幸い、宮子は体調を崩すことなく、体育の授業も無難にこなした。
校庭で元気よくサッカーをしているゆのと宮子のことを、校舎の窓から沙英が眺めていた。
(大丈夫そうでよかった……)
あのとき、何もせず傍観していた自分にも責任の一端はある。
ふと沙英は、こんなことを思った。
(もし、ヒロと一緒にいて、同じような状況になったら……私はどうするかな?)
沙英の頭の中で、妄想が地平線のように果てしなく広がる。
カバンから秘蔵のノートを取り出し、本能の赴くままに沙英はシャーペンを走らせた。
あまりに卑猥な内容なので詳細は省くが、沙英とヒロがお互いの小水を嬉々として飲み合っているシーンがあるとだけ記しておこう。

チャイムの音で沙英は目が覚めた。どうやら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
まだ意識がぼんやりとする中、沙英はあることに気付いた。
(……ノートがない!?)
席から立ち上がり、カバンの中や机の周辺を探す。しかし、どこにもない。
ふと、沙英は背後に誰かの気配を感じた。
「……沙英」
振り向くと、そこにはヒロがいた。右手には、あのノートを持っている。
沙英が何も言えずに立ちすくんでいると、ヒロが冷たい口調でこう言った。
「……沙英がこんなこと考えていたなんて」
「いっ、いや、これは違うよ……」
しどろもどろになる沙英。
そして、ヒロがいたずらっぽく微笑んでから、挑発的に沙英へ告げる。
「ところで、沙英。私、今すごくお手洗いに行きたいの」

沙英:「えっ?…あ、あのその…」
ヒロ:「沙英、…飲みたいんでしょ?私もう我慢出来ないかも。」

沙英:「あ、ええとそのあああ…
    (もう!どうしてこんな時になずながおしっこ飲んで恍惚としてる顔を思い浮かべるの私!)」
ヒロ:「飲みたいの?飲みたくないの…?」
沙英:「(あああどうしよう!でもここで断ったら何されるか分かんない!でもおしっこ飲むのは…はわわわわわ)
    わわわ分かったっ、とりあえずトイレ行こっ!ねっ。」



ヒロ:「もう、漏れちゃうよ」
沙英:「(チラッ…ヒロ、パンツ脱いじゃだめぇ…チラッ…凄い糸引いてる…)…」
ヒロ:「私、沙英があんなこと考えてたなんて思いもしなかったよ。
    でもね私、沙英になら飲まれてもいいよ…ううん、飲んで欲しいな。沙英。」
沙英:「……。ヒロ…分かった。私、ヒロのおしっこ飲みたいよ。」
ヒロ:「うん、来て」
沙英:「割れ目を開いて…ヒロのあそこ、すごく綺麗…」
ヒロ:「いやん、そんなに見ないでよ。」
沙英:「じゃあ口を当てるね。」ハムッ
ヒロ:「ひゃん!…いい?出すよ。」
沙英:「ふん(うん)」

ヒロ:「あっ…」じょ…じょろろろろろろろろろろろろろ・・・
沙英:「ふむっ、ごくごく…うっ・・・ごくごくごくごくごく・・・」
ヒロ:「(私、沙英におしっこ飲ませてる…どんな味なのかな?)」ジョボボボボ…
沙英:「ごくごくごく・・・(おしっこって酸っぱいんだ…でもヒロのおしっこ、ちょっと癖になりそう…)」

ヒロ:「ふぅ…沙英、全部出たよ。」
沙英:「…うん、…美味しかったよ…」
ヒロ:「そうなんだ…良かった。ところで沙英、なんであんな文章書いてたの?
    いつもの沙英だったらああいうHなストーリーなんて書かないと思ってたのに。」

