MA-333CP / Analog Systems

低雑音Qui-FET OPAMP

1980年製
タイプ BiFET
電源電圧 ±4~18V
GBW 4MHz
スルーレート 15V/us
Vn 8nV@1kHz
開ループ利得 100db
消費電流 1.8mA x2
出力電流 18mA
オーディオ向け
ボルテージフォロア △不向き
オリジナルベンダー Analog Systems
現行品/廃止品 廃止品

型番・記号の意味:
MA - アナログシステムズの製品接頭記号
333 - 型番
C - 商用温度範囲(摂氏0~70度)
P - PDIPパッケージ

珍品で骨董品です。型番が印刷でなくスタンプで押印されている古めかしいパッケージです。朱色の文字が目をひきます。

かつてMA-332という高級オーディオ用オペアンプで有名だったアナログシステムズ社のローノイズJFET入力オペアンプです。このアナログシステムズ社はもはや存在していないメーカーです。アナログデバイセズ社とは関係ありません。

MA-332と型番が1違いのMA-333ですが、MA-332はバイポーラ入力でまったく別物です。MA-333のデュアル版がMA-336です。
聞くところによれば、アナログシステムズ社のオペアンプはバイポーラ入力のものは白文字スタンプ、JFET入力のものは赤文字スタンプのようです。

当時のBiFETオペアンプと言えば低雑音と言ってもLF356程度のレベルが限界だったところを、この製品は飛びぬけた低雑音を実現しています。データシートには英語で「Qui-FET技術を採用し、従来のBiFETオペアンプの1/3の入力雑音電圧を達成」と誇らしげに書かれています。

音ですが、確かに雑音が少なく、解像感も高いです。相当の旧式オペアンプなのに立派なものです。
なんとなく似た感じの音を出す OPA2604 と比べると、スピード感はOPA2604には及びませんが、逆に繊細さはMA-333のほうが上であると感じました。また、いろいろな音の分離が良いように感じます。OPA2604は響きが良いため音の分離は犠牲になっている気がします。また消費電力が少ない(1回路当たり1.8mA)のも良いです。
簡単に手に入るのなら積極的に使いたくなりますが、目を皿のようにして探してもまず出てこないでしょう・・・・メーカーが現存していないのが非常に残念です。

同じく旧式オペアンプOP-01の記事は こちら


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最終更新:2010年10月31日 04:38