…15496回目のシークエンスの開始を確認。
 
…今日の予定は市民プールへ行くこと。
 
…今回も待ち合わせ時間の1時間前に到着。
 
…朝比奈みくる、古泉一樹、涼宮ハルヒの順に集合。
 
…彼は最後。
 
…全ていつも通り。
 
「プールまでは自転車で行くわよ!」
 
涼宮ハルヒが高らかにそう言う。
 
「…俺の目が狂っていなければ自転車は二台しかないのだが…」
「二人乗りと三人乗りでいいじゃな「あの…すみませんが…」
 
…古泉一樹?
 
「あら?どうしたの古泉くん」
「その組み合わせのことなんですが…僕が長門さんを乗せてもよろしいでしょうか?」
 
………。
 
「こ、古泉…お前…」
「いっいえ!そういうものではなくてですね!…なんとなくそうしなくてはならない気がして…」
「そうよキョン!古泉くんはあんたみたいに変な事考えたりしてないのよ!じゃあ有希、それで良い?」
 
…この古泉一樹は9533回目の夏を知っている?
 
「な、長門さん?ど…どうしたんですかぁ?」
「…私は別に構わない」
「じゃあ行きましょう!」
 
彼がペダルに足をかけるのと同時に涼宮ハルヒが彼に及ぼす重量を限りなく0に近づける。
私は…
 
「…今回は重量操作しないのですか?」
 
古泉一樹が話しかけてくる。
 
思い出してくれたようだ。
 
「…いい。私の分も支えてほしい」
「そうですか…では、しっかり掴まっていてくださいね」
 
静かに腕を回す。
 
彼の温もりが伝わってくる。
 
15496回目。
 
新しい夏がまた始まった。

番外章へ。

最終更新:2020年03月11日 18:06
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