沙英:「ええとね…一昨日なんだけど、乃莉となずなの2人が体育館の更衣室でそんなことやってて…
    あれはなずなが仕組んでたみたい。こっそり鍵かけて二人で閉じ込められた風を装ってて。
    そしたら乃莉がおしっこ我慢出来なくなって、なずなが嫌がる乃莉を説得して、
    …私がさっきやったみたいに飲んでた。でも乃莉はなずなのおしっこ飲んでなくて、
    置いてあったペットボトルを乃莉が上手いこと見つけてきて、なずなはその中におしっこしてた。
    でね、…それをなずながロッカーに放置して帰っちゃって、午前中の体育で宮子がそれを見つけて、
    りんごジュースだと思って飲んじゃったの。それでついつい興奮しちゃって…」

ヒロ:「そんなことが…なずなちゃんにはそんな性癖があったなんて、私知らなかったわ。」
沙英:「その時のなずな、凄く美味しそうにおしっこ飲んでて…」
ヒロ:「それでついつい、私のおしっこを飲むようなこと、妄想しちゃったのね。」
沙英:「ゴメンね。…でも、ヒロのおしっこ、また飲みたくなっちゃいそうだから…」
ヒロ:「嬉しい…あのね、沙英。私も気になるんだ。おしっこの味。」
沙英:「それってつまり…」
ヒロ:「お願い、沙英。沙英のおしっこ、私に飲ませてほしいな。」
沙英:「…いいよ。じゃあトイレいこっか…」
ヒロ:「ううん、どうせ誰もこないし、ここでしよ。」

沙英が恥じらいの表情を浮かべながら、スカートをゆっくりと外した。陰部を覆う一枚の布は、心なしかしっとりと濡れているように見えた。
ヒロが床にひざをつけて、そっと顔を沙英の下着に近づける。もはや、お互いの間に言葉はいらなかった。緊張している沙英に、ヒロがやさしく微笑む。それだけで、十分だった。
そして、ヒロの手が沙英の下着に――。

(あっ、いけない。うっかり寝ちゃった……)
目をこすって起き上がる。窓からオレンジ色の光がさしている。周りには誰もいない。
(あとは家に持ち帰ろうかな)
卒業制作で取り掛かっている作品。やまぶき高校で学んだことすべてを、その作品に注ぎ込むつもりだ。
ここ数日、夜遅くまで作業に打ち込んでいるため、さすがに疲れがたまっている。でも、弱音は吐かない。誰よりも、その作品を見せたい人がいるからだ。
(私ももうすぐ卒業か……)
机の上を片付けながら、ふと思った。この3年間、当たり前のように顔を合わせていた日々も、もうすぐ終わりを告げる。だから、後悔したくなかった。
(絶対、いい作品に仕上げようっと)
荷物をまとめて、教室を出る。廊下を歩くと、隣の教室から聞きなれた声がした。
(えっ……まだいるのかな?)
こっそりと、ドアに近づいて耳をそばだてる。すると、衝撃的な言葉が聞こえてきた。
「……うぅ、恥ずかしいよ」
震える声で“その人”は言った。
(これって、まさか誰かに襲われてるんじゃ……!)
胸が急スピードで高鳴る。躊躇している暇なんてなかった。荷物を一旦廊下に置き、一度深呼吸をしてから、ドアを勢いよくガラッと開けた。
「沙英! どうかしたの……って、えっ?」
3年B組の教室に入った夏目は、思いがけない光景を目にした。
沙英が瞳を潤ませながら立っている。しかも、その下半身には何も身に着けていなかった。
そして、ヒロが沙英の前にひざまずいていた。口元が妙に濡れている。
数秒間、室内が沈黙に包まれた。そして――。
「……ごっ、ごめんなさい!」
そう言い残して、夏目が一目散に教室から去って行った。しばし呆然としていた沙英とヒロだったが、慌てて制服を着なおして、夏目の後を追った。
しかし、夏目の姿はなかった。沙英とヒロは、無言で気まずそうにお互いを見つめた。

翌日、夏目は学校に来なかった。
何の連絡もないことを不審に思った吉野屋先生は、放課後、廊下ですれ違った沙英とヒロに話を聞いた。
「あの、夏目さんのこと何か知りませんか?」

