2009-07-08-魔法少女リリカルなのは総合スレ

2009-07-08-魔法少女リリカルなのは総合スレ


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29 :学生さんは名前がない:2009/07/10(金) 05:58:28 ID:pWEhw3hH0
パンツなんだよぉ…
とある休日、ソファで休憩していると「なぁなぁ」と呼び声がかかった。
心にキュンっ…と来てしまうこの声の主は、振り返らなくてもあの人だと100%わかっていたけど、その確率を120%に
上げるために振り向くと…、、Angel of Holiday in YAGAMIKE、はやてちゃんが立っていたんです。
八神家の主であるはやてちゃんが僕なんかに何の用があるというのだろうか…
「これなんやけど…」
はやてちゃんはその両手で灰色の布切れをピンっと拡げる。えらく薄汚い布切れだったんだけども、よくよく見ると、
それは、僕が普段履きなれたパンツだった…。
「えっ……?えええっ、あの、えっと、あの……」
はやてちゃんと話すだけでも緊張するというのに、加えてよくわからんこの状況。頭はこんがらがる一方だ。
「いやな、ここの部分なんやけど…破けてもうてるんよぉ」
はやてちゃんはパンツの後部を指摘する。後部はパックリと破けている。長年付き合ってきたパンツだから、寿命という
ことなのだろう。そして、わざわざそれを伝えるために、はやてちゃんはこんな小汚いパンツをここまで運んできてくれたのだ。
「あ、の……、ど、どうも…ありがとうございますっ…、それは…自分で捨てとくので、あの、はい……」
「せやけど、これ捨ててもうたら困るんと違うん?」
確かに困る。何故ならば、それを捨ててしまうと僕のパンツの合計枚数のうち25%が消えてしまうことを意味するからだ。
かと言って、そのパンツはどう見てももう修復は不可能。これは最早…
「いや、あの、ダイジョブ、です…。丁度天気もいいですし、今から買ってきますので…」
そう、これが現状におけるベストな選択だ。とにかく今は、一刻も早くその恥ずかしいパンツをはやてちゃんから
取り返しこの場をやり過ごすのが最善…。そういうわけなので、これからパンツを取り返し、今回はこれにて一件落着…
「あ、買い物に行くん?だったら私も行ってええやろかぁ?」
「はい?」
「私も付いてってええかなぁ?」
はやてちゃんのこの一言により、一件は落着しなかった。それどころか謎の気流に乗って急上昇してしまった…。
”はやてちゃんとお買い物”、はやてちゃんにとってはただの買い物であっても、僕にとってのそれは、二人並んで歩く
というデート以外の何物でもないのだ…。しかも買うものがパンツってのも…正直言って恥ずかしぎる……。なので、
「あ、の……、ありがたい…話なのですけど…こ、こんかい」
「あらぁぁぁ~いいじゃないの~、二人で行ってきなさいな♪」
僕の苦渋の選択を軽快に妨げたのはシャマルさんだった。いや、シャマルさんね…、
シャマルさんにだけ聞こえるように声の音量を絞る。
「シャマルさん…。あなたは僕の気持ちを知ってる人でしょぉ…?お願いしますから、今回ばかりは
 意地悪しないでくださいよぉ…。第一、はやてちゃんと並んで歩くなんて、そんなことになったら…僕は…ぅぅう…」

