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共同戦線」を以下のとおり復元します。
*共同戦線 ◆LQDxlRz1mQ



「……全く、どうしてこんな事になったんだろうねぇ、秋山」 


 北岡秀一の呼びかけに、秋山蓮は答えなかった。 
 二人は偶然にも、ランダムで選ばれた位置が非常に近かった。 
 その結果、彼らにとっては効率的に物事を進める道具が手に入ったわけだが。 


「まあ、これもなんかの縁ってやつさ。今回ばかりは仲良くやってもらわないと、こっちも困っちゃうからさ」 

「主義じゃない」 

「でも、結局俺たちは自分たちの願いを叶えるために、今は協力するしかないだろ? まさかお前が心強く思える日が来るとは思わなかったよ」 


 彼らは元の世界では敵同士である。それだけじゃない。 
 城戸真司、秋山蓮、北岡秀一、浅倉威、東條悟、霧島美穂。龍騎の世界は互いに殺し合い、その結果生き残った一人が願いを叶えるという、異色の仮面ライダーばかり揃っている。 
 そのため、彼らは当然敵といえるが、自分の世界が消えてしまえば……戦って願いを叶えることすらできなくなる。 

 ましてや、蓮のように「昏睡状態の恋人の蘇生」を願うライダーや、北岡のように「不老不死」を願うライダーならば自分の世界の人間が消えてしまうのは快いことではない。 
 このまま戦う意味も何もかも……全てを消し去ってしまうのである。 


「忘れるなよ、北岡。俺たちはここで一緒に帰ることができても、結局敵同士になる」 

「忘れるかよ。こっちとしても俺に変な友情を抱いて欲しくはないからさ。……俺もそんなライダーを倒せば、少しは心が痛むしなぁ」 

「……よく言う」 


 二人はライダーであり、非情になりきれないという特徴を除いて正反対。 
 が、やはり同じ世界のライダーというだけあって、二人で協力できるという点では大きなアドバンテージとなる。 
 二人は少し安心感を覚えていた。 


「どうやらこの近辺に城戸や浅倉はいないみたいだね」 

「同じ世界の人間は近くに飛ばされるというお前の仮説は間違ってたわけだ」 

「いや、まだこの近くにいるかもしれないだろ。……まあ、浅倉には絶対会いたくないけどさ」 


 浅倉威。狂った連続殺人犯で、「自分を無罪にできなかった」と弁護士の北岡に対して何かと悪い執着を抱いている、北岡の知りうる限り最も性質の悪い参加者である。 
 彼が「同じ世界だから」という理由でストップしてくれるとは、北岡は思えなかった。 
 蓮も同様に考えている。彼は弟さえも「ウザい」の一言で手にかけたほどの男である。信用できるはずがない。 

「でも、城戸もどうだろうねぇ。あいつなら、自分の世界を守るためでも……殺し合いなんてしないだろうしさ」 

「……あいつはバカだが、俺たちよりずっとマシな人間だ」 

「そいつはよく理解してるよ。俺としては協力してくれないヤツはここで死んでもらっても構わないんだけど、サバイブのカードくらいはもらっておきたいし、まあ合流だけはしておいた方がいいだろうね」 


 この言葉の裏には、「もしかしたら城戸も協力してくれるかもしれない」という期待も込められていた。 
 それに、城戸真司と秋山蓮のコンビネーションが完成すれば、北岡としても心強い。 
 かつて一度だけ彼らと協力して戦ったことがあったが、それが結果的にモンスターを倒したのも事実(結局、ライダー同士の戦いになってしまったのは触れないでおこう)。 
 やはり城戸真司を手放すのは手痛かった。 
 捜索をやめてしまうことに、得は無い。 

  
 北岡がそんなことを考えた刹那。 
 目の前の茂みから人の気配を感じることに気づいた。 


「北岡」 

「ああ」 


 二人はそれぞれ、デッキを握る。 
 現実世界で戦ったことはほぼ無いのだが、あまり容量は変わらないだろう。 
 目の前にいる何者かを警戒しつつ、二人は蓮に支給された《ディスカリバー》という剣を構える。 
 この森林の中で鏡になるものといえば、この程度だろう。 