吉野家:「あの、夏目さんのこと何か知りませんか?」
沙英:「あっ…ええとその…すいません、分からないです。
   (おしっこ飲ませてるところ見られたなんて言えるわけない)」
ヒロ:「私も特には…(おしっこ飲ませてもらってるところ見られたなんて…)」
吉野家:「(何か知ってそうだけど…)分かりました、先生からも連絡を入れてみますね。」

キーンコーンカーンコーン

沙英:「夏目、本当にどうしちゃったんだろう…」
ヒロ:「確かに見られたには見られたけど、飲んでるところは見られてないわよね…?」
沙英:「あの時は、ヒロが後始末って言って拭こうとしてたときだし…」
ヒロ:「でも私達がHなこと、してるように見えるし…どうしよう、私達も夏目さんの所に行く?」
沙英:「そうだね、でもなんって説明しよう。」
ヒロ:「まずは夏目さんがどう受け取ったのかを聞かないと分からないわね。」
沙英:「それを見て適当に言い訳する?」
ヒロ:「そうしよっか。じゃあ行きましょう。」

吉野家:「今日もお仕事終わり~。あら、あの二人は…方角的には夏目さんのうちに行くのかしら?
      さっき話した時も思わせぶりだったし、情報を掴めそう!…ちょっと後を追ってみましょうか。」

沙英:「なんか誰かに尾行されてるような…」
ヒロ:「気のせいじゃない?ここが夏目さんの家ね。」ピンポーン
夏目:「…はい?」
ヒロ:「ヒロです。」
沙英:「沙英だけど・・・今日はどうしたの?」
夏目「えっ・・・・なんで家に…ど、どうもしてませんっ!」
ヒロ:「私達も色々と話すこと有るし…ちょっと話さない?」
夏目:「だ、だから私はどうもしてないって!べ、別に二人の…」
沙英:「夏目は勘違いしてるから、それを説明するからさ。」
夏目:「……分かったわ。どうぞ!」

吉野家:「あの2人、何を喋ってるのかしら…この距離からだと流石に聞こえないわね」
??:「『夏目は勘違いしてるから、それを説明するからさ。』って言ってるよ、先生」
吉野家:「あら、そうなの。じゃああの二人が大きな原因だった…って誰!?」
宮子:「こんにちわ先生。」
吉野家:「えっ?なんで宮子さんがここにいるの?」
宮子:「んーなんか先生が不審な動きで二人の後を追ってたもんでついつい~」
吉野家:「んもーっ!…あら、あの二人、夏目さんのおうちに入っていっちゃったわ。
      ……夏目さんの部屋の中、流石にここからは見えないわね。諦めて帰りましょうか。」
宮子:「チッチッチッ、諦めるのはまだ早いぜよワトソン君。こっちのマンションから見えるかも。」

夏目:「なんなのよ一体!いきなり押しかけてきて…」
ヒロ:「突然でごめんなさい。だけど連絡もなく学校を休んだって聞いて、凄く不安だったのよ。」
沙英:「夏目らしくないし、どうしたのって思ったんだけど。」
夏目:「そんなに私のこと、心配なの…?
    別にいいじゃない、私のことなんか。二人でアツアツやってればいいじゃない。」
沙英:「だからあれは誤解だって!」
夏目:「嘘言わないでよ!だってあの時、沙英、スカートもショーツも脱いで…ヒロがこ・・・貝殻に口付けて…
    だ、だってあれでしょ!ゆ、百合!!あれをどう見たら私の眼に誤解だって見えるの?!」
沙英:「だからあれは!」
ヒロ:「沙英。…あのね夏目さん、あれは別にそういうことをしてたんじゃないの。
    沙英、実はこの年でまだ生理が1回も来てなくってね…」
沙英:「ヒロ…」
ヒロ:「昨日沙英が凄く不安そうな顔してて、どうしたのか聞いたの。そうしたら
    『股間から血が出てきて痛い』って。保健の先生もいなかったし、私が見てあげようと思って…」
沙英:「(ヒロ、何を言い出すのよ!!…でも上手く話を合わせろって事かな)うん、あれが初潮だってわからなくって…」
ヒロ:「沙英ってクールな所が男の子に人気があるのよ。
    だから、誰かに無理やりやられたのか、って凄く不安になってね。でもまさか初潮だったとは…」
夏目:( ゚д゚)ポカーン
沙英:「だから、ごめんね夏目。心配させちゃって」
ヒロ:「私からもごめんなさい。あの時不安にしてしまって…」
夏目:「あ、あはははは…全部私の勘違いだったんだ…よかった…」
沙英:「良かった?」
夏目:「!!そ、そんなこと言ってないって!私はもう大丈夫!心配かけてゴメン!それじゃあね!」グイグイ
沙英:「ちょ、ちょっと!!」
ヒロ:「あらあら…」 バタン!