30 :学生さんは名前がない:2009/07/10(金) 05:58:43 ID:pWEhw3hH0

「なんだ、何か不都合なことでもあるのか?」
「え?」
突然、僕らの会話に入ってきたのはシグナムさんだった。
「い、いえ…特に、ない、です…」
不都合なことはない。むしろ嬉しい事尽くめなんだ。でも、僕ははやてちゃんと並んで歩いたらたぶんおかしくなっちゃうし、
それにパンツはやっぱり…ぅぅう…。だって、パンツだよパンツ……
「特にないという割には納得のいっていないようだが?」
シグナムさんは更に追い詰めてくる。ここで本当の僕の気持ちぶちまけてしまえば済むようにも思えるけど、話した途端、
「使用人の分際で主に恋愛感情などと!」と叱られるに決まっている…。なので、シグナムさんにだけはこの恋心について
絶対に悟られてはならないんだ…。ぅう、この状況を切り抜けるためにもなんとかしなくては…、、
「ほ、ほら、今は梅雨の時期ですし、急に降り出しても困りますし…」
「今日の天気は晴れだが?それに雨が心配であれば傘を持って行けばいいだけのことだろう」
シグナムさんは的確に正論を言ってくる。ああ…、もう、ダメなのか…いや嬉しいことなんだけど…、でも、パンツ……
「うーん、ほんならやっぱり一人で行ってもええよ?」
「えっ…」
はやてちゃんによる救済の一言だった。良かった…。ちょっと残念だけど、やっぱりパンツは恥ずかしいもんね…
流石はやてちゃんだ…、男心のそういう部分にまで気が回って…
「そん代わりなんやけど…、私の分も買うてきてくれへんかなぁ…?」
「は、はい?なにを、ですか…?」
「パンツや。ほんまは私も行きたかったんやけど…」
一瞬何が起きたのかわからなかった。目の前で最愛の人が自分のパンツを買ってきてくれないかと頼んできたのだ。
これはシャマルさんのような意地悪染みたものではなく、純粋な気持ちによる依頼であることは明白だった。
僕を男として意識していないはやてちゃんの、純粋無垢なパンツ購入依頼だったんだ…。
けど、そんな依頼…、受け入れられるはずがない…、ないでしょ……だってパンツだよパンツ…。パンツなんだよ…?
ここはもう、覚悟を決めるしかない…。ぼ、ぼくは……ぅぅう…ぼくあ…
「はやて、さん…、やっぱり、その…一緒に買い物行きましょう……そのほうが、いいと、思う、ので…」
「ほんまにぃ?良かったぁ~、じゃあすぐ支度せななぁ」
何も二人きりというわけではないのだ。ヴィータちゃんあたりを誘えば確実についてくる…
「ヴィータちゃんなら行かないと思うわよ♪あの子、パンツにあまり興味がないから♪」
ボソっと隣でシャマルさんが何か言っているみたいだったけど、そんなことは聞こえないことにして、
僕は絶対に3人以上で買い物に行くんだ。2人きりは無理なんだ……だって…パンツ……、、はやてちゃん…。
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98 :学生さんは名前がない:2009/07/17(金) 06:53:33 ID:I5eIVTeD0

3人目を探すよぉ…
はやてちゃんが支度をしている間になんとしてももう一人、買い物に行く人間を探さなくちゃならない…。
勿論ヴォルケンの誰かってことになるんだけど、ザッフィーさんとリインちゃんは仲良くお昼寝をしているみたいなので
起こすわけにもいかない。そうなると残るメンバーはヴィータちゃんにシグナムさんにシャマルさんの3人だ。
「この中から…、一体…誰を……」
「悪いことは言わないわぁ。二人で行って来なさいな♪」
シャマルさんは相も変わらず隣でちょっかいをかけてくる。
確かに「二人で行く」という選択肢は素晴らしいんだ。だってはやてちゃんとデートをすることが出来るのだから…。
でも、そんなことをすれば、間違いなく、”はやてちゃんと二人きりで歩く”という行為が頭の中でグルグル巡って、僕は
我を忘れてしまうだろう…。その事態だけは、絶対避けなければならない。そのためにもストッパーは必要不可欠だ…。
「あのー、そんな難しい話じゃないと思うんですけどー?」
「シャマルさん…!僕にとって、これは難しい話なんですよ…!」
今回、僕は、出来る限り事なきを得て買い物を済ませたい。安全に、平和的にパンツを購入したいんだ。
となれば、僕の恋愛事情を全て把握しているシャマルさんはまずアウト。
この人が付いてきたら何がどうなるかまずわからない…。
そしてまた、僕の恋愛事情を全く把握していないシグナムさんもアウトだ。
前者と同様何が起きるか判らないし、何より絶対条件”恋心悟られ不可”がある。この条件がある限り難しい…。
僕ごときがヴォルケンの皆を消去法で選ぶなんてしたくはなかったけれど、ここは残された一人…、普段から良く遊び、
恋愛事情も多少把握しているヴィータちゃんに頼むのがベストだろう…。
「んー、どうでしょうかねぇ、さっきも言いましたけど、あの子はパンツに興味が…」
シャマルさんのそれは推論に過ぎません。それに、もしそうだとしても、大丈夫…、
「こちらには作戦があるんですよっ!まぁ見ていてくださいよっ。」
目下のヴィータちゃんはといえば、ソファに寝転がって雑誌を読んでいるようだ。
さっきのはやてちゃんとの会話も聞いていたと思うから、意外にすぐに受け入れてくれるやもしれない。
「ヴィ、ヴィータちゃん…!」
「私は行かねーぞ」
「…ふぇ?」
いきなり打ち砕かれた。しかしここで挫けはしないっ。ヴィータちゃん、僕には貴女がどうしても必要なのだからっ…!
「そんなこと言わずに行こうよ!今ならパンツの他にも、デパートでしか食べることの出来ない高価なアイスも付いて…!」
「この前はやてが買ってきたヤツがあるからいらねぇ……」
「そ、そんなぁ……」
「なぁお前さ、1ついいか?前から言っておきたかったことがあるんだけどさー」

