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<p>第1章 始 1節 2007年12月1日 俺の部屋 出席5人</p> <p>「あと1ヵ月ね…」  </p> <p> 北高1年5組生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)団長(自称)、涼宮ハルヒがそう口にした。無視してもよかったのだろうけれど、とりあえず訊いてみた。</p> <p>「何が?」</p> <p>「何がって、2008年に決まってるじゃないの」 </p> <p>いや、この国では平成20年というのが本来の形だ。</p> <p>…まあこう糞真面目に言い返してもしようがない。</p> <p>「そうだな、早いもんだ」</p> <p>「年賀状を出さないといけませんね」</p> <p>北高1年9組(特級)生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)副団長(ハルヒ曰く)、古泉一樹が会話に殴りこみを仕掛けてきた。</p> <p>「あー面倒だなー」</p> <p>「何言ってんの、1年の初めの挨拶は日本人にとっては当たり前の事よ」</p> <p>「それはそうだが、いちいち手書きはちょっと…」</p> <p>「あんたんとこ、プリンタ買ってないの?」</p> <p>「…そういえば買ってた」</p> <p>「じゃあ印刷でもいいから出しなさいよ?」</p> <p>「僕にもお願いします」  </p> <p>まだ住所も何も訊いてねぇのに、俺がハルヒや古泉に年賀状を出すのが決定事項みたいになってやがる。まあ、いいが。</p> <p>「じゃあキョン君住所教えてもらえる?」  </p> <p> 北高2年(組不詳)生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)副々団長(ハルヒ曰く)、朝比奈みくるが俺に訊いてきた。朝比奈さんならオールオッケーだ、可愛らしいのが送られてくるのを想像する俺。</p> <p>「キョン、何そのマヌケ面」  </p> <p>は、俺とした事が、何故こんなときに限って住所ど忘れしてんだよ馬鹿野郎!</p> <p>「どうしたの?」</p> <p>「い、いえ、えーっと…」  </p> <p>思い出せ、思い出せ、郵便番号はXXX-XXXX…だが…、あれ?…XX県XX市XXXの……うおぁっ!</p> <p>「さっさと書きなさいよバカキョン!!」  </p> <p>ハルヒが殴ってきやがった。……おい! 郵便番号がすっ飛んじまったじゃねぇか!!</p> <p>「あんた自分の住所くらい覚えなさいよ」</p> <p>「ど忘れだ、思い出そうとしてたらお前が殴ってきてまた記憶吹っ飛んだんだ」</p> <p>「呆れた…」  </p> <p>だれかこの女を俺の部屋から放り出してくれ。</p> <p>…ここで今日は終わりなんだが、あと1人紹介しておかなきゃな。</p> <p>あいつは無口で殆ど登場しないキャラだし。</p> <p>北高1年7組生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)団員(ハルヒ曰く)兼文芸部部長?、長門有希。そんなもんか。</p> <p>て俺の紹介は、 2007年12月2日 喫茶店 出席4人</p> <p>「あと30日」</p> <p>「お前いちいち面倒だな」</p> <p>「何よ、いいじゃない。新しい年は盛大に祝わないといけないのよ!」  </p> <p>どうでもいい。それより朝比奈さんがいないが。</p> <p>「みくるちゃんなら風邪だって」</p> <p> 昨日まで元気だったのにな…</p> <p>くそっ、誰かさんのせいで住所を言いきれなかったじゃねーか。</p> <p>「うっさいわね、いつまで同じ事言ってんのよ。そんなにみくるちゃんに送られたいの?」  そういうわけではある。だがそう言ってしまえば奴の勝ちだ。ここはやせ我慢だ。</p> <p>「そういうわけではない、同じ団員として挨拶がしたいだけだ」</p> <p>「あら?、あんた昨日年賀状面倒とか言ってなかったかしら」</p> <p>「プリンタがあるから大丈夫だ」  </p> <p>…古泉、笑ってんじゃねぇ。