夏目:「…良かったぁ。私の沙英…」

宮子:「ということみたい。先生」
吉野家:「確かに先生には言い難い話だったのね…でも誤解が解けて良かったわ」
教頭:「ところでチミたち、ここで何をしているのかね?」ピクピク…
宮子・吉野家:Σ(゚д゚lll)



ヒロ:「さて、夕ごはん出来たし、みんなを呼んで来ようかしら」
ゆの:「あっ、じゃあ私、乃莉ちゃんとなずなちゃんを呼んできます」
ヒロ:「じゃあお願いね。」

ゆの:「なずなちゃーん!夕ごはん出来たよー」
なずな:「えっ…ちょっとまっ…きゃあああ!!」
ゆの:「どっ!どうしたの?入るよ?」バタン
なずな:「痛ったーっ…きゃあ!ゆの先輩見ちゃだめーっ!」
ゆの:「な、なずなちゃん…?」
なずな:「み、見ないで…」
ゆの:「だ、大丈夫だよ。それより零した水を…私が拭くから、なずなちゃんは服を着ておいで…」
なずな:「い、いいですっ!」
ゆの:「大丈夫、困ったときはお互い様だよ。」
なずな:「(言えない、零したのが出したての私のおしっこだなんて…)わ、分かりました…」
ゆの:「ふきふき…なんか変な匂いがするような…酸っぱい感じ」

鼻にツンと来る匂いに、顔を少ししかめつつも、ゆのは布巾で床にこぼれた液体を丁寧に拭いた。
(先輩らしく、私がしっかりしないとね)
以前、修学旅行で沙英やヒロがいなかったときも、後輩の二人にいいところを見せようとしたのだが、思うようにいかなかった。
もうすぐ、沙英とヒロは卒業してしまう。そうなったとき、ひだまり荘を上手くまとめるのが自分と宮子の役割だと考えていた。
そのためには、何が必要か。床を拭きながら、ゆのはふと思った。
(もっと、なずなちゃんのことを知らないといけないかもなぁ……)
住人の中で、一人だけ普通科のなずな。どこかフワッとした印象の彼女のことを、ゆのはまだ十分に知っているとは言えなかった。
部屋の隅っこで着替えているなずなに、ゆのは声をかけた。
「ねえ、なずなちゃん」
「はっ、はい!?」
なぜか驚いた様子のなずな。何を焦っているのかなと、ゆのは不思議に思った。
「今更だけどさ、私、なずなちゃんのこともっと知りたいなって思ったの」
「ふぇ? そっ、そうなんですか?」
なずなは困惑した。このタイミングで、そういうことを言うってことは――。
(ひょっとして、ゆの先輩……私の性的嗜好を知ったうえで、私を誘ってる……?)

