事態は深刻。北高創生以来一番の大事件が起こっている。
 
事の発端は30分程前に遡る。我等SOS団がいつもの活動――まぁオセロやパソコンくらいだが――を部室でしていた時の事だ。
突然放送が鳴り、俺らは仰天する。
 
「ここの学校の放送室は乗っ取ったぁぁ!放送委員4人が人質だぜ!!」
 
明らかに高校生らしくない、中年男性の声がする。乗っ取った?…放送室を?
 
「これは強盗からあたしたちへの挑戦ね!!受けて立とうじゃない!!」
 
勝手に解釈するな!…言うと思ったけど。
 
「しかし涼宮さん。これはさすがに少々危険では…」
「古泉くん!この学校を救えるのはあたしたちしかいないの!あたしたちがやらなきゃ誰がやるの!?」
「そうですね。分かりました、やりましょう。」
 
そして勝手に納得するな古泉!ハルヒの奴が調子に乗るぞ。


俺らが放送室に向かおうという時に放送が鳴る。
 
「とりあえず金と酒を用意しろぉー!さもなくばこいつらの命はねぇぞ!!」
 
…この強盗、馬鹿か?何故金と酒目的で学校なんだ?しかも放送室って…
そうこうしつつも放送室前に到着。そこには既に大勢の先生方が集まっていた。
岡部が放送室の中へ聞こえるように叫ぶ。
 
「金と酒は用意した!!どうやって引き渡すんだ!!」
 
用意周到なこった。っておいおい、酒があるのは問題なんじゃないか?
 
「生徒一人が入ってきて渡しに来い!!」
 
と、犯人の声。さっきの放送の声とは違うところから考えると、強盗は2人組らしい。
 
「あたしが行くわ!!」
 
さすがにハルヒの危険を感じた俺はハルヒを制止する。
待てハルヒ!ここは俺が行く。
 
「あんたはここで待ってなさい!言ったでしょ!この学校を救えるのはあたししかいないのよ!」
 
さっきは『あたしたち』だったような気がするが、まぁそこはスルー。
用意された金と酒(酒はビール瓶2本のようだ)をハルヒが受け取り、放送室の戸の前に立つ。
 
「さぁ、開けなさい!!」
 
ガチャという鍵の開く音。ハルヒは中へ入っていき、戸は閉まった。
緊張する一同。まるでドラマのワンシーンのようだな。
 
突如、中から騒音と奇声が聞こえてきた。
『バリーン!!』
「うわああぁぁ!!」
「くたばりなさい!」
『バリーン!!』
「ぐおっ」
「さぁ、あなたたち逃げて!」
「待てぇっ!」
「あんたはそこで倒れてなさい!!」
「ぎゃああぁっ!!」
 
しばらくすると戸が開いた。すぐに人質の放送委員4人が出てきて、その後に泡を吹いてる強盗2人をハルヒが鷲掴みにして出てきた。
 
「フンッ!ざっとこんなもんよ!」
 
いやあ、素直に感心したね。本当にたった一人でこの学校を救ってしまうとは。
 
その後警察が駆けつけて強盗2人を逮捕。ハルヒは警察から感謝状をもらっていた。
 
 
そうしてまたSOS団の歴史に新たな1ページが刻まれた。この活躍の象徴となる感謝状は、団長様の机の中に大切に保管されている。
end
 

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最終更新:2007年10月13日 22:56