[[【Wol】光の戦士にハァハァするスレ1…フリオニール×wol]]


「貴方が好きです」

ついに、ついに言った!と青年―フリオニールは心の中でガッツポーズをした。
相手は光の戦士ことウォーリアオブライト。
最初は尊敬の対象だった彼、いつの間にか違う感情を抱くようになっていた。
彼を見る度に胸を焦がす感覚。
俗に言う恋、と言う奴だった。

「…フリオニール、悪いが君の気持ちには応えられそうにない」

しばらく考え込んでいたウォーリアオブライトが口を開いた。
真っ直ぐな瞳でこちらを見て。
…しまった。
後先考えずに告白してしまったが、よく考えたら自分たちは男同士だった。
よく考えなくともわかることだろうが、告白することで頭が一杯でそんなことにも気付かなかった。
気持ち悪いと思われただろうな…と内心泣きそうになりながら
「あ、いや、突然こんなこと言われても迷惑です…よね」
と慌てて言った。
しかし、ウォーリアオブライトの表情は変わらない。
何か考え込んでいるようだ。
しばらくして、やっと口を開いた。

「いや、迷惑なのではない。只…分からないんだ」
「分からない…?」
「『好き』と言う感覚が私にはよく分からない。今までそんな感情は抱いた事がないんだ」

開いた口が塞がらない、とはこの事だろうか。
闘争の輪廻の中に居たせいなのか、それとも記憶と一緒に感情も忘れてしまったのか。
光の戦士には感情なんて要らない、そういうことなのか。

「だから…君の気持ちには応えられない。すまない」

そう言ってウォーリアオブライトは踵を返す。
「ま、待ってください!」
慌ててウォーリアオブライトの後を追いかけた。
自分でも何故追いかけたのかわからない。
ただ本能のままに動いていた、のかもしれない。

「これが、俺の気持ちです」
そう言ってウォーリアオブライトの腕を掴み、抱き寄せ――口付けした。
抱き締めた彼の体は、温かくて。
鎧越しでもその温もりを感じることができた。
出来ることなら、ずっとこのまま抱き締めていたい。

「…フリオニール?」

名前を呼ばれて、我にかえった。
俺はまた、何をやっているんだ。
抱き締めて、き、キスまでするなんて…どうかしてる。
「すっすみません!今のは忘れてください!」
と言うが早いか、逃げるようにその場を離れた。
随分遠くに来て、へたりと座り込み、俺は猛烈に後悔した。
「ああ…終わってしまった、なぁ…」
色んなものがガラガラと音をたてて崩れた。
明日、改めて謝りに行こう。
許されないだろうけど。
そう誓った。


一方その頃ウォーリアオブライトは、フリオニールの温もりを何度も反芻していた。
「人とは…暖かいものなんだな」
そう呟いて。




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最終更新:2009年05月21日 00:04