第一話「種」


『ひぐらしデイブレイク改』の発売と共に、ひデブIRCコミュニティ内に大量の新参が発生した。
彼らの一部は、古参身内民の主導で会話が行われる#hidebuの空気に馴染む事ができず、
鬱屈した思いをしばしば&hidebu(匿名ch)で吐き出していた。

そんな居場所の無い新参たちのために、一つのchが新たに作られた。
彼らの、彼らによる、彼らのためのch。
それが#新参である。


しかし、一般的な対人スキルを持つ大多数の新参は、この様なchを必要とはしていなかった。
今まで古参が経験してきたのと同じ様に、
知り合いの居ないIRCの中で一から人間関係を構築し、
波長の合う仲間を見つけ、それぞれがそれぞれの身内chへと羽ばたいていった。
新参はやがて中参になり、そしていつしか古参となる。これがIRCの自然な流れである。

この事を踏まえれば、自然の流れに反し
“永遠に新参である事の宣言”をその名に冠した#新参というchは、
始めから隔離chになるであろう運命を抱いて生まれてきたのだとも言える。



実際、数日も立たない内に、#新参はひデブIRCの中でも最悪のchになっていった。

IRCにやっては来たものの、何がしかの点で性格上に重大な欠点があり、
身内chのどこにも加わる事のできない真性新参。
そんな愉快な真性新参をヲチして面白がっている陰湿古参。
カスがカスを呼び、#新参はIRCの暗部をごった煮にした様な、屑の吹き溜まりchとなった。




一般的に、ネット上のトラブルは以下の三要素が揃った時に引き起こされる、と言われている。

一、面倒な問題を巻き起こす“トラブルメーカー”
ニ、事態を悪戯に煽り立てる“悪意ある第三者”
三、トラブルにより不都合を被る、そして専ら煽られ抵抗の低い“被害者”



#新参chは厄介事の種となりうる二つの要素を常に内包していた
いつ破裂してもおかしくない、危険な状態にあったのだった。



────そして。



────事の顛末は、夏休みも終わりに差し掛かった、8月27日に遡る。



次回、「波紋」。
誰か#新参と#VIPでひデブのログ.txtうpして下さい。コメントにでも

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最終更新:2007年09月22日 18:03