CA3140E / Harris Semiconductor(Intersil)

4.5MHz BiMOS OPAMP,MOSFET入力/バイポーラ出力

1995年製
タイプ BiCMOS
電源電圧 ±2~18V/+4~36V
GBW 4.5MHz
スルーレート 9V/us
Vn 40nV@1kHz / 380nV@10Hz / Corner:-
開ループ利得 100db
消費電流 4mA x2
出力電流 40mA
オーディオ向け -
ボルテージフォロア
オリジナルベンダー RCA
現行品/廃止品 鉛フリー化(CA3140EZ/AEZ、Intersil社製)

型番・記号の意味:
CA - RCAのアナログICに付けられる製品接頭記号
3140 - 型番(2桁目の「1」が回路数を表す)
E - DIPパッケージ

CA3140はBiMOSプロセスによるOPAMPのうちごく初期に設計されたものでBiMOSオペアンプとしては今でも定番の品種です。単電源で動作可能です。オリジナルベンダーはRCA端子でおなじみのRCA(Radio Company of America)社で現在は半導体部門はHarris社と合併、そのHarris社も現在はIntersil社と合併し、2017年には日本のルネサスエレクトロニクスに買収されています。入手したものはHarris社時代のものです。RCA社はCD4000シリーズCMOSロジックICを開発したことからも分かるようにCMOS-ICを得意としていたメーカーでした。
CA3140は1回路タイプで、2回路のものはCA3240です。入力オフセット電圧の小さい選別品(Aグレード)も存在します。

このOPAMPは前から知っていたのですが、データシートを見ると上記のように雑音が相当大きいようなので手を出していませんでした。しかし、どうやら実際に聴覚上聞こえる雑音は割と少ないらしいことが分かり、価格も安かったので入手してみました。

目から鱗です。雑音の大きさは一応低雑音と銘打つ TL072 と大して変わりません。決して低雑音とはいえませんが、十分使用可能です。データ上ではLM358並のノイズですが、ためしにLM358を入れるとCA3140の倍ぐらいの雑音が聞こえます。

音質的には比較的素直で癖がありません。しかし、薄っぺらで味気ないわけではなく量感やスピード感も意外にあります。TL072のノイズが許せる条件ならCA3140やCA3240に換えてもいいかもしれません。少なくとも個人的にはTL072よりこちらが好きですね。ただし、あえて使う必要があるとは思えません。

CA3140はMOSFETのうちPMOSしか使っていませんが、便宜上BiCMOSとしておきます。(差動入力段にPMOSを使用し出力段は非コンプリメンタリのプッシュプルを使っています。出力段にもMOSを使用したのがCA3160です)

ちなみにこの品種は全グレードが軍用温度範囲で規定されていますので、電源回路など発熱の大きい場所でも安心して使用できます。


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最終更新:2010年11月07日 08:14