99 :学生さんは名前がない:2009/07/17(金) 06:53:41 ID:I5eIVTeD0

「好きな人を遠ざけるような選択っておかしくねーかな?私だったら喜んではやてと二人で買い物行くけどなー」
「ヴィータちゃん正論♪」
シャマルさんもヴィータちゃんの意見を後押しする。でもさ……、
「ヴィータちゃん…だからそれはね……」
わかってよ……、僕がおかしくなったら、迷惑に思うのははやてちゃんなんだ…。二人きりだから誰もツッコんでくれない。
そこには、萌え狂った僕と困惑するはやてちゃんしかいないんだ。ただパンツを買うってだけなのに…、
それだけのためにはやてちゃんを困らせたくはない…。だから僕は……、ぅぅう…
「よくわからないけど、そんなに3人で行きたいなら他をあたることだな。私はパスだ」
ああダメか…。ヴィータちゃんが完全に買い物3人目を拒絶してしまった。これで残るカードは2枚…。いや事実上1枚と
言えるか…。シグナムさん。僕は…貴女に全てを賭けます。
「おい、まだ準備していなかったのか。主はやてと買い物に行くのだろう?」
言っている傍からシグナムさんが話しかけてきてくれた。
「その話についてなんですが…、お話が……」
「む?ああ、そういえばな、お前がさっき言っていた雨の件だが。」
「はい…?」
「先ほど天気予報で梅雨明けが報告されていた。安心して買い物にいけるだろう。それで、話とはなんだ?」
「え、あ、はい…。あの……、出来ればなのですけど、、買い物に一緒についてきて貰えませんかね…?」
「何故だ?」
理由を聞いてくるのは当然か…。たかがパンツを買いに行くというだけで、大きい荷物を運ぶというわけでもないし、
本来人手は必要ないのだから…。けれどちゃんと理由はある。二人きりでおかしくなるという理由の他にあるんだ。
「あの…、僕だけでは…はやて、さんを…守りきれないから…、街中は怖いですし…、だからシグナムさんに一緒にって…」
「そうか。なるほどな」
シグナムさんは腕組みをしながら納得の表情だ。正直、少し悔しい…。でも、はやてちゃんを守るため、
困らせないため、あらゆる面を考えての最善の手なのだ。シグナムさん、どうかお願いします……。
「そういうことならいいだろう。私も付いていこう」
ホントですか!?やった…やったぞ……なんとか3人目を確保することが出来た…。ああ、よかった…よかったよぉ……
「ねぇシグナムぅ、貴女本当に大丈夫?パンツを買いに行くのよ?当然、貴女のも購入することになるのよ♪」
「なっ……!?」
シャマルさんに告げ口に、シグナムさんには珍しく少し戸惑っているようだった。
「パンツの1枚や2枚、なんだというのだっ!?私は…別に……主はやてを守りたい…だけだっ…」
不安要素はいくつか抱えた状態だけど、僕とはやてちゃんとシグナムさんでパンツを買いに行くことになったんだ。
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最終更新:2012年09月13日 23:00
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