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回り出した歯車は、噛み合い連なり真実へと集束する。





異なる輪廻と既知世界–6 ep



『従来、鳳凰烈風斬は膨大に蓄積された魔力を一気に衝撃波として飛ばす秘奥義。だが、その強大な魔力を水平に飛ばすのは修練を積んだ一流のサムライにも御し難い。そこで提唱された今の鳳凰烈風斬は衝撃波を縦に飛ばし地面の支えを受けながら一直線に飛ばす事に成功したんだ。まぁ縦でも横でもお前みたいな青二才が一生かかっても習得できない芸だから諦めな。』



この時ミラは昔師匠から言われた事を思い出していた。




「そう・・。縦に飛ばすと安定する衝撃波を放てるが、地面の抵抗を受け鳳凰烈風斬本来の力が出ない。・・だが、水平に飛ばすことができれば・・100%の威力が出せる。」



彼の放った衝撃波は水平に飛び出し、鳳凰の形取りで山羊へと飛翔した。


「俺にはそれが可能だ。」



危険を察知した山羊は咄嗟に複数の腕を交差させ防御体制を取ったが、その刹那、前に出していた4本の腕が背後の支柱とともにドスンと地面へと落ちた。




「ガァァァァァァァッ!!1度ナラズ2度マデモォォォ!許サン!ユル・・サ・・ン」



やがて山羊の胴が滑り、上半身が落ちる。

上半身だけになった山羊は物凄い剣幕で唸り続けていたが、暫くすると動かなくなり肉体が灰のように消滅していった。




下水道に静寂が訪れる。




「ふぅ・・散々暴れて行って、全くいい迷惑だ。」


パンパンと身体の埃を落とすと彼は座り込んだ私に手を差し出した。


「ほら? 立たないのか? 手に血ならついてないぞ?」


「こ・・・ぬ・・・よ・・。」


「え? なんだって?」

ミラは真顔で聞き返すので私の抑えていた感情がついに爆発した。

「腰が抜けて立てないのよ!! 私がどれだけ怖い体験したと思ってるのよ! 私の気持ちわかる!? わからないわよね!」


「ははっ、冒険者志望とは思えない台詞だな。」


「うっさいわね!唯一の頼りの男が死んで化け物に殺されそうになったんだから当たり前でしょ!それに何?そのびっくり大変身は!?そんな隠し技があるなら最初から言いなさいよ!それに・・それに・・。」


言いたいことは山程ある。
だけれども一番言いたい言葉が出てこない。


「あーはいはいすいませんでした!ーーわかった。わかったから、こんな臭いところと早く出るぞ。背負ってやるから早く行くぞ・・ほれ。」




「・・・・・・うん。」



帰り道ミラの背中に背負われた私は、恐怖か安堵かそれとも別の感情からなのかわからないけど、何故か涙が止まることはなかった。

とりあえず馬鹿にされるからミラには内緒にしておこう。


「・・ありがとう。」



そう心で呟いた。
最終更新:2015年04月28日 19:39