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凡人くんとカチューシャちゃんとヤンキーくんとメガネちゃん - (2008/02/12 (火) 00:40:52) の1つ前との変更点

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<p>俺が涼宮ハルヒという超ド級の爆弾女と出会って早一年が経った。ハルヒも随分と普通の女の子らしくなったと言っても、<br> それは俺が奴の一年前の初顔合わせで耳にしたあの自己紹介を、今でも深く記憶に刻み付けているからであって、<br> もし、俺が記憶喪失にでもなってハルヒと二度目の初対面を果たしたら、おそらく感想は去年と同じものになるのだろう。<br> つまり、何が言いたいのかというと、二年になってからもハルヒはハルヒでしかないわけで、<br> 去年通り閉鎖空間を期間集中で量産して、あのいけ好かないハンサム野郎に俺に変わって制裁を下したり、<br> 合宿合宿と騒ぎ、俺の数少ないささやかなる休日を根こそぎ奪い取ったり、<br> 文化祭に向けての映画作成を思い出し、躍起になったりとハルヒは変わらずハルヒしていた。<br> こんな日常の中にいるとつい考えちまうね。俺ほどある特定の人物にジャイアントスイングのごとく振り回されている人間もいないだろうとな。<br> しかしこの考えは間違えて いた。思い知ったさ。世の中には俺と同じくらい平穏を犠牲としている奴がいることを。<br> 肩を組んで言ってやりたいね。「お互い大変だなぁ」とな。<br> <br> 全てはハルヒのこの一言から始まった。<br> <br> 「SOS団の別支部を作るわよ!!!」<br> さて、ここはいつもと変わらぬ文芸部室。無事映画の撮影、公開を終え、<br> よし、これから束の間の平穏なる日々を満喫するかと考えていた所にこれだ。<br> 「あ~、すまん、よく聞こえなかった。何だって?」<br> 「二度も言わせるなんていい度胸じゃない!その耳糞詰まった耳をかっぽじってよく聞きなさい!!<br> SOS団別支部を作るわよ!」<br> はあ、いつかはこんな日が来るのではないかと思っていた。だがいくらなんでもこのタイミングはないだろう?ハルヒ。<br> 「何言ってんの?むしろ遅いくらいよ!!いい?キョン!!SOS団は将来は世界各国を支配するのよ?その足掛かりを見つけようっていうの!」<br> 何やら突っ込み所が満載なんだが、一つ言わせてくれ。<br> お前は宇宙人や未来人、超能力者と遊ぶだけで本当に世界を支配出来ると思っているのか?<br> 「なるほど、僕としたことが。すっかり失念していました。さすがは涼宮さんです。」<br> まあ俺がとやかく言ったって……<br> 「でしょでしょ!!団員がもっと増えれば不思議探索の高率も上がるし!!」<br> 「ふえ~~じゃあ友達沢山出来るんですか~?」<br> 多数決で敗北するのは必然なわけで…………<br> <br> 「……………」<br> <br> 「よーし!じゃあ決まり!<br> 皆これから校外にでて使えそうな学校を探すわよ!!」<br> 俺は決まってこの台詞を口にするんだ。<br> 「やれやれ」<br> <br> <br> <br> ここは駅前。俺達四人を従えたハルヒは壁に張られたポスターと絶賛にらめっこ中だ。<br> 何が書いてあるんだ?なになに?おもンしろ~い♪紋白祭?<br> 何だこりゃ?紋白高は北高とタメをはるくらい平凡で有名(?)な高校だが……<br> それにしても一体誰が考えやがったんだ?こんなキャッチコピー。<br> 考えた奴も相当にアレだが、生徒会――が審査したのか知らんが――もよく採用したもんだ。<br> <br> 「キョンと同じ匂いがする」<br> ハルヒの呼吸するのと同じくらいの自然さで呟いたその台詞を俺は聞き逃さなかった。<br> おい、ちょっとまて……お前、まさか……<br> 「決めたわ!!我らがSOS団記念すべき第二支部は紋白高にします!!」<br> そう叫んだ数秒後にはハルヒは紋白高の最寄り駅への切符を求め、券売機に並んでいた。<br> はあ、やれやれ……またこのパターンか……<br> <br> 「ふふっ、結構なことではないですか。これはいい傾向だと思いますよ。」<br> いつの間にかニヤけ顔が俺の横に迫っていた。<br> ええい、こいつは意図して気配を消しているんじゃないか?<br> 「これまでの涼宮さんはいくら周りと打ち解けられてきたと言っても、SOS団という小さな枠組みを第一に置いていました。<br> その涼宮さんが、自らその枠を広げようとしているのです。これは中学時代の彼女からは想像出来ないですよ。」<br> わかった、わかったから顔をどけろ。まあ確かにハルヒ自ら交流の輪を広げようとしているのだ。<br> せいぜい応援してやるのがいいのかもな。</p>

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