「あー喰った喰った。腹ぁ一杯だなぁ。グハハハハハハッ!!」
丸焼きにした100匹のミズクマを殻ごと捕食した仮面ライダー王熊、
浅倉威は満足そうに床に寝転んだ。
本来は堅い外殻を取り除かないと喰えたもんじゃないミズクマだがヒグマモンスターの強靭な牙に掛かれば
割と造作もない。つくづく便利な体になったものである。
―――さて、次は誰を喰ってやろうか。
「北岡……梨と蝙蝠の男……それに、俺を邪魔しやがったあのヒグマ。楽しみが増えたなぁ」
「あぁ、まったく、喰いきれねぇかもしれねぇなぁ」
王熊が振り向くと、いつの間にか肩から生えていたもう一つの王熊の首が語りかけてきた。
「なるほど……今喰ったばかりなのにもう次を喰いたくなってきたと思ったらこれか?」
「ハハハッ!別に驚くとじゃねぇだろう?」
「それもそうだな。クハハハッッ!!!」
いつの間にか先ほどの戦闘で武器として使用したドラスの様に胴体まで生えてきたもう一人の王熊は
そのまま足まで生やし、脱皮するかのように浅倉の体から抜け出して地面に立つ。
二人目の浅倉威は首を鳴らしながら大きく体を伸ばした。
「やれやれ、便利な体になったもんだな」
一体、浅倉威に何が起こっているのか?というより、この結果はある意味で必然だった。
確かにミズクマは美味であるが、『人間が食べても大丈夫な安全で特別な調理法』を確立しているのは現在、
田所恵ただ一人。
数時間前に浅倉が捕食した三匹のヒグマの様に彼は再び何の処置もしないでミズクマを食べてしまったのだ。
彼の身体で暴れ狂う大量に取り込んだミズクマの無数のHIGUMA細胞が浅倉を次のステージへと進化させた。
そう、彼はミズクマの特性「無精生殖」を吸収し、身に付けてしまったのである。
複雑すぎる体構造ゆえ自身の複製の製造には一人に付き捕食したヒグマ一匹分のカロリーを丸ごと消費せねばならない
(今回の場合は特に吸収する能力が無かったため蓄積していたリラックマのエネルギー)が、全く同じ能力と知性を持ち
更に意識の共有も可能となった、ヒグマを喰い続ける限り己の戦力を倍増させることが可能なある意味で上位互換の能力!
森から流されてきた隻眼1の死体に気づいた浅倉No.2はビルから飛び出し、波に逆らい泳ぎながら隻眼1の死体を
生のまま補食する。すると、再び浅倉の背中から三人目の浅倉が生えてくる。隻眼1が骨だけになったと同時に
こちらに戻ってきたのは二人の王熊だった。その様子をみた浅倉No.1は爆笑する。
「グハハハハハッッッ!!!本当に最高だな!ヒグマってのは!」
「ああ、島中の獲物はみんな俺のものだ」
「じゃあ、行こうか」
三人の浅倉威はヒグマモンスターと化した影響で発達した嗅覚で周囲を探る。
どうやらそれほど遠くない場所に人間やヒグマが密集している場所があるようだ。
三人で奇襲するか、分散して各個に襲い掛かるか。――――――楽しみは一杯だ!
【G-4:廃ビル内 昼(放送直前)】
【浅倉威No.1@仮面ライダー龍騎】
状態:仮面ライダー王熊に変身中、ダメージ(中)、左大腿に裂傷、ヒグマモンスター
装備:カードデッキ@仮面ライダー龍騎、ライアのカードデッキ@仮面ライダー龍騎、ガイのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
道具:基本
支給品×3
基本思考:本能を満たす
0:一つでも多くの獲物を食いまくる
1:腹が減ってイライラするんだよ
2:北岡ぁ……
3:梨と蝙蝠の男を追って食う
4:密集している参加者たちを襲う
[備考]
※ヒグマはミラーモンスターになりました。
※ヒグマは過酷な生存競争の中を生きてきたため、常にサバイブ体です。
※一度にヒグマを三匹も食べてしまったので、ヒグマモンスターになってしまいました。
※体内でヒグマ遺伝子が暴れ回っています。
※ストライカー・エウレカにも変身できるかもしれませんが、実際になれるかどうかは後続の書き手さんにお任せします。
※全種類のカードデッキを所持しています。
※ゾルダのカードデッキはディケイド版の龍騎の世界から持ち出されたデッキです。
※召喚器を食べてしまったので浅倉自体が召喚器になりました。カードを食べることで武器を召喚します。
※カードデッキのセット@仮面ライダー龍騎&仮面ライダーディケイドはデイパックに穴が空いたために流れてしまいました。
※ミズクマの特性を吸収しました。ただし分裂する為には一体ごとにヒグマ一体分のカロリーを消費する必要があります。
※ヒグマを捕食するごとに「能力の吸収」か「自身の複製の製造」のどちらかを選択出来るようになりました。
【浅倉威No.2@仮面ライダー龍騎】
状態:仮面ライダー王熊に変身中、ヒグマモンスター、分裂
装備:カードデッキの複製@仮面ライダー龍騎
道具:なし
基本思考:本能を満たす
0:一つでも多くの獲物を食いまくる
1:腹が減ってイライラするんだよ
[備考]
※ミズクマの力を手にいれた浅倉威が分裂した出来た複製です
※ユナイトベントを使えば一人に戻れるかもしれません
【浅倉威No.3@仮面ライダー龍騎】
状態:仮面ライダー王熊に変身中、ヒグマモンスター、分裂
装備:カードデッキの複製@仮面ライダー龍騎
道具:なし
基本思考:本能を満たす
0:一つでも多くの獲物を食いまくる
1:腹が減ってイライラするんだよ
2:北岡ぁ……
3:梨と蝙蝠の男を追って食う
[備考]
※ミズクマの力を手にいれた浅倉威が分裂して出来た複製です
※ユナイトベントを使えば一人に戻れるかもしれません
※G-4周辺にカードデッキのセット@仮面ライダー龍騎&仮面ライダーディケイドのナイトのカードデッキ以外が流れました。
無事に流れているかもしれないし、壊れているかもしれません。
◆
―――培養液の中で微睡みながら、あのお方の声が聞こえてくる。
『みんなのアイドル、那珂ちゃんだよ!よろしくね提督♪』
『アイエエエ!!!!?那珂ちゃん!?那珂ちゃんナンデ!?
