京浜急行、博麗霊夢、ラティアス、マルマイン、ドナルドの顔。共通点は? A.紅白。
キキョウシティのはるか東の海岸線。タンバジ、
キシュージらが次々と
R団を襲撃していた頃、同じ快速軍の紅一点「みえ」は、
R団の集まりを探して、海沿いを飛び回っていた。
みえ「うーん、このあたりに絶対いるはずなんですけどねぇ。」
みえは
R団の集団がいるとされる座標が示された地図を見ながら、上空から
R団を探すが、見つからない。
みえ「どこか、洞窟とか森の中に出るんですかねぇ。むー」
みえは飛びながら考え込んだ。考え込むのは無理も無かった。彼女はジョウトの中でも内陸の出身であるため、海沿いの地理にはあまり詳しくないのである。考え込む彼女の耳に、突如声が聞こえてきた。
暴走
ドンカラスは
みえをかわすことができず、彼女と正面衝突。2匹とも真っ逆さまに墜落してしまった。
地面に墜落してから先に口を開いたのは、暴れ
ドンカラスの方だった。自分からぶつかってきたはずの暴れ
ドンカラスは、まるで
みえが悪いかの如く、文句を言いつけてきた。
暴走
ドンカラス「カーッ、この女! 飛ぶときゃ気をつけろぃ!!」
みえ「ぶつかってきたのはあなたですよ! わたしは考え事してただけです」
暴走
ドンカラス「考え事だぁ? そんなこと地上に降りてやればいいだろうが!」
みえ「何であなたの都合でそんな事言われなきゃ・・・」
暴走
ドンカラス「黙れぃ!!」
みえ「はひぃ・・・!?」
暴走
ドンカラス「久々に気持ちよく飛んでたのに邪魔しやがって、全く! 今度邪魔したら承知しないぞ! カーッ!」
みえ「・・・もーう、自分勝手な
ドンカラスさんですねぇ。気を取り直して
R団の人たちをさが・・・うひ!?」
みえは立ち上がった途端、背中の羽に痛みを感じた。暴れ
ドンカラスにぶつかって墜落した際、翼を痛めてしまったようだ。
みえ「は・・・羽を怪我してしまったみたいです・・・これじゃ飛べません・・・とほほー」
飛行手段を失った
フライゴン、それはただのじめん・ドラゴンタイプのポケモンだった。仕方なく、
みえは自分の足でとぼとぼと歩き始めた。しかし、
フライゴンとは本来飛んで移動するポケモン。彼女にそれが耐えられるはずも無く、すぐに座り込んでしまった。
みえ「はぁぁ~。一体これからどうすればいいのでしょう・・・」
途方に暮れる
みえ。そんな彼女に、誰かが声をかけた。
???「・・・翼を怪我してるじゃないですか!」
みえ「い、いえ、これはかすり傷ですから・・・」
???「こんなの、かすり傷じゃありませんよ。何かにぶつかられたんでしょう」
みえ「どうしてわかるんですかぁ?」
???「この傷跡! クチバシを持った鳥ポケモンに高速でぶつかられないと、つきませんよ。」
みえ「・・・当たりですぅ・・・」
???「やっぱり。最近暴れ
ドンカラスがこの辺りを飛び回ってて、被害者が続出してるんです。」
みえ「わたしも、さっきやられましたぁ・・・」
???「そうですか・・・とりあえず応急処置ですがしておきますね」
♂の
フライゴンはそう言うとキズぐすりを出し、
みえの翼に手馴れた手つきでそれを吹きかけ始めた。通常、人間の道具の使い方がわからないはずのポケモンが、キズぐすりを使う。
みえはすぐ気づいた。『彼は少なくとも野生のポケモンではない』と。
みえ「手馴れてますねぇ、キズぐすりが使えるなんて」
???「そういう訓練をしてきましたから・・・」
みえ「手つきでわかります。あなた、野生のポケモンじゃないですよねぇ」
???「はい。」
フライゴンは自分がトレーナーのポケモンであるということを、あっさりと肯定した。
みえはさらに続ける。
みえ「トレーナーさんはキャンプボーイさんですか」
???「・・・いえ、1人じゃ何もできない、ただの人間ですよ。特別頭がいいわけじゃない、腕がいいわけでもない。でも、ボクらにとっては大切なトレーナーなんです」
みえ「『ら』ということは、他にもいるんですかー?」
???「はい、愉快な仲間がいっぱいいますよ!」
みえ「わたしも、仲間いっぱいですよぉ」
???「へぇ。応急処置が済みましたよ!」
みえ「・・・あー、痛みが引いてこれなら飛べそうです! ありがとうございますー」
???「無理はしないでくださいね。それじゃ!」
みえ「あー、あのー、あなたのお名前は・・・いっちゃいましたねぇ」
みえが
フライゴンの名前を聞こうとした途端、彼は名前も告げずに足早に飛び去ってしまった。少し顔を赤らめながら、小さくなっていく
フライゴンの影を見つめる
みえ。彼女の様子は明らかに異なっていた。そして、
みえはこう口を開いた。
みえ「みえはどうやら・・・あの方が好きになってしまったようです。このわたし
みえ、自分の恋心は決して裏切れません・・・」
そう、彼女はあの
フライゴンの優しさに、一目ぼれをしてしまったのである。
みえは一度欲しいと思ったものは手に入れるまで諦めない性格だった。そして
みえはある決断をした。
みえ「こうなったら・・・禁じ手『ストーキング』ですっ!」
一度へばりつくとなかなか諦められない性格の
みえは目を光らせ、
フライゴンを追いかけだした。これが、彼女の1つの戦いの幕開けだった。
<<作者は殲滅の英雄ハンニバルZにぐちゃぐちゃにされました>>
最終更新:2010年09月04日 19:32