由で俺がハルヒのこのイライラの被害を受けなくてはならなくな
ったのだとしたならば、即刻そいつを今から殴りに行ってやる。三十分ほど前に「緊急の
バイト」に行った古泉と共に。
では、何故、こんなことをしているかと言うと、簡単なことで、いつも通りのSOS団の活
動動機、ハルヒの思い付きだった。
「謝罪ポスターを作るわ」
最近はどんなハルヒの思い付きにも、またか、と対応できるようになってきた俺だったが、
その発言には日常系四コマ漫画のアニメの監督の更迭以上に心底驚かされた。まぁ、更迭
のほうは話題作りではないかと思っているが。
まぁ、そんなことはどうでも良いことで、俺にとって問題なのは、ハルヒが、謝罪ポスタ
ーをつくるといい始めたことである。俺から見て、謝罪という二文字からもっとも遠いと
思っていたハルヒがいきなりそんなことを宣言したからである。
しかも、ハルヒのイライラしている様を見る限り、ハルヒが謝罪という概念を理解してい
て、更に根本的に自分がそんなことをするのが我慢ならないということは手に取るように
分かる。そんないつものハルヒならばやりたくないであろうことをする気になったのは、
「いつ、何が起こるかわからないわ。もしものときにSOS団が活動出来なくなったら全国
のSOS団の活動を心待ちにしている方々に、申し訳が無いわ」
という理由らしい。まぁ俺にとって重要なのは、いるのかも分からない全国のSOS団のフ
ァンの方々より、いつ、俺や朝比奈さんの身の方なのだが。
残りのSOS団員である長門はいつもと同じ様に、部室の隅で分厚いSF本を読んでいるが、
古泉のほうはもう被害を受けてしまった。このいらつきようなら、二、三日帰って来れな
くても、仕方あるまい。いや、もしかしたら永遠に帰ってこないかもしれない。さらば、
古泉。
そういえば、古泉は今回の騒動の原因は俺だと、はっきり指摘してから、部室を後にして
いった。俺が原因でハルヒが謝罪? ハルヒと謝罪というキーワードをつなげるときに、
俺がもっとも遠いであろうに、古泉は何を考えていたのだろうか?
「ちょっと、キョン、照明の位置が低い」
更にイライラが溜まり始めた様子のハルヒに言われ、カメラマンとしての領域に達してい
ないと照明係に更迭されてしまった俺は、仕方なく指示に従った。しかし、俺に言う前に
新しくカメラ担当となった朝比奈さんにカメラの使い方を教えて差し上げたほうがいいの
ではないのか? もしくは長門にカメラをさせたほうが良い。
朝比奈さんは三脚の上に固定されているカメラの周りをぐるぐると回っている。朝比奈さ
ん、カメラの周りを三周すればシャッターが切れるとか、そんな機能はついていませんよ。
そう言って差し上げたくなる。
朝比奈さんはそんな俺の心の中の忠告も聞かずに、カメラのレンズを覗きこみ、カメラを
弄くり始めた。後ろに立っているハルヒのオーラに気がついたのだろう。一生懸命カメラ
を使いこなそうとしているのが見て取れる。
カシャ、という音と共に、部室が一瞬明るくなった。それと同時に朝比奈さんのかわいら
しい御声が部室に響いた。
「きゃっ、め、眼がぁ~」
レンズを覗きこみながら、シャッターを切ってしまい、フラッシュがたかれてしまったよ
うだ。朝比奈さんは目を押さえながら、身悶えている。勿論、メイド服で。あぁ、朝比奈
さんはなんて愛らしいのだろう。などと考えていたが、フラッシュを至近距離で直接見て
しまったのだ。失明の危険があるだろうと言うことで、俺は朝比奈さんを保健室に連れて
行くことにした。ハルヒは呆れ顔で、団長席に座り、ひじを突いていた。
しかし、朝比奈さんを保健室に連れて行く前にしなくてはならないことがある。朝比奈さ
んの着替えだ。いつも通りのメイド服で、保健室にまで、朝比奈さんを連れて行けば、朝
比奈さんはまた学校を休まなくてはならなくなるであろうからな。
朝比奈さんの着替えが終わり、制服姿の朝比奈さんを連れて、部室から出ていこうとする
と、
「もう今日は終わり、みくるちゃんは帰って良いわ。けどキョン、あんたはみくるちゃん
を送ったら帰ってきなさいよ」
という、SOS団、団長の声が聞こえてきた。その言葉を聞き、俺は部室に戻ると、朝比奈
さんの鞄を取った。ハルヒは朝比奈さんを保健室送りにしたデジカメからデータをパソコ
ンに取りこんでいたが、俺の視線に気づくと、パッと目をそらし、「早く帰ってきなさい
よ」と呟いた。
やれやれ、そういうことか。
朝比奈さんを保健室に送り届け、帰り際に出会った鶴屋さんに朝比奈さんのことを伝え、
部室に戻ると、やや暗くなった部室にはハルヒが一人で待っていた。
「長門はもう帰ったのか?」
ハルヒは不満そうな顔をし、俺の鞄を投げつけてきた。
「帰るわよ」
おいおい、何をそんなに怒っているんだ? 朝比奈さんを保健室に送り届けてきただけで
そこまで怒る必要も無いだろう?
