孤高の書 > 序章 > 1 高校

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---- 【BG:星空(セピア)】 :二ノ姫 |「こんな夜遅くに、  姉様、本当に行くの?」 :一ノ姫@ |「仕方がないわ  &link_anchor(龍神,page=ら行){龍神}の許しが  顕れなかったのですもの」 :二ノ姫 |「でも……」 :一ノ姫@ |「母様も許しては  くださらなかった  仕方のないことなのよ」 「幼いあなたを  残していくことだけが  気がかりだけれど…」 「きっと、  この弓が導いてくれる」 【スチル:一ノ姫と二ノ姫】 【SE:共鳴音】 :一ノ姫@ |「私が戻るまで、  母様をお願いね」 【暗転】 :二ノ姫@ |「姉は優しい人だったが  ひとつだけ嘘をついた」 「あの夜以来、姉が  国に戻ることはなかった」 「龍の加護を受けたこの国で  姫が龍の許しなく  恋をすることなどできない」 「中つ国の&link_anchor(一ノ姫1,page=あ行){一ノ姫}が  恋のため国を捨てたと  言われて数年ののち」 「私の国は滅んだ」 ---- 【BG:伝承絵巻】 :***@ |豊葦原の瑞穂の地に 龍のまします中つ国あり。&br()&br() 天地に満つる八百万の神々 ことごとに惠をたたえ、 水清く、実り豊けく栄えたり。&br()&br() ここに異国の皇(おう)、 数多の兵を連ね 波の穂を渡りて攻め来たる。&br()&br() 中つ国の女王、龍神に祈れども、 異国の剣にかかりて息絶ゆる。 宮は陥ち、国傾きて、龍黙せり。&br()&br() これより中つ国に 龍の声を聞く者なく、 荒ぶる神々さざめき わざわい満ちて、 豊葦原は常夜の如くなれり。&br()&br() 人皆、天を仰ぎて願う。 黄金の光差す雲間より 天つ鳥に乗りて舞い降りつる、 龍神の神子の来臨を。 ---- 【BG:夕焼け】 :葦原千尋 |(もう、日が沈んでく) (夕日って  どうしてこんなに  赤いんだろう) (まるで炎の中に  とけていくみたい) :那岐@ |「…夕焼け、  そんなに気になる?」 【スチル:那岐と千尋】 :葦原千尋 |「え?  あっ、ごめん!」 :那岐@ |「別に  いつまでも  ぼーっと見てるからさ」 「そんなに  面白いものでも  ないだろう」 :葦原千尋 |「ううん……  &link_anchor(那岐,page=な行){那岐}は  気になったことない?」 :那岐@ |「何が」 :葦原千尋 |「子供の頃のことなら  那岐が知っているかと  思ったんだけど」 「なんだか、夕陽の  あの赤い色を見ていると  不思議な気持ちになるの」 「誰かに  せきたてられて  いるみたいに…」 「何か、しなきゃいけない  ことがあるんじゃないか」 :那岐 |「………………」 :葦原千尋 |「何か、忘れていることが  あるんじゃないかって…」 【白転】 :NA:一ノ姫@ |――きっと、この… 【スチル:那岐と千尋】 :葦原千尋 |「……何か、  大切なことを――」 【BG:教室】 :那岐@ |「…千尋が  逃避したいのは  わかったけど」 「今、実力テストの  対策よりも、やんなきゃ  ならないことって何?」 :葦原千尋 |「あっ、いけない  そうだったね」 :那岐@ |「……やる気ない  みたいだし  終わりにしようか」 「どうせ葦原千尋も、  物理以外、たいして  困ってないんだから」 「僕も疲れた」 &bold(){◆今日はもう終わろうと言うけど…} #region(close,那岐、なんだか 不機嫌みたいだね) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「那岐、なんだか  不機嫌みたいだね」 :那岐@ |「…そうか?  ………気のせいだよ」 ☆☆☆ UP 「千尋は  考えすぎなんだ」 「もともとたいして  思慮深いほうでも  ないんだから」 「余計なこと  考えなくていいよ」 :葦原千尋 |「えっ? ひどいよ  余計なことかどうか  わからないじゃない」 :那岐@ |「そうか?」 「忘れて、思い出せないなら  今の自分に必要ない  ものだってことさ」 「考えるだけ無駄だよ」 }}} #endregion #region(close,そうだね、もう 終わりにしよう) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「そうだね、もう  終わりにしよう」 「ずいぶん  遅くなってしまった  みたいだもの」 :那岐@ |「うれしそうだね  本当は、さっさと  帰りたかった?」 :葦原千尋 |「違うよ!  そういう意味じゃ――」 :那岐@ |「嘘だよ  別にいいさ」 「なにも学校に残って  勉強する必要ないし」 }}} #endregion #region(close,那岐のほうは 余裕みたいだね) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「那岐のほうは  余裕みたいだね」 「一学期始まって  すぐテストなのに  もう準備終わってるんだ…」 「今回の範囲って、  結構広いでしょう  大変じゃなかった?」 :那岐@ |「別に  点が低いほうが  面倒だからね」 :葦原千尋 |「…追試とかあるものね」 :那岐@ |「いくらなんでも  千尋じゃあるまいし」 「そんなに  しくじったりしないさ  ただ――」 「テストの点が  低けりゃ干渉される  よっぽど面倒だ」 :葦原千尋 |「先生たちも  期待してるんだよ」 :那岐@ |「教師に  限ったことじゃない」 「やることをやっておけば  誰にも、何も  口出しされないですむ」 「自由のための対価なら  安いものだよ」 }}} #endregion :???@ |「二人とも、  まだ教室に  いたんですか」 【風早表示】 :???@ |「そろそろ下校時間ですよ」 「あんまり遅くまで  残っているのは  感心できませんね」 :葦原千尋 |「&link_anchor(風早,page=か行){風早}」 :那岐@ |「そういうあんたは?  ずいぶん遅くまで  残ってるんだね」 :風早@ |「ふふっ、  二人と同じです  テストに追われていて」 「先生も問題を作るの  楽じゃないんですよ」 :葦原千尋 |「先生って  毎年、同じ範囲で  テストするんじゃないの?」 :風早@ |「範囲は同じでも  問題まで同じじゃ  つまらないでしょう?」 &bold(){◆風早はテスト問題を作ってたんだ} #region(close,先生も 大変なんだね) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「先生も  大変なんだね」 :風早@ |「そうなんですよ」 「どこからどんな  問題を出そうか」 「どんな問題なら  生徒の意表をつけるか  悩ましいですね」 :那岐@ |「…あんた、絶対  楽しんでるだろ」 :風早@ |「せっかくだから  いい仕事しないとね」 }}} #endregion #region(close,また変わった問題 作ろうとしてるの?) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「また変わった問題  作ろうとしてるの?」 「困るよ  せっかく  普通に勉強したのに」 :風早@ |「大丈夫  普通の問題も  出しますから」 :那岐@ |「でも、教科書の  端っこのほうからも  問題出すだろ」 「趣味が  マニアックなんだよ」 :風早@ |「ひどいな  教科書で大きく  取り上げられてなくたって」 「当時の人には、  大事件なんだよ」 「それに、あんまり  ありきたりな問題だと  点差もつかないし」 :葦原千尋 |「みんながいい点なら  それで  いいんじゃないの?」 :風早@ |「はは、生徒のみんなが  いい点だと  俺もうれしいですけど」 「……成績つけるときに  大変なんです」 }}} #endregion #region(close,早くテストが 終わるといいね) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「早くテストが  終わるといいね」 :風早@ |「そうですね、  テストが終われば……」 「実は俺には、次に  採点が待ってるんですが」 「それも終われば  肩の荷が下ります」 「ええ、早く  テスト、終わると  いいですね」 :葦原千尋 |「風早…  本当に気楽なんだから」 「先生がこんな調子で  いいのかしら…」 }}} #endregion :風早@ |「けど、そろそろ  俺も切り上げようかなと  思っていたところです」 「一緒に帰りましょうか  葦原さん」 :那岐@ |「…「葦原さん」ね」 :風早@ |「校門を出るまでは、  一応、教師ですから」 「ちゃんとけじめは  つけないとね」 :那岐@ |「…学校出たって、  教師だろ」 :*** |この二人は、&link_anchor(風早,page=か行){風早}と&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}。 私たちは小さい頃から、 一緒に暮らしている。&br()&br() 私の父と母はずっと昔に 死んでしまったそうだ。&br()&br() その時のショックのせいか、 私は子供の頃のこと よく覚えていないのだけど…&br()&br() 二人はずっとそばにいてくれて、 あまり寂しいと 思ったことはない。 :風早@ |「じゃあ……」 【SE:異音】 :那岐@ |「!」 :風早@ |「!」 :葦原千尋 |「どうしたの?  二人とも」 :風早@ |「いえ…………」 「すみません、  ちょっと用事を  思い出しました」 「うっかりしていて  先に  帰っていてもらえますか?」 :那岐@ |「今日の放課後は  僕の担当だったと  思うけど」 :風早@ |「ああ、だけど、  知った相手かも  しれないから」 :那岐@ |「ふぅん」 「まあ、そっちで  面倒引き受けてくれる  ならそれもかまわないさ」 :葦原千尋 |「何の話?  意味がよく  わからないんだけど」 「何か  大変なことなの?」 :風早@ |「大丈夫ですよ  ちょっと友人に  会うだけなんです」 「そうだ…これを」 【アイテム入手】 「宝玉」を 手に入れました :風早@ |「預かっていて  もらえますか?」 「なくすと困るものなので  念のために」 :葦原千尋 |「うん、けど  この石って何?」 :風早@ |「まあ、お守りみたいな  ものです」 「じゃあ、すみません  またあとで」 :那岐@ |「言いたいだけ  言ってでてったな  勝手なやつ」 :葦原千尋 |「しょうがないよ  私たちも帰ろう?」 :那岐@ |「……疲れたから  先に廊下に行ってる  準備できたらきなよ」 :葦原千尋 |「えっ、  ちょっと待って  準備なんてすぐ――」 (もう行っちゃった) (那岐も人のこと  言えないと思うけどな) #region(close,自分の机) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(えーと  忘れ物は…) (…うん、大丈夫) (さ、那岐が待ってるから  急がないと) }}} #endregion #region(close,本棚) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(先生が用意してくれた  本や参考書が  いろいろ並んでる) (あっ、この本はきっと  風早が置いていったものね) }}} #endregion #region(close,窓) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(もうこんな時間なのに、  陸上部はまだ  練習してるんだ…) (そういえば、那岐は  いつも部活とか  やらないよね) (どうしてだろう) }}} #endregion #region(close,時間割) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(ええと  明日の時間割は…) (あっ、そうだ  英語の小テストが  あるんだっけ) }}} #endregion #region(close,机) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(あれ…?  机の上に、何か  刻まれてる…) (「既定…」) (うーん  かすれていて  よく読めないな) }}} #endregion #region(close,掃除用具入れ) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(掃除用具が  きちんと整理して  片付けられている) (私の掃除当番は、  再来週…かな) }}} #endregion &font(b){◆廊下に出ようかな?} →そうしよう →やめておこう ---- 【BG:廊下】 &font(b){◆教室に入ろうかな?} →そうしよう →やめておこう #region(close,女子生徒) #expand(1000){{{ :女子生徒 |「あ、千尋、聞いてよ~  私、今度の日曜  初デートなんだ」 「ねえ、何着て行ったら  いいと思う?」 「やっぱり初デートは  女の子っぽく  攻めたほうがいいかなあ?」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(A)) #expand(1000){{{ :男子生徒(A) |「おっ、葦原  お疲れ~  今日も&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}と一緒か?」 「相変わらず、  仲いいなあ、お前ら」 :男子生徒(B) |「おいおい、やめとけよ  また&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}に怒られるぜ」 :男子生徒(A) |「&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}が怒る?  あいつ、そんなに  怒りっぽかったっけ?」 :男子生徒(B) |「この前、ものすごい勢いで  無視されただろ~  気づいてなかったの?」 :葦原千尋 |「まあ…  那岐らしい反応だよね」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(B)) #expand(1000){{{ :男子生徒 |「なあ、知ってるか?  &link_anchor(耳成山,page=ま行){耳成山}に出る  …って話」 「出るって言ったら、  幽霊に決まってるだろ」 「夜中になると、  突然稲光が走ったり、  いろいろ凄いらしいぜ」 「テストが終わったら、  クラスのみんなで  肝試しでも行ってみようぜ」 }}} #endregion #region(close,テストの時間割) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(テストの時間割だ  もうすぐ…だね) }}} #endregion #region(close,保健便り) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(保健便り…か) (「成人病に注意」とか  言われても  実感がわかないよね) (風早も野菜好きだから  平気そうだし) }}} #endregion #region(close,廊下から出ようとする) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「あっ!」 「帰るなら那岐に  声を掛けないと」 }}} #endregion #region(close,那岐) #expand(1000){{{ :那岐@ |「支度できた?  