おれはやっぱりこの季節が嫌いだ、しかも風邪なんかひいた日にはもう震えは止まら
ないし鼻水は溢れるしどうしようもない。
「ちょっとあんた大丈夫なの?」
こいつが心配してくれるとはめずらしいね、それほどおれの見た目がひどかったんだろう
「・・・ああ死にはしないと思う」
いや下手したら死ぬかもしれない・・・死ぬ前に押入れの奥の物品を処分しなくては
 
 やっと帰りのHRが終わった
「すまんな・・・今日は部室に行けそうにない」
朝比奈さんのお茶を飲んでも回復できそうにないからな
「送っていこうか?」
妙にやさしい・・・そーいえば長門が倒れた時は
嬉しそうに看病してたしな・・・しかし今はなにより静かに睡眠をとりたい
「いや一人で帰れるから心配するな・・・じゃあな」
心配そうな顔でこっち見るな・・・お前には似合わないぜ
とは言ったもののやばいな、無事に家にたどり着けるだろうか。
校門をくぐり坂を下っていると後ろから声をかけられた
「やっキョン君!今日はSOS団はお休みかい!?」
いつも元気な人だな
「こんにちは鶴屋さん、ちょっと風邪をこじらせましてね、今日は休業です」
あれ?鶴屋さんが二人に見える・・・・
「そっか、送ってったげようか?」
ああやばい・・・視界がぐるぐるまわってきた
「・・・・ョン君!!・・・・ぶ!?・・・・・」
 
 気付いたら広い部屋で布団に入っていた
「きがついたかい?急に倒れたからびっくりしたさ!でもお医者さんは心配ないって!」
ああおれは倒れたのか・・・でもなんで鶴屋さんの家なんだ?鶴屋さん俺の家知ってる
はずだが・・・・
「お熱は下がったかな?」
鶴屋さんが俺の額に額を当てた
「う~んまだ熱はあ・・・・・・」
このときのおれは頭がぼーっとしてたしいきなり綺麗な顔が近づいてきたら反射的に
キスしたって仕方ないだろ?
「・・・・・・」
鶴屋さんはまったく抵抗しない
唇を離すと鶴屋さんの顔は真っ赤に染まっていた
鶴屋さんてこんなに可愛かったか?やばいブレーキがかけられなくなってきた、
こんどは抱きしめてみる・・・抵抗しないどころか鶴屋さんからキスしてきた、
あれ?鶴屋さんも風邪で頭働いてないのかな・・・おれはそのまま鶴屋さんを
押し倒してしまった・・・・

眩しいな・・あれ?ここどこだ・・・・隣を見ると髪の長い人が寝ている・・・
「鶴屋さん?」
鶴屋さんがゆっくり目を開ける
「・・・おはようキョン君」
みるみる顔が赤くなる、いつもとキャラちがくありません?
うわ!よくみるとおれも鶴屋さんも裸だ・・・なんか思い出してきた・・・・
そうか風邪でボーっとしていたとはいえ鶴屋さんと・・・
「服着るからちょっと向こうむいててくれる?」
鶴屋さんもこういうときは普通の女の子だな、俺も制服に着替えるとするか
「ところで鶴屋さん俺の家知ってますよね?なんでそっちに送ってってくれなか
 ったんですか?」
振り向きながら恥ずかしそうな笑顔で鶴屋さんは
「・・・好きな人の看病をするのは女の子の夢なのさ!」
と言って抱きついてきた

終わり

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最終更新:2020年03月13日 01:22