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5.電子シャッターとAEの誤解


壊れても直せないから、あるいは直すのが大変だからという理由で、電子制御のシャッターを嫌う人は多い。逆に機械式シャッターは修理ができるからという理由で根強い人気がある。
しかし、電子シャッターは修理が難しい、というのは、実は誤りであることも多い。
電子シャッターと一口に言ってもその構造にはさまざまなものがあるが、中でも
  • 1980年代ごろまでのフォーカルプレーン電子シャッター(アナログ制御)
  • コパルエレク系電子レンズシャッター(ヤシカエレクトロシリーズ、コニカエレクトロン、オリンパスペンEMなどに搭載)
この二つは、実はスローガバナー以外はまるっきり機械式の構造である。スプリングの力で幕あるいは羽根を開閉し、規定の時間開放し続けることのみ電磁石の力で行う。このため電池がない時にまったく動作しないわけではなく、単速で動作する(ただし別個にシャッターロックをつけた機種もあるため一概には言えない)。
このようなシャッターは、まったく動かない場合機械的な不具合である可能性が高い(羽根の外れ、固着、レリーズリンケージ不良)。
一方動いても誤動作となる場合は電装の不良だが、そのほとんどはコードの断線かモルトプレンの劣化が原因である(スイッチ接点の裏などに貼られていて、劣化してつぶれると接点が接触しなくなり動かなくなる)。

ちなみに本当に修理が難しいのはプログラム電子シャッターで、羽根の開閉がソレノイドの力で行われるためトルクが小さく、固着した場合に徹底的清掃を要する。
また、後のデジタル制御の電子シャッターも電子回路が安定している反面、動かない場合の原因が致命的なもの(部品破損、IC破損)であることが多い。

ちょっと横道にそれるが、「電子シャッター付のAEカメラ」で「CdS露出計」で「メーターが指針表示」のカメラ(代表例はニコマートEL、ミノルタXE、ペンタックスES)は、「指針の揺れが収まらないうちにシャッターを切ると露出が狂う」という記述をよく見かけるが、実はこれも間違いである。
これらのカメラの指針メーターは、実はAE用の回路とはまったくつながっていない、単なるプレビューでしかないから、針のゆれや誤差は実際の露出には影響しない。その証拠に、たとえばミノルタXEは露出計を取り外した状態でもAEが正常に動作する。
つまり、これらのカメラはAE用に電子回路の形で露出計がもう一つ搭載されているのである。針のゆれが問題になるのは、まさに針の位置を機械的に読み取ってAEを作動させる、いわゆる針押さえ式AEのカメラ限定だ。

メーターが鈍いのはCdSが鈍いからだから、やはり一息置いてシャッターを切るべき、というのも間違い。遅いのはメーターである。嘘だと思うならCdSにLEDと電池をつないで、CdSに光を当てたり遮ったりしてみてほしい。光を当てたり遮ったりする動作に対してLEDの点滅のタイムラグは人間の目にはほとんど分からないほどわずかであるはずだ。メーターの動きは鈍くてもAEには無関係であり、AE回路側は当に測光が完了しているのだ。

ちなみにCdSの速度が問題になるのはTTLフラッシュのダイレクト測光などで、それが普及するより早くSPDが普及したのは速度ではなく暗所での感度改善が目的だったからである。


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最終更新:2009年07月14日 00:30