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*My name is ◆LQDxlRz1mQ  彼の住む『カブトの世界』を象徴する東京タワーの下、その男は立っていた。  かつてそのタワーの下には天道総司という男が、まるでそこが世界の中心であるかのように堂々と立っていた。  高く人差し指をお天道様に突き上げて。  彼の姿を見れば、天道を知る者はその光景を思い浮かべるだろう。  ……しかし、違う。  彼は姿形こそ天道総司でありながら──その本質にある人格はまるで別人。  彼は天道に擬態した(本人は気づいていないが)ネイティブワームなのだ。  そして、同時に『もう一人のカブト』でもある。  彼の外見は、全て天道=カブトに準えたかのようなものだった。  名前も、素顔も。全てができそこないのコピー。  ただ、そんな彼でも天道を越えられるものがあった。  それは、日下部ひよりという女性への想い。  ずっと一人だった自分の、初めて見た人間。  そして、自分と仲良くしてくれたただ一人の人間。  ……が、拒絶された。  彼女はこの天道ではなく、もう一人の天道を選び、彼はまた孤独になった。  ひとり。  世界は広いのに、彼はずっとひとり。  これからも、誰にも理解されず、誰と分かり合うこともできない、たったひとりの世界。  彼の人生にとって、自分以外全てが飾りのような世界。 「壊してやる、そんな世界」  孤独な自分と、それを嘲笑うように誰かと戯れる人々。  親もなく、友もなく、恋人もなく育った自分と、親や友や恋人から様々な経験を受けた周りの人間。  嫉妬のような感情を抑えられなかった。  殺し合いをしろ、というなら進んで行ってやる。  ただし、全ての世界を破壊し尽くす。  ここで争いを強要された11の世界の人間、全てを殺しつくして消してやる。  特に──彼だ。 「天道総司……」  自分の存在意義を奪い去っていく男、天道総司を殺す。  この世界を滅ぼすには、彼は大きな障害となる。名簿によると、自分の世界からは自分以外で五人もの参加者がいるらしい。  まずは天道総司、加賀美新、矢車想、間宮麗奈、乃木怜司を一掃しよう。 「──それから、僕か」   世界を滅ぼすには、自分自身の死も必要となる。世界と心中する形になるが、もはや彼の中ではそんなことはどうでもいい。  思い出もなく、死に対する恐怖もなく、ただ辛いだけの生き方をしているのだから。  ひよりに否定され、カブトに敗れた。そんな世界に居座り続ける必要なんてない。  しかし、そんなことよりも、彼が気になったのは名簿にちゃんと載っていた、彼の《本当の名前》だった。  あまり齢を重ねていなかったとはいえ、流石に彼はその名前をなんとなくだが聞いたことがあった。 (忘れていたな……僕は天道じゃなかったんだ……)  ずっと忘れていた懐かしい名前。もう顔も忘れてしまった両親が可愛い息子に授けた名前だ。  それを、彼は嫌というほどあっさりと受け入れてしまった。  そうだ、自分はワームだった。  誰かに強引にワームにされ、天道総司にされた、一人の人間だった。 「……それでも、もうこんな名前は必要ない……。僕は、天道総司だ」  彼は使わなくなった名前を掘り起こすより、天道であることを選ぶ。  もう、「その名前」である必要はない。とうの昔にそんな人間は死んでしまったのだから。  それに、彼にとってはその男だった時間より、天道であった時間のほうが遥かに長い。  記憶もこの姿になる前のものは全く無い。  名前の響きで、自分がワームにされるあの悪夢を思い出しただけだ。 「僕の名前は、天道総司」  もう一度だけ、そう呟く。何度も呟けば、その名前になるというわけではないが……そう念じることで本当の名前を忘れようとしていた。  自分が天道の贋作だと認めなくなかっただけかもしれない。  出来損ないのコピーでいるよりは、絶対無二の『天道総司』であり続けたいと思ったのかもしれない。    彼、──擬態天道総司は、そのまま東京タワーに背を向けてライダーバトルの世界を歩いていった。 【1日目 昼】 【D-5 東京タワーの真下】 【擬態天道総司(ダークカブト)@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第47話 カブトとの戦闘前(三島に自分の真実を聞いてはいません) 【状態】健康 情緒不安定気味 【装備】ライダーベルト(ダークカブト)@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考・状況】 1:天道総司を殺し、『天道総司』に成り代わる。 2:全ての世界を破壊するため、手当たり次第全員殺す。 3:特に優先的に『カブトの世界』の五人を殺害する(最終的には自分も死ぬ予定)。 4:僕はワームだった……。 【備考】 ※ 名簿には本名が載っていますが、彼自身は天道総司を名乗るつもりです。 ※ 参戦時期ではまだ自分がワームだと認識していませんが、名簿の名前を見て『自分がワームにされた人間』だったことを思い出しました。詳しい過去は覚えていません。 |001:[[ふたりのP/団結]]|投下順|003:[[光を背負い]]| |001:[[ふたりのP/団結]]|時系列順|003:[[光を背負い]]| |&color(cyan){GAME START}|[[擬態天道]]|028:[[勝利か敗北か]]| ----