なずなの考えなど知る由もないゆのが、こんな質問をした。
「なずなちゃんは、“将来”のこととかよく考えたりするの?」
なずなは驚いた。
(しょっ、“小水”のことって……。間違いない。ゆの先輩は、完全に私を誘惑してる……)
興奮してきたせいか、体が火照って熱い。
「私はね、まだ具体的には決めてないんだけど、人を“喜ばせる”ことに興味があるかなぁ」
(よっ、“悦ばせる”!? 要するに、ゆの先輩はご奉仕したいってこと!?)
なずなの小さな胸がドキドキと鼓動する。
(つまり、ゆの先輩は飲ませる側がいいのかぁ……)
なずなの妄想は止まる気配がない。
布巾を台所で水につけながら、ゆのがしみじみと言う。
「でも、一番大事なのは、自分の“やりたいことをできる”環境にいられるってことかもね。難しいだろうけど」
(ヤリたい娘とヤッて、子どもがデキる……完全にビッチの発想だ……)
なずなの中で、ゆのがどんどん変態と化していく。もはや、欲望を抑えることはできなかった。
なずなが、ゆのに告げる。
「あの……ゆの先輩」
「ん?」
「今日、夕ご飯を食べた後、私の部屋に来てくれませんか?」
「いいけど、何か相談事?」
「はい、まあ、そういう感じです」
曖昧に言って、うなずくなずな。ゆのは首をかしげながらも、快く了承した。

夕飯が終わり、ゆのがなずなの部屋を訪れた。
呼び鈴を鳴らすと、ほんの数秒でなずながドアを開けた。まるで、ずっとドアのところで待機していたかのような速さだ。
「どうぞ。上がってください」
「失礼しまーす」
ゆのが部屋に上がる。テーブルには、リンゴジュースらしき飲み物が二つ、置いてあった。

なずな:「ゆの先輩、わざわざありがとうございます。」
ゆの:「…?今日はどうしたの?」
なずな:「はい、そういえば今まで、ゆの先輩とこうやってゆっくりと話したことがないなぁと思って。
      今日は色々とお話出来たらな、と思って…」
ゆの:「そうなんだぁ。(私もなずなちゃんの知らない事多いし、色々とお話出来たらいいな)」
なずな:「(ゆの先輩、顔を赤らめて…そんなに私のおしっこ飲みたいんだぁ…)はい。
      あ、このりんごジュース、実家から送ってきたんです。美味しいので飲んで下さい。」
ゆの:「うん、じゃあ頂こうかな?ゴクゴク…あ、甘いだけじゃなくって、丁度いい酸っぱさもあって美味しい!」ゴクゴク…
なずな:「(りんごジュース70%私のおしっこ30%+媚薬・利尿剤入り、全部飲んでくれた!)そうなんです。美味しいんですよね!」
ゆの:「もう一杯欲しいなぁ」
なずな:「はい!じゃあ持ってきますね。…はい」ジュボジョボ…
ゆの:「ありがとう。あ、なずなちゃんのコップにも入れてあげる」ジョボジョボ…
なずな:「えっ…ちょっとま…」
ゆの:「どうしたの?なずなちゃんも飲みなよ」
なずな:「いえ、…何でもないです。
    (自分のおしっこ入りを飲めって…?ゆの先輩、まさかおしっこ入りだって気づいた…?
     せっかくなにも入れてないジュースを私のコップに入れておいたのに…)」ゴクゴクッ…
ゆの:「…?ゴクゴク…今日はどんなこと話そうかな?」
なずな:「そうですねぇ。では・・・・・」
ゆの:「えっ?!そうなんだぁ!それってビックリ!」
なずな:「はい!それはもうビックリで!」
ゆの:「あ、もうこんな時間かぁ…流石にそろそろ帰らないとね…ひゃん?!」
なずな:「どうしたんですか?」
ゆの:「おかしいよ…なんだか体が凄く火照っちゃってる…むずむずする…」
なずな:「大丈夫ですか。(薬効いてキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!ちょっとお尻触ってみよう)」スリスリ…
ゆの:「ひゃあああああんんん…なずなちゃん…そんなところ触らないでぇ…」
なずな:「大丈夫ですか?」
ゆの:「大丈夫じゃないかも」ビクンビクン…