</p> <p>「失礼、何だか仲の良い兄妹みたいでしたから」</p> <p>「な、何言ってんのよ!、こんなマヌケ面の男があたしの兄だったらすぐに家出るわよ!」  俺はどれだけ嫌がられているんだろうか。</p> <p>なんか悲しい。と、紅茶をすする音が聞こえる。長門が飲んでいる。</p> <p>「……長門、音を立てるな、耳障りだ」</p> <p>「………」  途端に音が消えた。</p> <p>やっぱ素直でいい奴だ、お前と違ってな!</p> <p>「ちょ、何すんのよ!」</p> <p>「何かへんなもんついてるぞ、ほら」</p> <p> 手にしているリボンつきカチューシャについていたのは……虫の死骸。</p> <p>「何でカチューシャに死骸がつくんだよ」</p> <p>「知らないわよそんなこと」</p> <p>「何所見て歩いてんだ?、業と蚊柱の中に入ってるんじゃないだろうな」</p> <p>「そんなことするわけ無いでしょ!?、大体何でそんな事注意されないといけないのよ!」</p> <p>「黄色に黒ポツは目立つからだ」  </p> <p>俺はその死骸をとろうとする。</p> <p>配られたおしぼりで擦ってみるがとれない、こりゃへばりついてるな。</p> <p>「とれねぇ」</p> <p>「役立たず。見つけたんだったらとるぐらいしなきゃ、普通の女にモテないわよ?」</p> <p>どういう基準でそういう事が言えるんだ?、この女は。</p> <p>というかそれで普通の女にモテないんだったら、俺は常に変態ってことか?</p> <p>「そう」  </p> <p>長門が何故返事するんだよ!?</p> <p>「ほら、有希も言ってる」</p> <p>「俺は変態だから変態しか似合わないという事か?、用はそういう事なのか?」</p> <p>「そうよ!、あんたは変態!」  </p> <p>SOS団で1番変態のお前に言われたかない。これは言えないので心の叫びとして葬っておこう。</p> <p>「あ、とれた」  </p> <p>ハルヒが死骸をとった。</p> <p>2節に続く</p>
<p>第1章 始 1節 2007年12月1日 俺の部屋 出席5人</p> <p>「あと1ヵ月ね…」  </p> <p> 北高1年5組生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)団長(自称)、涼宮ハルヒがそう口にした。無視してもよかったのだろうけれど、とりあえず訊いてみた。</p> <p>「何が?」</p> <p>「何がって、2008年に決まってるじゃないの」 </p> <p>いや、この国では平成20年というのが本来の形だ。</p> <p>…まあこう糞真面目に言い返してもしようがない。</p> <p>「そうだな、早いもんだ」</p> <p>「年賀状を出さないといけませんね」</p> <p>北高1年9組(特級)生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)副団長(ハルヒ曰く)、古泉一樹が会話に殴りこみを仕掛けてきた。</p> <p>「あー面倒だなー」</p> <p>「何言ってんの、1年の初めの挨拶は日本人にとっては当たり前の事よ」</p> <p>「それはそうだが、いちいち手書きはちょっと…」</p> <p>「あんたんとこ、プリンタ買ってないの?」</p> <p>「…そういえば買ってた」</p> <p>「じゃあ印刷でもいいから出しなさいよ?」</p> <p>「僕にもお願いします」  </p> <p>まだ住所も何も訊いてねぇのに、俺がハルヒや古泉に年賀状を出すのが決定事項みたいになってやがる。まあ、いいが。</p> <p>「じゃあキョン君住所教えてもらえる?」  </p> <p> 北高2年(組不詳)生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)副々団長(ハルヒ曰く)、朝比奈みくるが俺に訊いてきた。朝比奈さんならオールオッケーだ、可愛らしいのが送られてくるのを想像する俺。</p> <p>「キョン、何そのマヌケ面」  </p> <p>は、俺とした事が、何故こんなときに限って住所ど忘れしてんだよ馬鹿野郎!