なら、帰ろうか」 「さっさと出ないと  真っ暗になる」 &font(b){&aname(そろそろ家に帰ろうか…,option=nolink){◆そろそろ家に帰ろうか…}} }}} #region(close,そうだね、おなかも すいてきたし、帰ろうか) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「そうだね、おなかも  すいてきたし、帰ろうか」 }}} #endregion #region(close,あっ、ごめん もう少し待ってて) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「あっ、ごめん  もう少し待ってて」 「やらなきゃいけないこと  何か忘れてるような  気がする」 :那岐@ |「ええ?  今すぐやんなきゃ  いけないことなのか?」 :葦原千尋 |「そういうわけじゃ  ないかもしれないけど  ちょっとだけ…」 :那岐@ |「いいけど  あんまり待たせるなら  先に帰るよ?」 :葦原千尋 |「すぐだから!」 }}} #region(close,女子生徒) #expand(1000){{{ :女子生徒 |「あれ? また&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}くんを  待たせてるの?  早く行ってあげなよ」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(A)) #expand(1000){{{ :男子生徒(A) |「&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}って  意外と運動神経  いいんだよな」 「ウチのサッカー部に  入ってくれないかな…」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(B)) #expand(1000){{{ :男子生徒(B) |「テストを直前に控えて  学校でだらだら過ごす…  学生の醍醐味だよな~」 }}} #endregion #region(close,那岐) #expand(1000){{{ :那岐@ |「遅いよ  待ちくたびれた」 「もう「忘れ物」とか  言い出さないだろうな」 &link_anchor(そろそろ家に帰ろうか…){◆そろそろ家に帰ろうか…} }}} #endregion #endregion #endregion :那岐@ |「今日の夕飯、何?」 :葦原千尋 |「えっ?  今日は那岐の  当番のはずだよ?」 :那岐@ |「僕が作ると、  ろくなものに  ならないよ」 「せっかくの夕飯なら  おいしいもの  食べたいだろ?」 :葦原千尋 |「この間もそんなこと  言ってたじゃない  ずるいよ!」 【学校から出る】 ----
---- 【BG:星空(セピア)】 :二ノ姫 |「こんな夜遅くに、  姉様、本当に行くの?」 :一ノ姫@ |「仕方がないわ  &link_anchor(龍神,page=ら行){龍神}の許しが  顕れなかったのですもの」 :二ノ姫 |「でも……」 :一ノ姫@ |「母様も許しては  くださらなかった  仕方のないことなのよ」 「幼いあなたを  残していくことだけが  気がかりだけれど…」 「きっと、  この弓が導いてくれる」 【スチル:託された弓】 【SE:共鳴音】 :一ノ姫@ |「私が戻るまで、  母様をお願いね」 【暗転】 :二ノ姫@ |「姉は優しい人だったが  ひとつだけ嘘をついた」 「あの夜以来、姉が  国に戻ることはなかった」 「龍の加護を受けたこの国で  姫が龍の許しなく  恋をすることなどできない」 「中つ国の&link_anchor(一ノ姫1,page=あ行){一ノ姫}が  恋のため国を捨てたと  言われて数年ののち」 「私の国は滅んだ」 ---- 【BG:伝承絵巻】 :***@ |豊葦原の瑞穂の地に 龍のまします中つ国あり。&br()&br() 天地に満つる八百万の神々 ことごとに惠をたたえ、 水清く、実り豊けく栄えたり。&br()&br() ここに異国の皇(おう)、 数多の兵を連ね 波の穂を渡りて攻め来たる。&br()&br() 中つ国の女王、龍神に祈れども、 異国の剣にかかりて息絶ゆる。 宮は陥ち、国傾きて、龍黙せり。&br()&br() これより中つ国に 龍の声を聞く者なく、 荒ぶる神々さざめき わざわい満ちて、 豊葦原は常夜の如くなれり。&br()&br() 人皆、天を仰ぎて願う。 黄金の光差す雲間より 天つ鳥に乗りて舞い降りつる、 龍神の神子の来臨を。 ---- 【BG:夕焼け】 :葦原千尋 |(もう、日が沈んでく) (夕日って  どうしてこんなに  赤いんだろう) (まるで炎の中に  とけていくみたい) :那岐@ |「…夕焼け、  そんなに気になる?」 【スチル:試験勉強】 :葦原千尋 |「え?  あっ、ごめん!」 :那岐@ |「別に  いつまでも  ぼーっと見てるからさ」 「そんなに  面白いものでも  ないだろう」 :葦原千尋 |「ううん……  &link_anchor(那岐,page=な行){那岐}は  気になったことない?」 :那岐@ |「何が」 :葦原千尋 |「子供の頃のことなら  那岐が知っているかと  思ったんだけど」 「なんだか、夕陽の  あの赤い色を見ていると  不思議な気持ちになるの」 「誰かに  せきたてられて  いるみたいに…」 「何か、しなきゃいけない  ことがあるんじゃないか」 :那岐 |「………………」 :葦原千尋 |「何か、忘れていることが  あるんじゃないかって…」 【白転】 :NA:一ノ姫@ |――きっと、この… 【スチル:試験勉強】 :葦原千尋 |「……何か、  大切なことを――」 【BG:教室】 :那岐@ |「…千尋が  逃避したいのは  わかったけど」 「今、実力テストの  対策よりも、やんなきゃ  ならないことって何?」 :葦原千尋 |「あっ、いけない  そうだったね」 :那岐@ |「……やる気ない  みたいだし  終わりにしようか」 「どうせ葦原千尋も、  物理以外、たいして  困ってないんだから」 「僕も疲れた」 &bold(){◆今日はもう終わろうと言うけど…} #region(close,那岐、なんだか 不機嫌みたいだね) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「那岐、なんだか  不機嫌みたいだね」 :那岐@ |「…そうか? 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 二人とも」 :風早@ |「いえ…………」 「すみません、  ちょっと用事を  思い出しました」 「うっかりしていて  先に  帰っていてもらえますか?」 :那岐@ |「今日の放課後は  僕の担当だったと  思うけど」 :風早@ |「ああ、だけど、  知った相手かも  しれないから」 :那岐@ |「ふぅん」 「まあ、そっちで  面倒引き受けてくれる  ならそれもかまわないさ」 :葦原千尋 |「何の話?  意味がよく  わからないんだけど」 「何か  大変なことなの?」 :風早@ |「大丈夫ですよ  ちょっと友人に  会うだけなんです」 「そうだ…これを」 【アイテム入手】 「宝玉」を 手に入れました :風早@ |「預かっていて  もらえますか?」 「なくすと困るものなので  念のために」 :葦原千尋 |「うん、けど  この石って何?」 :風早@ |「まあ、お守りみたいな  ものです」 「じゃあ、すみません  またあとで」 :那岐@ |「言いたいだけ  言ってでてったな  勝手なやつ」 :葦原千尋 |「しょうがないよ  私たちも帰ろう?」 :那岐@ |「……疲れたから  先に廊下に行ってる  準備できたらきなよ」 :葦原千尋 |「えっ、  ちょっと待って  準備なんてすぐ――」 (もう行っちゃった) (那岐も人のこと  言えないと思うけどな) #region(close,自分の机) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(えーと  忘れ物は…) (…うん、大丈夫) (さ、那岐が待ってるから  急がないと) }}} #endregion #region(close,本棚) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(先生が用意してくれた  本や参考書が  いろいろ並んでる) (あっ、この本はきっと  風早が置いていったものね) }}} #endregion #region(close,窓) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(もうこんな時間なのに、  陸上部はまだ  練習してるんだ…) (そういえば、那岐は  いつも部活とか  やらないよね) (どうしてだろう) }}} #endregion #region(close,時間割) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(ええと  明日の時間割は…) (あっ、そうだ  英語の小テストが  あるんだっけ) }}} #endregion #region(close,机) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(あれ…?  机の上に、何か  刻まれてる…) (「既定…」) (うーん  かすれていて  よく読めないな) }}} #endregion #region(close,掃除用具入れ) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(掃除用具が  きちんと整理して  片付けられている) (私の掃除当番は、  再来週…かな) }}} #endregion &font(b){◆廊下に出ようかな?} →そうしよう →やめておこう ---- 【BG:廊下】 &font(b){◆教室に入ろうかな?} →そうしよう →やめておこう #region(close,女子生徒) #expand(1000){{{ :女子生徒 |「あ、千尋、聞いてよ~  私、今度の日曜  初デートなんだ」 「ねえ、何着て行ったら  いいと思う?」 「やっぱり初デートは  女の子っぽく  攻めたほうがいいかなあ?」