ゆの:「うっ…ちょっとおトイレ…行かないと…」ビクンビクン…
なずな:「動けそうですか?」
ゆの:「ごめんなさい、難しい…かも…」
なずな:「ええと、こういうときは…(ニヤリッ…)ちょっと支えるのでトイレ行きましょう」
ゆの:「ありがとう…」ビクン!
なずな:「きゃあっ!」
ゆの:「えへへ…ふらふらするよ…あ、もう出そう…ごめんね、もう我慢出来ない…」
なずな:「えええええ!!…そ、それじゃ仕方ないので!私が飲んであげます!!」
ゆの:「だ、だめだよぉ・・・汚いよぉ・・・」
なずな:「先輩だから飲めるんです!スカート脱がせますね!」バサリッ
ゆの:「ダメ、・・・出る…」
なずな:「ゆの先輩もう一息です!…パンツ下ろして…ゆの先輩のあそこ、スジスジだぁ…」
ゆの:「ダメ…出る!」ジョボ…
なずな:「きゃっ!…はむっ!」

じょろろろろろろろろろろ……

ゆの:「…(あれ?私おしっここんな所でしちゃってる…それをなずなちゃんが飲んでる…
    恥ずかしいはずなのに気持ちいい…どうしてかな…?)」
なずな:「ゴクゴクゴク…(ゆの先輩のおしっこ、乃莉ちゃんのよりもやさしい味がする…)」
ゆの:「…ハァハァ…(もっと飲んで…)」
なずな:「ゴクゴク…もう終わったかな…あれ…ゆの先輩のあそこ、凄くヌルヌルしてきた…」
ゆの:「ハァハァ…」
なずな:「ゆの先輩…」
ゆの:「なずなちゃん…ハァハァ…私のおしっこ…美味しかった…?…ハァハァ…」
なずな:「はい!凄く優しい味でした。」
ゆの:「私もお・れ・い、したいなぁ・・・ハァハァ…」
なずな:「ゆの先輩、私もおしっこ我慢出来ないので…飲んでくれますか?」
ゆの:「うん、飲んであげる…」

なずな:「(乃莉ちゃんの時はペットボトルで逃げられたけど、今のゆの先輩は媚薬で興奮してる状態
      今度こそ私のおしっこ飲んでもらうんだ!)じゃあ、出しますね…」ジョボッ…
ゆの:「んっ!…ゴクゴク…」
なずな:「はぁーっ・・・」じょろろろろろろろろ………
ゆの:「ゴクゴクゴク…(あれ?私なんでなずなちゃんのおしっこ飲んでるんだろう?おっかしいなぁ…記憶が曖昧…)
    …って、え!?なんで?おしっこ飲むとかおかしいよ!)」
なずな:「…」
ゆの:「…っ!ゴホッゴホッ!!(なんでこんな状況になってんの?分からない!どうして?)」
なずな:「ゆの先輩…大丈夫ですかぁ…もう全部出たので大丈夫ですよ…」
ゆの:「う、うんっ!(なんで?どうして?)時間だし、もう帰るね!また明日!!」バタバタ…
なずな:「はいっ!また明日!!(やったーっ!おしっこ飲んでもらえた!でも味聞きそびれたなぁ…)」


ゆの:「…そうだ、なんかなずなちゃんと仲良く話してるうちに頭がふらふらしてきて、おしっこ行きたいなぁ、
    って思い始めてから急にあそこがムズムズしてきて…りんごジュースは普通の味だったし変なのを飲んだわけじゃないし…
    …あれ…私、…なずなちゃんにおしっこ飲ませた…?そんな記憶がうっすらある…
    どうしよう…なずなちゃんに明日顔合わせられないよぉ…ううっ!下着も凄く湿ってる…お風呂入ろう…」