</p> <p>「どうしたの?」</p> <p>「い、いえ、えーっと…」  </p> <p>思い出せ、思い出せ、郵便番号はXXX-XXXX…だが…、あれ?…XX県XX市XXXの……うおぁっ!</p> <p>「さっさと書きなさいよバカキョン!!」  </p> <p>ハルヒが殴ってきやがった。……おい! 郵便番号がすっ飛んじまったじゃねぇか!!</p> <p>「あんた自分の住所くらい覚えなさいよ」</p> <p>「ど忘れだ、思い出そうとしてたらお前が殴ってきてまた記憶吹っ飛んだんだ」</p> <p>「呆れた…」  </p> <p>だれかこの女を俺の部屋から放り出してくれ。</p> <p>…ここで今日は終わりなんだが、あと1人紹介しておかなきゃな。</p> <p>あいつは無口で殆ど登場しないキャラだし。</p> <p>北高1年7組生徒兼SOS団(生徒会黙認又は未公認)団員(ハルヒ曰く)兼文芸部部長?、長門有希。そんなもんか。</p> <p>て俺の紹介は、 2007年12月2日 喫茶店 出席4人</p> <p>「あと30日」</p> <p>「お前いちいち面倒だな」</p> <p>「何よ、いいじゃない。新しい年は盛大に祝わないといけないのよ!」  </p> <p>どうでもいい。それより朝比奈さんがいないが。</p> <p>「みくるちゃんなら風邪だって」</p> <p> 昨日まで元気だったのにな…</p> <p>くそっ、誰かさんのせいで住所を言いきれなかったじゃねーか。</p> <p>「うっさいわね、いつまで同じ事言ってんのよ。そんなにみくるちゃんに送られたいの?」  そういうわけではある。だがそう言ってしまえば奴の勝ちだ。ここはやせ我慢だ。</p> <p>「そういうわけではない、同じ団員として挨拶がしたいだけだ」</p> <p>「あら?、あんた昨日年賀状面倒とか言ってなかったかしら」</p> <p>「プリンタがあるから大丈夫だ」  </p> <p>…古泉、笑ってんじゃねぇ。</p> <p>「失礼、何だか仲の良い兄妹みたいでしたから」</p> <p>「な、何言ってんのよ!、こんなマヌケ面の男があたしの兄だったらすぐに家出るわよ!」  俺はどれだけ嫌がられているんだろうか。</p> <p>なんか悲しい。と、紅茶をすする音が聞こえる。長門が飲んでいる。</p> <p>「……長門、音を立てるな、耳障りだ」</p> <p>「………」  途端に音が消えた。</p> <p>やっぱ素直でいい奴だ、お前と違ってな!</p> <p>「ちょ、何すんのよ!」</p> <p>「何かへんなもんついてるぞ、ほら」</p> <p> 手にしているリボンつきカチューシャについていたのは……虫の死骸。</p> <p>「何でカチューシャに死骸がつくんだよ」</p> <p>「知らないわよそんなこと」</p> <p>「何所見て歩いてんだ?、業と蚊柱の中に入ってるんじゃないだろうな」</p> <p>「そんなことするわけ無いでしょ!?、大体何でそんな事注意されないといけないのよ!」</p> <p>「黄色に黒ポツは目立つからだ」  </p> <p>俺はその死骸をとろうとする。</p> <p>配られたおしぼりで擦ってみるがとれない、こりゃへばりついてるな。</p> <p>「とれねぇ」</p> <p>「役立たず。見つけたんだったらとるぐらいしなきゃ、普通の女にモテないわよ?」</p> <p>どういう基準でそういう事が言えるんだ?、この女は。</p> <p>というかそれで普通の女にモテないんだったら、俺は常に変態ってことか?</p> <p>「そう」  </p> <p>長門が何故返事するんだよ!?</p> <p>「ほら、有希も言ってる」</p> <p>「俺は変態だから変態しか似合わないという事か?、用はそういう事なのか?」</p> <p>「そうよ!、あんたは変態!」  </p> <p>SOS団で1番変態のお前に言われたかない。これは言えないので心の叫びとして葬っておこう。</p> <p>「あ、とれた」  </p> <p>ハルヒが死骸をとった。</p> <p>2節に続く</p>

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