「うるさい!」
ハルヒは俯き、下に向いて叫んだ。俺が肩に手をかけようとするとそっぽを向いてしまっ
た。ゆっくりと近づき、後ろから手を回す。それなりの身長差があるおかげで、俺の腕は
ハルヒの首に巻きつく形になる。
ハルヒは抵抗もせずに、俺の腕をそっと掴んだ。ハルヒの体温が俺の身体にも伝わってく
る。体温が伝わってくると言うことは、俺のほうが体温が低いのだろうか?
しばらく、その格好でいると、「帰るわよ」といわれ、腕を解かれた。
どうやらこの行動は正解だったようだ。ハルヒの手が俺の腕に触れた瞬間はこのまま一本
背負いをされるのではないかとひやひやしたが、結果的にハルヒの機嫌は直ったようだ。
長門の時のように、いきなり谷口が来て、勘違いをされることも無かったようだしな。ま
ぁ、今回の場合は勘違いというわけでもではないがな。
「どうした? ハルヒ、帰るんじゃなかったのか?」
ハルヒは俺の腕を解いて、帰ると宣言した割には、帰ろうとせずに、ボーっとしている。
ボーっとしているハルヒなんてのも珍しいが、もうそろそろ帰らなくては、下校時間はと
っくに過ぎている。
「おい!」
もう一度声をかける。すると、ハルヒはやっとこの世界に戻ってきた。
「帰るんじゃなかったのか?」
「うるさい」
そう言うとハルヒは今度は自分から俺に抱き付いてきた。
いきなり抱き付いてきたハルヒに少しばかり動揺したが、俺の胸に顔をうずめるハルヒを
見ていると、そんなことはなんとなく、どうでもよくなった。
しかし、いつまでも廊下でこんなことをしているわけにもいかず、俺は床に落ちたハルヒ
の鞄を拾い、俺の鞄と合わせて左手で持ち、部室の中に入る。そして後ろ手に部室のドア
を閉め、鍵をかけた。
「どうしたんだ?」
誰もいない校舎の中、暗い部室で、俺の声は意外に、大きく響いた。そんなにも長い間、
廊下にいたのだろうかと思うほど、窓の外は暗くなっている。いい加減ハルヒの機嫌が不
安定な理由を知って、帰ったほうがよさそうだ。
しかし、そんな俺の思いとは裏腹に、ハルヒは俺の質問に答えようとはしてくれない。ま
ぁ、俺の意向を聞いてくれるような団長様ではないが、涼宮ハルヒとして、俺の質問に答
えてくれないのはいささかばかり、ショックを受ける。
「なぁ、どうしたんだ?」
もう一度訊いてみる。ハルヒと俺の鞄を長机の上に起き、両手をハルヒの背中に回した。
ハルヒは意外にも、すんなりと俺の腕の中に収まってくれた。しかし、こんな行動を取っ
ている理由を言ってくれそうに無い。仕方なく一度ハルヒを引き剥がし、問いただそうと
したが、固くしがみつかれてしまった。しかし、そんなことで諦めてはならない。窓の外
の暗さからして、早く帰らなくてはならない上に、俺はハルヒに少し反応しはじめている
からな。
俺は再度力をこめてハルヒを引き剥がそうとした。今度はハルヒの抵抗も少なく、引き剥