なずなは一人、部屋で恍惚感にひたっていた。
(ふふふ、これでゆの先輩も私の思うがままだよね……)
ゆのとお互いの小水を飲み合うことに成功した。まさに、計画通りだった。
先に飲ませたのはゆのの方だった。これがなずなにとっては大きかった。
ゆのからしてみれば、自分に非があると思い込むだろう。その後で、なずなの小水を飲んだのは流れの中での行為にすぎない。
(私の毒牙にかかったのは、ゆの先輩だけじゃないからね)
乃莉の小水はすでに自分が飲んだ。これで、乃莉も自分には逆らえないはずだ。
さらに、とある情報筋から聞いたところによると、以前、ペットボトルに残した小水は宮子が飲んだらしい。雑食の宮子らしい行動だと、なずなは思った。
しかも、その様子を陰で見ていた沙英が、今度はヒロとお互いの小水を飲み合ったというではないか。
これをネタにすれば、三年生の二人も自分に従うしかないだろう。特に現役作家の沙英にとっては、スキャンダルは絶対に避けなければならないはずだ。
なずなは笑いが止まらなかった。
「あはははは、みんな同じ穴のムジナだよ! 私のおしっこを中心に、ひだまり荘は廻ってるんだよ!」
誇らしげに右手を掲げる。なずなは感じていた。終わりが近いということを。もうすぐ訪れるであろう、その時を。
「もうすぐ、もうすぐで私はひだまり荘の王になってみせるから!」
そう宣言して、また高笑いを始める。


「ずいぶんと偉くなったものね」

「……えっ!?」
突然、背後で誰かがクールな口調で言った。驚いて振り向くと、そこには予想外の人がいた。
「……どっ、どうしてここに?」
「あら、私の職業を忘れっちゃったのー? ひどいなぁ」
そう言って、不満そうに頬を膨らませる。右手の人差し指で、合鍵のついたキーホルダーをクルクルと回していた。
「あの……、いつからいたんですか?」
「えっと、最初からずっとかな」
「…………」
「まさか、可愛いなずなちゃんにこんな趣味があったなんてねー。いいもの見たわ」
余裕の表情を浮かべる。なずなは悔しそうに唇を噛んだ。
「……何が望みなんですか?」
「もう、なずなちゃんったら、怒った顔しないでよー」
「言ってください。何が望みですか?」
「つれないわねー。じゃあ、早速だけど本題に入らせてもらおうかしら」
そう言って、なずなのそばに腰かける。そして、緊張するなずなをからかうように、耳元でささやいた。
「今度さ、みんなでパーティーしない?」

「……パーティー、ですか?」
「そう。なずなちゃんの好きなことを、ひだまり荘のみんなでやるの」
なずなは息をのんだ。いったい、何を企んでいるのだろう。
フッと微笑んでから、その人が言う。
「実はね、私もそういうの大好きなの。いえ、もっと言えば、女の子のすべてが大好き。それがたとえ、酸っぱい飲み物でも、ね♪」
なずなは何も言えなかった。それくらい、衝撃が強すぎた。
「知らなかった? 私、合鍵を使ってよくみんなの部屋に忍び込んでるんだよ?」
「そっ、そんな……」
なずなには思い当たる節があった。時々、朝起きると部屋に置いてある物の配置が違うことがあったのだ。
ただの勘違いだろうと思っていたが、犯人は目の前にいるこの人だった。
「なずなちゃん。たしか薬持ってるんだよね? まだ十分な量はあるの?」
「……はい」
「うん、素直でよろしい」
満足そうにうなずいている。
「いつにしようかなー。週の始まりにいきなりってのもアレだから、金曜日の夜にしよう。この日は、私のための日でもあるし」
「……金曜日の夜ですか?」
「そう。みんなで盛り上がろうね! じゃあ、またねー。ちゃんと薬を人数分、用意しておいてね♪」
バイバイと手を振りながら、部屋を出ていく。
(みんなでパーティー……。しかも、あの薬を使うってことは……)
再び一人きりになった部屋で、なずなは想像した。ひだまり荘の住人たちによる、飲尿の宴を。
そして、ひっそりと微笑んだ。