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(A)) #expand(1000){{{ :男子生徒(A) |「おっ、葦原  お疲れ~  今日も&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}と一緒か?」 「相変わらず、  仲いいなあ、お前ら」 :男子生徒(B) |「おいおい、やめとけよ  また&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}に怒られるぜ」 :男子生徒(A) |「&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}が怒る?  あいつ、そんなに  怒りっぽかったっけ?」 :男子生徒(B) |「この前、ものすごい勢いで  無視されただろ~  気づいてなかったの?」 :葦原千尋 |「まあ…  那岐らしい反応だよね」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(B)) #expand(1000){{{ :男子生徒 |「なあ、知ってるか?  &link_anchor(耳成山,page=ま行){耳成山}に出る  …って話」 「出るって言ったら、  幽霊に決まってるだろ」 「夜中になると、  突然稲光が走ったり、  いろいろ凄いらしいぜ」 「テストが終わったら、  クラスのみんなで  肝試しでも行ってみようぜ」 }}} #endregion #region(close,テストの時間割) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(テストの時間割だ  もうすぐ…だね) }}} #endregion #region(close,保健便り) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |(保健便り…か) (「成人病に注意」とか  言われても  実感がわかないよね) (風早も野菜好きだから  平気そうだし) }}} #endregion #region(close,廊下から出ようとする) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「あっ!」 「帰るなら那岐に  声を掛けないと」 }}} #endregion #region(close,那岐) #expand(1000){{{ :那岐@ |「支度できた?  なら、帰ろうか」 「さっさと出ないと  真っ暗になる」 &font(b){&aname(そろそろ家に帰ろうか…,option=nolink){◆そろそろ家に帰ろうか…}} }}} #region(close,そうだね、おなかも すいてきたし、帰ろうか) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「そうだね、おなかも  すいてきたし、帰ろうか」 }}} #endregion #region(close,あっ、ごめん もう少し待ってて) #expand(1000){{{ :葦原千尋 |「あっ、ごめん  もう少し待ってて」 「やらなきゃいけないこと  何か忘れてるような  気がする」 :那岐@ |「ええ?  今すぐやんなきゃ  いけないことなのか?」 :葦原千尋 |「そういうわけじゃ  ないかもしれないけど  ちょっとだけ…」 :那岐@ |「いいけど  あんまり待たせるなら  先に帰るよ?」 :葦原千尋 |「すぐだから!」 }}} #region(close,女子生徒) #expand(1000){{{ :女子生徒 |「あれ? また&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}くんを  待たせてるの?  早く行ってあげなよ」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(A)) #expand(1000){{{ :男子生徒(A) |「&link_anchor(那岐,page=な行){那岐}って  意外と運動神経  いいんだよな」 「ウチのサッカー部に  入ってくれないかな…」 }}} #endregion #region(close,男子生徒(B)) #expand(1000){{{ :男子生徒(B) |「テストを直前に控えて  学校でだらだら過ごす…  学生の醍醐味だよな~」 }}} #endregion #region(close,那岐) #expand(1000){{{ :那岐@ |「遅いよ  待ちくたびれた」 「もう「忘れ物」とか  言い出さないだろうな」 &link_anchor(そろそろ家に帰ろうか…){◆そろそろ家に帰ろうか…} }}} #endregion #endregion #endregion :那岐@ |「今日の夕飯、何?」 :葦原千尋 |「えっ?  今日は那岐の  当番のはずだよ?」 :那岐@ |「僕が作ると、  ろくなものに  ならないよ」 「せっかくの夕飯なら  おいしいもの  食べたいだろ?」 :葦原千尋 |「この間もそんなこと  言ってたじゃない  ずるいよ!」 【学校から出る】 ----

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