がすことが出来たのだが、俺は質問することも出来ずにまた抱き付かれてしまった。
これがハルヒの策略だとしたら、俺はハルヒの策略にまんまとはまっている。俺がハルヒ
を引き剥がすとハルヒは泣きそうな顔で俺を見上げてきたのだ。
あの気の強いハルヒが、目に涙を貯めて、俺にすがるような目で、俺を見上げてきたのだ。
俺はあんなハルヒを見たら何も言うことは出来ない。俺が弱いのか? 涙は女の武器と言
うが、あれは卑怯だろう? ゲームバランスを崩し過ぎだ。
そして、俺は完全に反応してしまった。しかもそれは、ハルヒの腹部あたりに当たってい
るに違いない。ハルヒには気づかれてしまっただろう。
ハルヒが俺を見上げてくる。今度は泣きそうな顔ではない。目のふちに涙は溜まってはい
るが、いつものにやにやした笑顔だった。
「キョン、起ったの?」
ハルヒは分かっているであろうことをわざわざ訊いてくる。お前の腹のあたりにやけに熱
くて硬いものがあたっているだろう? 分かっていることをわざわざ言うな、恥ずかしい。
「ね、しよ?」
ハルヒが、また、俺の胸に顔を埋め、言う。
俺がしばらく黙っていると、ハルヒが顔を上げて、もう一度同じ言葉を言った。
俺は正直迷っていた。確かに、俺もものすごくやりたい。とってもやりたい。しかし、最
近ハルヒと、こういったことを行うことが無かったのは、ハルヒが原因なのだ。
二週間ほど前に、ハルヒとそういったことを行い、一段落した後にいきなりハルヒが「舐
めてみたい」と言い出したのだ。まぁ、別に悪い気はしなかったので、何も言わずに放っ
ておいたのだが、それがまずかった。ハルヒが顔を埋め、ハルヒのその行為は、舌が俺の
それに絡み付き、更に根幹から先のほうへと舐め上げられ、つい声を上げてしまうほど気
持ちよかったのだが、その直後、ハルヒは何を思ったか、噛み付いてきたのだ。俺はすぐ
さま、ハルヒの頭を掴み、押しのけたので、何とか、噛みちぎられる事にはなら無かった
のだが、痛みはものすごいものだった。
「何でいきなり噛むんだ!?」
とつい怒鳴ってしまったのだが、ハルヒは何で怒っているのかといった風に、顔をしかめ
た。痛みが若干引いた後、ハルヒに何故いきなり噛んだのかと聞くと、ハルヒは
「締め付けるのが気持ち良いといつも言ってるから、噛んであげたら喜ぶと思ったのよ。
大体、噛んだら痛いんなら、そう、教えておきなさいよ。アメリカじゃ、そういうことは
先に言っておかないと裁判したって負けるわよ?」
と返された。まぁ、確かにハルヒの下の締め付けは気持ち良いが、締め付けると噛むのじ
ゃ次元が違うということに気がつかなかったのだろうか? こいつは。それに加え、噛ん
だら痛いと知らなかったと来た。始めての時に、散々痛い、痛いと誰が喚いたのか、忘れ
ているのだろうか?
