………
……
…
白髪の少年はすぐ真後ろに来ていた…
「そろそろよ」
「………え?」
ほぼ真後ろに来ていた白髪の少年にキアと呼ばれる黒竜が振り返らずに語り掛けた
と、それと同時に太陽が山の峰より昇った
山々を照らす光が霧を晴らし、雲は左右に流れ、広大な大地が目の前に広がる!
海の青… 森の緑… 大地の茶色…
幾千もの色を持つ世界が顔を覗かせた!
「………すごく綺麗…」
少年がその光景に目を奪われている時、横の植木鉢にも異変が現れる…
『光竜華』が輝き始めた それはとてもとても美しく…
「絵の中から動かない憧れなんて私は惹かれないわ!」
「覚えておきなさい 自分が心から願った時… 世界はね、それを決して裏切らないの」
「それは植物でも同じことよ!」
その言葉を聞き終わるのを待っていたかののように、
『光竜華』は植木鉢を後にした…
光の綿毛が道を作りながら、幾千もの色を持つ世界へ飛び出して行く
「すごい!すごい!! オレの『光竜華』が飛んだ!」
白髪の少年は喜びの声をあげて飛び跳ねた
「見て、見てっ! 輝きながら尾を引いて飛んでる! そうだよ!これはまるで………」
白髪の少年がそこで言葉を止めると、キアと呼ばれる黒竜はクスッと笑い
「あんたが本当に望んでたのは竜になることじゃないでしょ?」
白髪の少年はその言葉を聞きながら『光竜華』の行く末をじっと見守っていた
1匹の小さな竜が天界を後にした…
壮大に広がる世界を前にして、その竜は強く「飛びたい!」と願った
………世界は決してそれを拒みはしなかった
残された竜もまた強く望んだ
………世界は決してそれを拒みはしないだろう
最終更新:2013年07月26日 19:36