「城戸だったら都合が良いんだけど」 

「そううまくはいかない。……多分な」 


 目の前から現れた人影……それはビジュアル系バンドのような服装・メイクの──いかにも『悪役』な面の男である。 


「俺たちの世界の人間じゃなさそうだな」 

「ああ。……倒すしかないわけだ」 


 二人としても、人間の姿をした敵を殺すことには抵抗がある。 
 モンスターの餌として、人間を食わせるライダーもいるが、彼らにとってのモンスターの餌はモンスターだ。 
 が、うまい具合にディスカリバーがある。わざわざライダーに変身するまでもなく敵を殺せる。 


「……貴様ら、『仮面ライダー』とかいうやつか?」 


 その男は、剣を持った人間を相手にするには、嫌に冷静にそう訊いた。 
 そうした雰囲気が怪しいのは、蓮も北岡もなんとなくわかっている。 
 蓮は、剣を手放さないまま答える。 


「ああ、そうだが」 

「……そうか。それは面白くなりそうだ」 


 その男は、人間ではなかった。 
 男は笑いながら、グロテスクな容姿の怪人──バッドファンガイアに変わっていった。 


「「──変身!!」」 


 その姿を見て警戒した二人は、それが一体どういった現象なのかなど考えようともせず、仮面ライダーに変身する。 
 黒いライダー、ナイト。緑のライダー、ゾルダ。 
 奇しくも、ナイトは敵と同じ「コウモリ」のライダーだった。 


「それがお前らの世界のライダーか。二人まとめてかかってこい」 


 かつて敵だった二人のライダーは、強敵を相手にどれだけのコンビネーションを見せることができるのか。 
 二人のライダーと、一人の王。 
 己の世界と願いをかけた戦いが始まった。 

【1日目 昼】 
【B-8 森林】 

【北岡秀一@仮面ライダー龍騎】 
【時間軸】第34話終了後 
【状態】健康 仮面ライダーゾルダに変身中 
【装備】ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎 
【道具】支給品一式、不明支給品(0~2) 
【思考・状況】 
1:自分の世界のために他世界の人間を倒す。 
2:まずは目の前の敵・バッドファンガイアを倒す。 
3:蓮と協力する。協力できるなら、同じ世界の人間と協力したい。 
4:同じ世界の人間を捜す(城戸優先)。浅倉とは会いたくない。 
5:城戸が協力しないとしても、サバイブのカードを手に入れておきたい。 
6:蓮や協力者と決着をつけるのは元の世界に帰ってから。


【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】 
【時間軸】第34話終了後 
【状態】健康 仮面ライダーナイトに変身中 
【装備】ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、ディスカリバー@仮面ライダーカブト 
【道具】支給品一式、不明支給品(0~1) 
【思考・状況】 
1:自分の世界のために他世界の人間を倒す。 
2:まずは目の前の敵・バッドファンガイアを倒す。 
3:蓮と協力する。協力できるなら、同じ世界の人間と協力したい。 
4:同じ世界の人間を捜す(城戸優先)。浅倉とは会いたくない。 
5:北岡や協力者と決着をつけるのは元の世界に帰ってから。 
【備考】 
※ サバイブのカードは没収されています(蓮は気づいていない)。 


【キング@仮面ライダーキバ】 
【時間軸】現代編/復活後 
【状態】健康 バッドファンガイアに変身中 
【装備】不明 
【道具】支給品一式、不明支給品(1~3) 
【思考・状況】 
1:ゲームに乗る。 
2:目の前の仮面ライダーを殺す。 
【備考】 
※ 現在のところ、上記以外の思考は不明です。



|005:[[闇を背負う男と光の名前を持つ女]]|投下順|007:[[俺を動かす力]]|
|005:[[闇を背負う男と光の名前を持つ女]]|時系列順|007:[[俺を動かす力]]|
|&color(cyan){GAME START}|[[北岡秀一]]|039:[[究極の幕開け]]|
|&color(cyan){GAME START}|[[秋山蓮]]|039:[[究極の幕開け]]|
|&color(cyan){GAME START}|[[キング]]|039:[[究極の幕開け]]|

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