「男と女じゃ違うでしょ? もういいわ、帰る」
と言ってその日、ハルヒは帰ってしまったのだ。それ以来、俺とハルヒはそういったこと
は行なっていない。
で、あるからして、俺はハルヒから謝るまでは、そういうことはしないと決めたのだ。し
かし、ハルヒに抱き付かれた今の状況では、俺はどんどんしたくなっていく。だが、男と
して、にやにや笑うハルヒの思うが侭になるのはごめんである。
「キョン、しようよ」
ハルヒがまた、にやにやと笑いながら、言ってくる。
不意にハルヒの着ている制服のリボンが眼に入った。それと同時に二週間前のハルヒの台
詞がよみがえる。
よし、良いだろうハルヒ。してやろうじゃないか、そして俺はお前の忠告を守ってやるぞ。
「何よ、忠告って? まぁ良いわ。やるんでしょ?」
あぁ、やるさ。そう呟き、俺は右腕をハルヒの背中に回し、左腕をハルヒの膝の裏に回し
た。まぁ、簡単に言えば、お姫様抱っこの体制である。
これは、ハルヒの願いによるもので、する前は必ずハルヒをお姫様抱っこでベッドまで運
んでいくと言うのが、俺とハルヒの間での一種の儀式だった。ハルヒがそんな柄ではない
と思っていた俺は、そんなことを言われた瞬間、笑ってしまいそうになりながら、心のど
こかでかわいいと思ってしまったことを覚えている。しかし、このような儀式は二人が別
れてしまった場合、非常に痛い過去になってしまうだろうと心のどこかで思ってしまった
ことは、忘れようにも忘れがたい。
ハルヒを一度、机の上にのせ、電気をつけると、俺はSOS団の衣装類が置いてあるところ
へ向かい、一枚の大きなバスタオルを取り、ハルヒの元に戻った。
「やさしいじゃない」
ハルヒが満足げな表情で言ってくるが、俺は無視し、バスタオルを広げ、一度はたいた後、
机の上に広げた。
そして、ゆっくり、ハルヒをその上に寝かせた。ハルヒはおとなしく俺の腕にしたがって
いる。
俺はまず、リボンを解き、広げ、長さを確かめてみた。意外に長く、ハルヒの手を縛るに
は十分な長さだった。
リボンを手に取り、何か考えている俺を見て、ハルヒは、怪訝な顔をした。そんなハルヒ
に俺はゆっくり、微笑んでやり、手を出せ、と命じた。
「何? まさか縛るの?」
ハルヒの表情は怪訝なものから、やや、驚いたものに変わり、そしてまんざらでもないも
のへと変わった。
「良いわよ。どんなものか試してみようじゃない」
その言葉を聞き、俺は差し出されたハルヒの両手の手首に、リボンを回した。一度両手首
を合わせて、一回まわした後、今度は右手首、左手首、それぞれ回し、硬く縛った。ハル
ヒは固く縛った瞬間に、「解けるの?」と訊いてきたが,解けないときは切る。という俺
の言葉に絶句した後、まぁ、責任は取ってもらうわと諦めた様子で、黙った。
放課後の部室の机の上で、制服姿で縛られているハルヒ、というのは俺のそれに語り掛け
てくるものがある。
ハルヒの表情も、根本は安心している様子だが、どこか不安そうで、それでも普段強気な
態度を取っているため、その不安を隠そうとしている様は、男としてひどくそそられる。
「早くしなさいよ」
と、机に寝たまま顔だけ起こし、俺を促す声にも不安な感じが混じっていて、俺はハルヒ
の服を脱がし始めた。
一日中着ていた夏服のブラウスと言うものは、朝、洗いたてのものとは違ったよさがある。
どこかしなびていて、朝には着いていなかったしわがついていたりするのも良いものだと
思う。
そして俺はハルヒのスカートを脱がそうとする。一体型になっているベルトを緩め、脱が
そうとすると、ハルヒが縛られた両手でそれを邪魔した。
「なんだ?」
と、ハルヒの顔を見上げるとハルヒは目をつむり、何かを待っていた。こういうことに関
しては意外に普通の思考回路を持っているのだと思いながら、顔を近づけた。しばらく待
つと、ハルヒが待ちかねた様子で目を開けたので、その瞬間にキスをする。最近気がつい
たことだが、ハルヒはこういうしょうもないことを意外に喜ぶ傾向があるようだ。
ハルヒの両腕がスカートから離れたようなので、俺はハルヒの腰を持ち上げ、スカートを
脱がす。
ようやく、下着姿となったハルヒを俺はゆっくりと見つめる。ハルヒの胸は大きいという
わけではないが、形がよく、俺にとってとても好みな胸をしている。前に、ハルヒにその
ことを言ったが、ならなんでみくるちゃんの胸を見て鼻の下を伸ばしてんのよ! と言わ
