スク水
スク水。それは世の一部の男性が愛してやまないもの。そして、俺もその一部の人間だという事。ああスク水。俺の心を掴んで離さないもの。俺はこの世の女の子に叫びたい。ビキニなんか着るなと。だがしかし、この学校にはプールの授業が無いのだ。なんと嘆かわしい。このことを古泉に話したら、こっち側の人間だったのか「何とかしましょう。僕も常々、その問題をなんとかしようと思っていたところです」と、頼もしい返事をくれた。さすがだぜ、機関。
そして一週間が過ぎた。人類が耐えられる暑さを軽く超えてるんじゃないんだろうか、とも思える暑さを乗り越え、俺は教室に辿り着いた。古泉が手回しをしてくれたはずだ。そろそろプールの授業が始まっていてもおかしくはないだろう。席について暑さでボーっとしているとHRの時間になり、岡部がやってきて天使の囁きを俺にプレゼントしてくれた。「えー明日からの体育はプールでの授業とする。男子女子と共に水着を買っておくように」さすがだぜ古泉。団活になったらジュースくらいは買ってやろう。突然の授業変更に戸惑いを隠しきれないクラスの連中たちは、大きな声で騒ぎ始めた。「いきなり言われても困りますよ!」「スクール水着なんて持ってないわよ!」「何考えてんだ!」勝手な言い分がところどころから飛び出してくる。まーそりゃそうだろうな。「あー水着の件は着用自由とするので、家に水着がある奴は買わなくても良いぞ」
はっ?
思わず耳を訴訟を起こして、有罪を勝ち取ってやろうかと思うほど疑ってしまった。今何を言ったんだ? この教師は? 呆然とする俺を差し置いて、クラスの連中はどんな水着を着てこようかとザワついている。
そしてHRが終わってすぐに俺は九組に飛んでいき、古泉を捕まえて尋問した。「え? あなたはプールの授業が無い事に辟易してたんじゃなかったんですか?」
この馬鹿やろおおおおおおおお!!
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