[[【Wol】光の戦士にハァハァするスレ1…フリオニール×wol]]
「どうして、こんな…」
「ごめん…ごめんよ」
花を添えるティーダとオニオンナイトは瞬きをする度に涙をぼろぼろと零していた。
「ティナの様子はどう?」
セシルの目が赤い。墓石を撫でている指が震えていた。
「問題無い」
クラウドの目が赤い。簡潔に発せられた言葉が震えていた。
二人は視線を地面の上で揺らしながら、きゅっと唇を噛んでいた。
ウォーリアオブライトが、死んだ。
俺がそう言った時、皆どんな顔していたっけ
バッツに言った時は、あいつはがっついて食べていたスープを土の上にぶちまけていたっけ
「は……?」と呟いてた気がする。
その後俺の肩を掴んできて、「ふざけた事言ってんじゃねぇよ」って叫んできたな。
俺は何も言えなかったっけ
そうしたらバッツは、肩を掴んでいた手を震わせながら離して「嘘だ」って血の抜けた顔で呟いて。
横に居たジタンもバッツと同じように理解出来ないって顔をしていた。
「……嘘、だよな?嘘なんだよな!?どうしてそんな嘘付くんだよ!?」って。また同じ顔で俺の服を掴みながら叫んでいた。
俺が嘘じゃないと言って彼の愛刀と一房の白銀の髪を渡した時、声にならない声をあげて泣き崩れていたな。
だから改めて実感したんだ。
彼はこんなにも愛されていたんだなって
皆、墓に話しかけながら花を添えている。
花なんてこの辺りに群生してる場所はなくて手向けることを諦めていたけど
剣を墓標にするだけでは彼が休まらないからとティナが時間をかけ造ってくれた。
それは透明な澄み切った花で、枯れることのない魔力の結晶だった。
光を凝縮したような、無垢で、とてもとても綺麗な花だった。
本当に綺麗で、この世の物と感じさせないような、それ自体が淡い光を放っていておかしなくらい彼にそっくりで…
俺がそう口に出すと、ティナは張り詰めていた糸が切れたように気を失ってしまった。
抱き止めてやる事は出来なかったな。
一人、皆から離れて静かに墓を見守っているスコール
君も本当は泣きたいだろ?泣き叫んでしまいたいだろ?
でも君は出来ない。
彼に近寄ることすら許されないと、そう思い込んでいる。
ウォーリアオブライトが死んだのは自分のせいだと思い込んでいる。
彼が中々戻って来なかった時、どうして自分は探しに行かなかったのかと永遠に後悔するだろう。
彼ならば一人で行動しても大丈夫だという根拠の無い自信を打ち立ててしまった自分を呪うだろう。
もしかしたら、自己嫌悪のあまり今以上に口を閉ざす青年になってしまうかもしれない。
そんな必要は全く無いのに、本当に可哀想な事だと思う。
「一人でいるとまたあの人に怒られるぞ」
何かを察したバッツが青年に近寄って目の前に花を差し出す。
彼が亡くなった事は誰のせいでもない、バッツはそう伝えたかったのだろうけど
しかし花を突きつけられたスコールは途端、顔色が蒼白に変わりしゃがみ込んだ後嘔吐してしまった。
吐く物は何も無いっていうのに嗚咽は止まらずバッツは始終背を擦っていた。
そよそよと吹いていた風は今ではひたりと止んで、暮れていく空が夜になることを告げていた。
寒くて、耐えられなくて
それでもテントの中に戻ろうとする者は居なくて。
本当に
皆、彼が好きだったんだな。
やっぱりこんなにたくさんの人に愛されてたんだな、あなたは。
最終更新:2009年04月30日 05:24