れたが、男の胸の好みには、観賞用、実用、妄想用と三種類あって、更に場合によっては
好みではないものも目をこじ開けて入ってくるなど、多くの場合があるのだと熱弁を振る
ったが、ハルヒから返ってきたのは、強烈なボディーだった。
まぁ、そんなことはどうでもよく、ハルヒの胸は俺にとって非常に好みの大きさ、形、つ
いでに柔らかさ、感度を持っているということだけ分かってもらえればよい。
そして、ハルヒの腰はなんとも言えないくびれを持っている。勿論これも俺の好みにばっ
ちりあっているわけだが、これ以上、いかにハルヒの身体が俺の好みに合致しているとい
うことを語ると、日曜日と名づけられた週刊誌でやっている、アイドルのけしからん画像
を作る技術と同じ名前の漫画になってしまうので語るのをやめる。
俺がハルヒの身体を眺めている間、ハルヒはいつも両手で顔を隠す。SOS団発足前、大勢
の男子の前で平気で脱ぎ始めたやつとは思えないしぐさだ。
俺はそんなハルヒをからかおうとは思わない。なんとなくかわいく見え、どこか愛らしい
からな。まぁ、からかったところで、今度は俺が謝るまで、してくれなくなるだろうが。
俺はハルヒの背中に手を回し、身体を抱き起こした。ハルヒはまた、目をつむり、求めて
くる。今度は目を開けるまで待ってからキスをするようなまねはしない。これは昔から分
かっていたことだが、ハルヒは同じこと繰り返すとすぐに飽きる。
ハルヒは手首を縛られたことによって出来た腕の輪を俺の首に通す。俺はハルヒの下着の
ホックをはずすとその腕をはずした。ハルヒは不満そうな顔をしたが、抱き付かれたまま
では、下着を脱がすことが出来ないからな。
ハルヒは俺が下着をはずすと今度は胸を隠した。縛られた手で胸を隠している光景という
のはそそるものがあるが、こう、隠し続けられるとさすがにいらついてくる。
俺はハルヒの両手を掴み、縛っていたリボンをはずし始めた。
「はずしちゃうの? 意外に面白かったのに」
いや、もう一度すぐに縛ってやるさ。ハルヒの意外な言葉に若干驚きながら、リボンをは
ずすとハルヒを後ろを向かせ、両手を後ろに回すよう命じた。
「なるほどね、後ろで縛るわけね」
ハルヒは意外にすんなりと手を後ろに回した。ハルヒは意外にマゾっ気があるのかもしれ
ない。俺は後ろに回された両手首を先ほどと同じように縛った。今度は後ろ手ということ
で、何度か、鬱血しないようにそれなりの余裕があることを確認し、ハルヒ本人にもきつ
くないかと聞いた。
「まぁまぁね。悪くは無いわ」
とまんざらでもない様子で、返されたので、俺は縛りの具合とハルヒの被虐性を確認した。
そして、またハルヒを俺の正面へと持っていき、ハルヒの胸を見つめる。今度はハルヒも
隠すことは出来ない。ハルヒの恥ずかしそうな表情と俺好みのハルヒの胸を鑑賞する。
「……そんなに見てないで、早くしなさいよ」
ハルヒは俺の視線に耐えられなくなったようで、そんなことを言ってくる。しかし、何の
為に俺が後ろ手に縛ったと思っているんだ? 俺はハルヒの胸を存分に楽しむために縛っ
たんだ。
俺が黙り続けていると、ハルヒは何度か「早く」と促したが、俺が無視していると、次第
に顔を真っ赤にして黙り始めた。
俺はハルヒの胸の先端を見て、脱がしたときよりもやや朱色が濃くなっているような気が
して、右手でそっと触れた。
ハルヒは、はふっと息を洩らし、真っ赤な顔で俺の顔を睨んだ。
「……いきなり触らないでよ」
そんなことを言われても、いきなり触ったつもりは無い。ゆっくりと手を近づけていった
はずだ。お前が目をそらしていたのが悪い。そう思い、今度は胸全体をつかみ揉み始める。
ハルヒはまた、顔をそらしているが、時折ふっふっ、と息を洩らしている。そして左手で
も右胸を掴み、揉み始める。ハルヒの洩らす息が大きくなったような気がする。俺はそん
な様子を見ながら、ハルヒの胸を揉んでいた。
しばらくすると、ハルヒの額にうっすらと汗が浮き始めた。俺はそれを見て、ゆっくりハ
ルヒの胸から手を離す。俺の美しいとは言えない指が、ハルヒの美しい胸のふくらみの上
を滑り、最後に硬くなった先端に触れ、ゆっくりと離れる。離れる瞬間にハルヒはあっと
声を洩らした。
俺は唯一残ったハルヒの下着に手をかけた。いつもなら抵抗したであろうこの行為も後ろ
手に縛られている今のハルヒには抵抗出来ない。ゆっくりと下着を脱がしていき、ハルヒ