*My name is ◆LQDxlRz1mQ  彼の住む『カブトの世界』を象徴する東京タワーの下、その男は立っていた。  かつてそのタワーの下には天道総司という男が、まるでそこが世界の中心であるかのように堂々と立っていた。  高く人差し指をお天道様に突き上げて。  彼の姿を見れば、天道を知る者はその光景を思い浮かべるだろう。  ……しかし、違う。  彼は姿形こそ天道総司でありながら──その本質にある人格はまるで別人。  彼は天道に擬態した(本人は気づいていないが)ネイティブワームなのだ。  そして、同時に『もう一人のカブト』でもある。  彼の外見は、全て天道=カブトに準えたかのようなものだった。  名前も、素顔も。全てができそこないのコピー。  ただ、そんな彼でも天道を越えられるものがあった。  それは、日下部ひよりという女性への想い。  ずっと一人だった自分の、初めて見た人間。  そして、自分と仲良くしてくれたただ一人の人間。  ……が、拒絶された。  彼女はこの天道ではなく、もう一人の天道を選び、彼はまた孤独になった。  ひとり。  世界は広いのに、彼はずっとひとり。  これからも、誰にも理解されず、誰と分かり合うこともできない、たったひとりの世界。  彼の人生にとって、自分以外全てが飾りのような世界。 「壊してやる、そんな世界」  孤独な自分と、それを嘲笑うように誰かと戯れる人々。  親もなく、友もなく、恋人もなく育った自分と、親や友や恋人から様々な経験を受けた周りの人間。  嫉妬のような感情を抑えられなかった。  殺し合いをしろ、というなら進んで行ってやる。  ただし、全ての世界を破壊し尽くす。  ここで争いを強要された11の世界の人間、全てを殺しつくして消してやる。  特に──彼だ。 「天道総司……」  自分の存在意義を奪い去っていく男、天道総司を殺す。  この世界を滅ぼすには、彼は大きな障害となる。名簿によると、自分の世界からは自分以外で五人もの参加者がいるらしい。  まずは天道総司、加賀美新、矢車想、間宮麗奈、乃木怜司を一掃しよう。 「──それから、僕か」   世界を滅ぼすには、自分自身の死も必要となる。世界と心中する形になるが、もはや彼の中ではそんなことはどうでもいい。  思い出もなく、死に対する恐怖もなく、ただ辛いだけの生き方をしているのだから。  ひよりに否定され、カブトに敗れた。そんな世界に居座り続ける必要なんてない。  しかし、そんなことよりも、彼が気になったのは名簿にちゃんと載っていた、彼の《本当の名前》だった。  あまり齢を重ねていなかったとはいえ、流石に彼はその名前をなんとなくだが聞いたことがあった。 (忘れていたな……僕は天道じゃなかったんだ……)  ずっと忘れていた懐かしい名前。もう顔も忘れてしまった両親が可愛い息子に授けた名前だ。  それを、彼は嫌というほどあっさりと受け入れてしまった。  そうだ、自分はワームだった。  誰かに強引にワームにされ、天道総司にされた、一人の人間だった。 「……それでも、もうこんな名前は必要ない……。僕は、天道総司だ」  彼は使わなくなった名前を掘り起こすより、天道であることを選ぶ。  もう、「その名前」である必要はない。とうの昔にそんな人間は死んでしまったのだから。  それに、彼にとってはその男だった時間より、天道であった時間のほうが遥かに長い。  記憶もこの姿になる前のものは全く無い。  名前の響きで、自分がワームにされるあの悪夢を思い出しただけだ。 「僕の名前は、天道総司」  もう一度だけ、そう呟く。何度も呟けば、その名前になるというわけではないが……そう念じることで本当の名前を忘れようとしていた。  自分が天道の贋作だと認めなくなかっただけかもしれない。  出来損ないのコピーでいるよりは、絶対無二の『天道総司』であり続けたいと思ったのかもしれない。    彼、──擬態天道総司は、そのまま東京タワーに背を向けてライダーバトルの世界を歩いていった。 【1日目 日中】 【D-5 東京タワーの真下】 【擬態天道総司(ダークカブト)@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第47話 カブトとの戦闘前(三島に自分の真実を聞いてはいません) 【状態】健康 情緒不安定気味 【装備】ライダーベルト(ダークカブト)@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考・状況】 1:天道総司を殺し、『天道総司』に成り代わる。 2:全ての世界を破壊するため、手当たり次第全員殺す。 3:特に優先的に『カブトの世界』の五人を殺害する(最終的には自分も死ぬ予定)。 4:僕はワームだった……。 【備考】 ※ 名簿には本名が載っていますが、彼自身は天道総司を名乗るつもりです。 ※ 参戦時期ではまだ自分がワームだと認識していませんが、名簿の名前を見て『自分がワームにされた人間』だったことを思い出しました。詳しい過去は覚えていません。 |001:[[ふたりのP/団結]]|投下順|003:[[光を背負い]]| |001:[[ふたりのP/団結]]|時系列順|003:[[光を背負い]]| |&color(cyan){GAME START}|[[擬態天道]]|028:[[勝利か敗北か]]| ----

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