回り出した歯車は、噛み合い連なり真実へと集束する。
異なる輪廻と既知世界-4
「私が蘇生!?」
時は遡ること数十分。
ミラはルーナにある提案をした。
「それは絶対にダメよ!確かに蘇生知識がないわけじゃないけど私は使ったことがないし、それに未熟な人が迂闊に使っていい魔法じゃない。蘇生どころか、魂が焼かれて灰、最悪魂が消失するわ!」
長々とした説明は無謀な発言だといいたいのだろう。
確かに蘇生未経験未取得の蘇生魔法なんて成功率は1割以下だ。
だけど・・。
「だけど、それしかないんだ。蘇生すれば千載一遇のチャンスを掴むことができるかもしれない。」
反対を押し通すつもりでいたが、今まで見たことのない真剣な表情にルーナは決意するしかなかった。
どこだ・・・
【笑う女、大量の血】
違う。
【嘆くポークル、集落を襲うインプの群れ】
違う。
【幽霊の願い、薄暗き館・・サキュバスの誘い】
違う。これでもない。
真っ暗な空間に漂う無数の記憶の欠片。
数え切れない記憶を彷徨っていた。
その中で一つの欠片が手元に寄ってきた。
【魔を宿す白銀(シロガネ)、常勝不敗の兵(ツワモノ)】
あった・・。
その欠片を手に取ると、欠片は体内に吸い込まれるように溶けた。
その瞬間、意識が遠のき世界は反転した。
青白い無音の世界。
地形の構成上は生前までいた下水道に近い。
どうやら霊界のようだ。
足下には自分の無残な肉体が横たわっている。
あとは・・・。
見えた。
殺風景な世界の中を舞い降りる一筋の光。
今にも消えてしまいそうな小さな小さな光。
飛び込む勢いで手を伸ばすと小さな光は輝きを増し、天秤の形を成した。
「これを見るのも久しぶりだな・・。」
生と死の天秤。
ルーナの蘇生魔法によって出現した天秤は予想通り死の皿が振り切っている。
生の皿に貢物を捧げる事により生還する確率を上げる事もできるが、今の自分には貢ぐ金も物も持ち合わせていない。
天秤に浮き上がる数字は【3】を表している。
「蘇生確率・・3%・・ルーナの想いだけしか生の皿に乗ってないじゃないか。」
10%あれば良いと思っていたが、その予想は大きく下回っている。
しかし絶望の境地に立たされても尚、軽く笑みがこぼれた。
「生憎、3はラッキーナンバーなんでね!」
天秤に意思を告げるように手を翳すと、突如青白い世界は天秤とともに震えだした。
「生還できなければルーナは魂ごと喰われ、俺は存在ごと消される・・。だが生還すれば・・・・・絶対に戻る!ルーナ!待ってろよ!。」
いよいよ審判が下るときが来た。
【祈り】
【囁き】
【詠唱】
【念じろ】
「届けええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
霊界の振動はピークに達した途端、意識は急にプツリと途切れた。
最終更新:2015年03月03日 19:25