の女である部分を隠す毛が見えそうになったとき、
「ちょっと待って!」
とハルヒが叫んだ。今更何を待てというのか、俺が仕方なく顔を上げると、顔を真っ赤に
したハルヒが顔をそらしていた。俺はその顔を見て、なんとなく察しが付き、ハルヒの言
葉を無視し、ゆっくりと下着を脱がした。
予想通りといってはなんだが、やはり、ハルヒの女である部分と下着の今までそこに当た
っていた部分との間に糸が引いていた。その糸はすぐに切れてしまったが、脱がせたハル
ヒの下着のその部分はしっかりと濡れていた。
ハルヒは顔をそらし、歯を食いしばっているが、男としてこれは結構うれしいものである。
しかし、ここまで下着が濡れていると、その下着を濡らした部分がどうなっているか気に
なるのが人類をここまで繁栄させた、好奇心と性欲、というものである。
ハルヒのそこの毛は、谷口などから見せられた、いわゆるエロ本などといったものから得
た指標から言えば、濃くも無く、薄くも無く、と言ったところだろう。
ハルヒのそこに触れるとクチッと音がしたような気がした。それほどまでにハルヒのそこ
は濡れていた。
俺はゆっくり中指をハルヒのそこに沈めていく。第一関節、第二関節と、俺の指の節がハ
ルヒのそこを広げるたびにハルヒは、んっんっと、わずかに声を上げた。
「もういいか?」
いつもならもう少し長く、ほぐしてからなのだが、今日のハルヒのそこはほぐすまでも無
く、ほぐれていた。
ハルヒは顔をそらしたまま、んっと頷いた。
しかし、俺はすぐには入れようとしない。何故なら、先に言ったようにハルヒから謝る前
にしようとは思わないからだ。もちろん俺は非常に硬くなっている。そして、今すぐにし
たい気持ちは大きい。しかし、ハルヒを縛り、ここまでしたのだから、もう少しやってみ
なくては意味が無いだろう?
「……何? しないの?」
ハルヒは俺がいつまでたってもしようとしないことに痺れを切らしたようだ。俺はもちろ
ん用意していた言葉を言う。
「欲しいのか?」
ハルヒは一気に顔を赤くし、絶句する。俺はハルヒの髪を撫でながら同じ言葉をもう一度
言う。先手先手を取り、俺のペースに持ちこまなくてはならない。
ハルヒは、しばらく絶句していたが、顔を背け、頷いた。まずは成功といったところか、
ハルヒから求めているという状況にすることが出来たわけだ。
「欲しいならちゃんと言ってみろよ」
まるで、どこぞのホストのような物言いだが、仕方ない。これでハルヒのおねだりが聞け
るというのならやすいものだ。
「……な、なんて言えば良いのよ?」
しばらく黙っていたハルヒだったが、観念したのか、この状況に乗る気になったのか、言
葉を返してきた。
いきなり、ご主人様と呼ばせるのは早すぎるだろう。それにそこまでハードな展開を俺は
望んではいない。
「じゃあ、私のあそこにあなたのものを入れてくださいって言ったら入れてやるよ」
まぁ、こんなものだろう。いきなり直接的なワードを言わせようとすれば、ハルヒは一気
に冷めて出ていってしまうだろう。ハルヒは俺の思惑通りに顔を赤くした後、頭の中で俺
の言った言葉を反芻しているようだ。そして、おずおずとと口を開いた。
「……私の……あそこに……キョンのそれを入れてください」
言った後、キッと睨まれたが、まぁ、こんなものだろうと思いつつ、俺はベルトを外し、
ズボンを下ろすと俺を取り出した。俺はハルヒを縛ったときからずっと硬く大きくなった
ままだ。
ハルヒは顔をそらしているが、目はきちんと俺のことを見ている。そのことを指摘して遊
んでもいいのだが、俺は今回、最大の目標をかなえる為、黙っていた。
しばらくすると、ハルヒがまた顔を上げる。今度はややいらついている様子だ。
「なんで、してくれないの? ちゃんと言ったじゃない」
俺はハルヒの言葉遣いが「する」ではなく「してくれる」という、受身的な形になってい
ることに内心喜びつつ、顔を無表情に保ち、言った。
「俺のをそんなに見ているのに気づかないのか? 若干傷ついているような気がしない
か?」
ハルヒは見られたことを指摘された瞬間には絶句し、その次の言葉には何か、気が付いた
様に押し黙った。もちろん、俺のものに傷などついていない。軽く歯が当たっただけで傷
つくはずも無いし、傷ついたとしても二週間もあれば直っている。ハルヒはすぐに押し黙
ったところを見ると少しは気にしていたのだろうか?
