課題1:使いにくい!バス総合案内システム
パス総合案内システム
私は藤沢駅バス総合案内システムを、使いにくい、分かりにくいものとして取り上げる。このシステムはユーザが情報を入力することで、藤沢駅発のバス路線を検索することが可能なものである。(写真1,2参照)
ユーザは下記の手順に従うことによってバス路線を検索できる。
1.ユーザが目的のバス停を索引から見つける
2.ユーザが索引中の索引番号をシステムに入力する
3.ユーザが乗車を希望する時間をシステムに入力する
4.システムがユーザの入力を処理し、その内容を画面上に出力する
5.ユーザが希望する場合は、出力内容をプリントアウトできる
意外と利用されているシステム
私はこのシステムの存在を以前から知っていた。しかし、見るからに使いにくそうなので、利用したことがなかった。ところが、利用状況を調べてみると、私が見たところこのシステムの利用者は少なくなかった。
また、ウェブ検索の結果、同様のシステムが神奈川県内だけでも川崎駅、相模原駅、青葉台駅に存在することが判明した。特に、川崎駅のシステムでは、多い時には1日500人以上の人々がこのシステムを利用していることも分かった。(参考にしたHPのURL参照)
使いにくいシステム
しかしながら、このシステムは使いにくそうに見える。また、実際に操作してみても、使いにくいシステムだと私は感じた。そこで、以下では、なぜ私がこれを使いにくいと感じたのかについて説明する。
使いにくい理由
印字が不鮮明なボタンを押すことへの不安
まず、使いにくいことの原因は、ディスプレイやボタンの汚さにあると感じた。
汚れたディスプレイは見辛く、一部印字が剥がれたボタンを押すことは、誤操作に対する不安を感じた。(写真3,4 参照)
分かりづらい操作方法
次に、このシステムでは多様な情報が分散して存在するために、使いにくくなっていると感じた。
ユーザがシステムから目的の検索結果(写真5)を得るためには、操作方法(写真6)を確認し、バス路線図(写真7)から目的地のバス停名を探し、索引番号対応表(写真8,9)から索引番号を見つけて、ボタン(写真4)を使って、画面(写真10)に索引番号を入力した上で、バスへの乗車時間を入力しなければならない。
こうした情報を得るために必要とされるユーザ側の情報探索・入力コストの高さがシステムを使いにくいものにしていると感じた。
文字に依存した操作方法説明
また、このシステムでは、ユーザが文字以外の方法で操作方法を学習することができないので、分かりにくくなっていると感じた。特に、このシステムでは、画面が不鮮明なので前の人の方法を真似て操作することが難しい。また、ソフトウェアのインストール手順のように、写真入りのチュートリアルで操作方法を学習できるわけでもない。
人々を不安にさせるシステム
もっとも、正しい手順で操作していれば、画面状態の遷移によって、自分の操作方法が正しいということはわかる。
しかし、誤った操作をした場合には、システム側から何のレスポンスもないため、不安になってしまう。
そして、こうした不安要因がシステムを分かりにくいものにしていると感じた。
このシステムが利用されている理由
今回私の取り上げたシステムは非常に使いにくいものだった。
しかし、この使いにくいシステムも一度使い方が分かってしまえば、簡単に使いこなせるということがわかった。
観察の結果、利用者のシステム利用時間が比較的短かったことから考えて、このシステムは使い慣れた人達によって、繰り返し使われているのだろうと私は考えた。
使いやすいシステムとは
そして、このシステムは、キレイにした上で、情報をディスプレイ上にまとめて表示できるようにし、写真などを用いた操作手順をユーザ側に提供すれば、より多くの人達に使ってもらえる分かりやすいものになるだろうと考えた。
新・マーフィーの法則(インタフェース編)
1.改善の必要性の高いものほど、見捨てられてしまう。
2.関連性の高い項目ほど、離れて存在している。
3.重要な機能ほど、ひっそりと存在している。
最終更新:2009年07月02日 11:02