「……やっぱり、早いうちに手を打たないとまずいかな」
乃莉は部屋で頭を抱えながら悩んでいた。
先日、自分の尿をなずなに飲ませてしまったこと。緊急事態だったとはいえ、うかつだったことは間違いなかった。
あの日以来、なずなの様子に変化を感じていた。
「あいつ、勝ち誇ったような目つきで私を見るんだよね……」
思い出すだけで、怒りが込み上げてきた。最近のなずなは、調子に乗っている。
乃莉はそれが心底面白くなかった。
「……少しこらしめてやろうか」
乃莉が机の引き出しから、白い袋に包まれたある物を取り出した。
中に入っているのは、とある薬品と、注射器だった。
「……まさか、こいつを使う日が来るとはなぁ」
いざというときのために、ネット通販で買った代物。
「当然、誰かに発見されるのは遅いほうがいいから……金曜日の夜にやろう」
そう決心し、乃莉はそれを再び机にしまった。

「あっ、そうですね。もちろん大丈夫ですよ。はい、月曜日までにはお渡しできます。はい、それでは失礼します」
電話の相手は、とある出版社の編集者だった。
現在、書き下ろしの小説を進めている他に、毎週雑誌にエッセイを載せている。
執筆のパターンはいつも決まっていた。
その週の金曜日までに書くテーマを決めて、土日で一気に仕上げる。そして、月曜日の朝メールで提出する。
「ふぅ……何かネタないかなぁ」
沙英がハァっと嘆息する。最近、内容がマンネリ気味になっていることを感じていた。
「何かこう、読者の人がびっくりするような、インパクトのあることが起きればいいのに」
沙英はふと、壁にかかったカレンダーを見た。
土日で集中して書くのだから、“何かが起きる”ことのデッドラインは、金曜日の夜だった。

ヒロはベッドに寝転がり、悶々としていた。
(どうしてかしら……。あの日のことを思うと、胸のドキドキが止まらない……)
先日、沙英とお互いの尿を飲み合った日のこと。ヒロの目には、その光景が鮮やかに焼き付いていた。
初めは、からかい半分だった。でも、次第に気持ちは本気になっていった。
傍から見れば、汚らしい行為だろう。ただ、ヒロにとっては、すごく神聖なことに感じられた。
(……やっぱり私って、沙英のことが好きなのかしら)
好きだから、そこに愛があるからこそ、ヒロは神聖さを感じたのだろう。
もう、自分の気持ちに嘘はつけなかった。
(……沙英にお願いしよう。また、飲ませてって)
ベッドから起き上がり、机の上に置いてある手帳を手に取った。
(いつにしようかな……。やっぱり、この日かな)
いくら愛のある行為とはいえ、さすがにクラスメイトに知られてはまずい。
感づかれないためには、それをしてから学校に行くまでの時間を、できるだけ空ける必要があった。
そうすれば、顔に出たりうっかり口にすることもないだろう。
ヒロは筆箱から赤い蛍光ペンを取り出し、金曜日の夜にしるしをつけた。

ゆのと宮子は、一緒に買い物に出かけていた。
「ゆのっち、これも美味しそうだよ」
「そうだね。じゃあ、それも買おうか」
宮子がお菓子を手に取り、かごに入れる。
二人は近所のスーパーに来ていた。お菓子や飲み物などを適当に手にとっては、かごに入れていく。
「楽しみだね。きっと、驚くよ」
「そうだねー。これぞ、サプライズ!」
宮子がおどけた風に言う。ゆのはそれを見てクスッと笑った。
会計を済ませて、帰り道。二人は並んで歩いた。
二人が買ったもの。それは、今週の金曜日に誕生日を迎える大家さんのためのものだった。
みんなには内緒で、二人だけで準備を進めていた。
「大家さん、喜んでくれるかなぁ」
「もちろん! ひだまり荘始まって以来のすごい夜になりそうな予感がしますぞ」
ふと、空を見上げると、たくさんの星が瞬いていた。
あの星のように、輝く時間を過ごせたらいいな。ゆのはそんなことを思った。
大家さんのサプライズ誕生日会は、金曜日の夜を予定している。

一見、バラバラの方向を向いているように見えるみんなの思い。
しかし、それらはすべて一点に集中する。
金曜日の夜に、それぞれの思いが交錯する。

カウントダウンは、もう始まっている。

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最終更新:2012年03月10日 09:37