「何か言うことは無いのか?」
押し黙ったと言うことは心当たりがあるはずで、もうすでに、頭の中では何のことを言っ
ているのか分かっていることだろう。しかし、ハルヒはそれでも押し黙っている。
「分からないのか?」
俺はもう一度言う。これでハルヒが言わなかったら仕方ない。俺ももう限界だ。男として
の矜持などとは言っておられない。と考えているとハルヒが口を開いた。
「……そ、その悪かったわね、ごめんなさい」
その言葉を聞いて先ほどまで、もう耐えられない、などと考えていたやつはどこに行った
のか、次の瞬間、俺はまた口を開いていた。
「そんな口の聞き方をするのか?」
ハルヒは俺の言葉を聞き、唇を一度噛んだ。なんというか、アンティークな悔しがり方を
するやつだ。「悔しい、でも……感じちゃう」なんて言葉も、もしかしたら言ってくれる
かもしれない。
ハルヒは意を決したように口を開き、俺の目を見据え、言う。
「キョンのあそこに歯を立てて申し訳ありませんでした。私のあそこにキョンのものを入
れてください」
ハルヒは意外にも注文以上のことをしてくれた。これは誉めてやらなくては、機嫌をそこ
ねるだろうと、分かったと、言い、キスをしてやる。ハルヒはほっとしたように顔を緩め
たので、俺も微笑んでやった。
そして、ついに俺はハルヒのそこに入れようとする。
「あ、あのちょっと!」
俺は顔を上げて、ハルヒの顔を見た。俺としては、目的も済ませたので、早く入れたいの
だが。
「……電気消して欲しい、んだけど」
……涼宮ハルヒの意外に乙女な一面、最終章だな。
俺はドアのところに行き、電気を消した。外ももう真っ暗になっているので、部室の中も
真っ暗になった。俺はしばらく目を慣らした後、もう一度ハルヒの元へ行った。
「いいか?」
「うん、いいわよ、……入れてください」
ハルヒが自主的に吐いた言葉に俺はさらに硬くした。そして、ゆっくりと押し沈める。ハ
ルヒは押し黙ったように何も言わないが、いつもより荒い吐息が俺の耳に入ってくる。俺
をその吐息に興奮しながら、ゆっくり根元まで押し沈めていく。
ハルヒのそこの周りについていたであろう粘液と、俺のそこの根本が当たり、ねちゃりと
いう音がした。ハルヒの中は、問答の前より、柔らかくなっている気がする。問答で、ハ
ルヒが興奮したのだとしたら、そう考え、俺も興奮した。
根元まで刺しこんだまま少し動かすと、ハルヒの荒い吐息がまた聞こえた。暗い闇の中で、
その吐息は俺を更に興奮させる。
俺はゆっくり腰を動かし始めた。
深く刺し、抜けるか抜けないかというところで、また深く刺す。
深く刺すたびにハルヒは、声をあげた。何も見えないこの状況で、声というものはこの上
ない興奮材料となる。
俺は、俺でハルヒを感じ、ハルヒは、ハルヒで俺を感じてくれているのだろう。
そこになんとなく、愛とかそんなワードが浮かんで、俺はそんなことを、くさい考えだと
か思いながら、それを否定しきれないでいた。
「キョン、キョンなの?」
ハルヒの上げる声の中にそんな疑問の言葉が混じり、俺はこんなときまで、キョンか、と
思いつつ、いや、こんな状況だからこそ、キョンと呼ばれようが、ハルヒにとって俺はキ
ョンで、ハルヒは俺を求めてくれていて、だからこそ、キョンと呼んでくれているのか、
と、まとまらないことを思ったりしながら、あぁそうさ、俺がキョンだ。と答えてやった。
そんなことを考えながら、俺は、俺の中に精を吐き出す気配を感じ始めていた。
「ねぇ、キョン、手ぇほどいて」
俺はいきなり泣き声の混じったハルヒの声に、少し驚きながら、何度か突いた後、言った。
「……ご主人様って呼べば外してやるさ」
なんでそんな言葉が出たのか分からなかった。射精前の興奮状態から来たものなのか、そ
れとも俺の本心から来たものなのか、それはわからない。それでもハルヒは
「ご主人様ぁ、外してください」
と、俺の要望にこたえてくれた。俺はハルヒを抱きかかえると手を回し、リボンを解き始
めた。俺が結び目を解くと、ハルヒは腕を振りまわし、リボンを振りほどき、俺に抱き付
いてきた。そして俺の頭を掴み、キスをしてくる。
ハルヒの舌が、俺の口に侵入してくる。俺は、受け入れ、絡みつく。手を回し、ハルヒの
頭を掴む。ハルヒは逃れようともしない。次第に主導権が俺へと移っていく。
ハルヒが俺から出て行く。俺はそれをすんなりと受け入れる。ハルヒが大きく息を吸う音
が聞こえた。そして、もう一度ハルヒが呼吸したのを聞き計って、ハルヒに侵入する。今
度はハルヒが俺を受け入れ、俺は絡みついてくるハルヒを受け止める。
次第に、何がなんだか、分からなくなりながら、俺は、俺が吐き出そうとしていることに
気づく。
出すぞ、そう言ったつもりだが、実際なんと言っていたのかは分からない。しかし、ハル
ヒ
は分かってくれたようで、ゆっくり頷いた、気がした。
「ごめんね」
不意にハルヒの声が聞こえた。何のことだ? と聞き返すと
「歯立てちゃってごめんね」
と聞こえた。さすがの俺もやっと気づいた。ハルヒがやりたくもない謝罪ポスターを作る
と宣言した理由に。やけに、俺の要求を聞いてくれた理由に。
俺は言う。分かったハルヒと。もう怒ってはいないと。そして、そこまで思いつめさせて
すまなかったと。
俺は、吐き出す瞬間、一気に覚めた。俺とハルヒがぶつかり合う音。あさましい獣の性交
のように聞こえた。それでも、俺はハルヒにぶつける。あさましい獣だって良いじゃない
か、そう思いながら。
覚めた瞬間、ハルヒの顔が見えた気がした。いい加減目が暗闇になれてきたのか、それと
も俺の記憶の中から、俺の脳が勝手にハルヒの顔を作り出したのかは、分からない。
しかし、そのハルヒの顔はすごく、きれいだった。歪んでいて、涙を流していたけれど、
とてもきれいだった。
俺はハルヒを抱きしめ、吐き出した。
「どうやら、うまくいったようですね?」
なんのことだ? 古泉。と言ってもまぁ、大体は分かっているが。
「ええ。もちろん、あなたと涼宮さんのことです」
「もしかしてお前、見てたわけじゃないだろうな?」
俺はつい、古泉がしていてもおかしくない行動についての疑問をぶつける。もしこの質問
に古泉がYESと答えた場合、ハルヒをたきつけてでも、こいつを消さねばならない。
「いえいえ、そんなわけじゃありませんよ。通常時ではありえないほどの、量と強さを持
った神人たちが、すうっと消えていきましたのでね。ああ、これはあなたがやってくれた
のだろうと。……ありがとうございました」
お前になぜ、感謝されなきゃならんのか、理解に苦しむ。俺はお前に感謝されるようなこ
とはやった覚えはないが。
「いえ、あのままあの神人たちが消えなければ、機関の人間を総動員しても、倒せる量で
はなかったですからね。あのまま行けば、どうなっていたことか」
そうか、よかったな、まぁ、俺としてはどうでも良いことだが。そう言い、その場を立ち
去ろうとした俺に、古泉が声をかける。
「しかし」
しかし、なんだ?
「あまり今回のようなことがあっては困ります。痴話喧嘩は犬も食わないと言いますしね。
さて、僕は授業があるのでこれで」
俺が今回のことの原因は俺だということで、一発ぐらい殴られてやってもいいか、と思っ
ていたさわやかハンサムボーイは、強烈な捨て台詞を置いて去っていった。
……あのやろう。
最終更新:2012年12月29日 06:27