しかも武器も持ってないじゃん!?大和は!?ボクの大和はどうしちゃったの!?』
『落着くネ提督ゥゥ!!私と
ビスマルク造った後に大和建造とか流石に欲深すぎるヨ!』
『資材不足!?それで代わりに那珂ちゃん出来ちゃったの!?なんてこったぁ!最後の切り札が!!』
外がやかましい。手も足もなくて身動きが取れないがどうやら私は造りかけで放置されてしまった
ようです。残念だ、とても。元々大喰らいすぎて中々出撃させてもらえなかったがこんな所でも
足を引っ張ってしまうなんて。ああ、出撃させて貰えれば誰よりも戦果を挙げれるというのに。
『それで、私は何をすればいいのですか提督?』
『あーもー、仕方がない!那珂ちゃん、キミは解体君に伝言を伝えに行ってくれないか?
内容は今から話す通りに―――ひょっとしたら彼も仲間になってくれるかもしれないしね!』
『ヒグマの群れが工場へ向かっているようですね。私に任せて先へ行ってください!』
『ビ、ビスマルクちゃーーーん!!』
『もう逃げるね提督ゥ!大丈夫!金剛がついてるネ!!』
『うう、ごめんねビスマルクちゃん……大和ちゃん……』
―――ああ、行ってしまう。でも私には伸ばす腕もない。
―――誰でもいい。私に手を、足を。
―――私に提督に尽くすための力を。
廃墟と化した研究所の培養液の中で、巨大な砲台を背に乗せたヒグマが捻り声を上げて待機している。
その砲台はよく見ると鎖に繋がれた少女の姿をしており、その両腕に艦隊の形状をした砲身が
枷の様に装着されている。長い髪を後ろに纏めた女性型コアユニットは目を瞑ったまま目を覚まさない。
少女の半身を乗せたヒグマは砲身になっている両目を上下に動かしながら溜息をついた。
(開発率90%……だが我が姫は未だに目を覚まさぬ。やはり今回の作戦の主導権は主砲である私が握らねばならぬのか)
彼女は「
戦艦ヒ級」と呼ばれている。技術者としても天才的な能力を持つ実効支配者、シバさんが
艦むすに対抗するために造り上げた艦むすを倒すための存在、解体場に残っていた資材と
HIGUMA細胞に
沈んだ船の船の残骸の怨念を憑依させて造られた怪物、深海棲艦である。
本来は完成にもう少し時間がかかる予定だったが培養液の中で頭部と胴体だけ造って放置されていた艦むすの
胴体が運よく残っていたため、彼女をベースに利用して建造を行ったことで工程を大幅に短縮することに成功していた。
だがコアである元艦むすの「彼女」は製造過程の後遺症で少々精神に異常をきたしてしまった為、
まともな思考の出来る頭部「主砲ヒグマ」を新たに増築、サポートに当たらせることにしたのである。
その様子をみて満足したシバさんとシロクマさんは完成を楽しみにしながら定時放送をする為、先ほど研究所を後にしたのであった。
(ヒグマ提督の殺害。それがシバ様が私に与えられた第一の司令だ。時間が来たら私がやり遂げねば)
「……んん?あレ?コこは……?」
(姫様!?おお!遂にお目覚めになられたのですか!?)
少女の瞳が、ゆっくりと開いていく。そして、寝ぼけながら周囲を見廻した。
その変わり果てた、とはいえしっかりと完成した肉体を見て彼女は目に涙が浮かべた。
「……腕……付イてマスね……アぁ……ちゃんと……最後マデ造っテくレたのデすネ……堤督」
(遂に完成ですぞ!!シバ様にご報告せねば!!さあ姫!我と共にヒグマ提督を討ち取りに参りましょう!!)
「……提督……ヲ?」
彼女―――艦むす戦艦大和と同じ顔をしたコアユニット少女はキョトンとしながら首を傾げて
下腹部についているヒグマの頭部を見下ろす。
(我がヒグマ提督に仇なす逆賊でございます!きゃつの首を手土産に武勲を上げるのです。
ご安心下され、私めは全力で姫様のサポートを……姫様?)
「ウん、よくワカりませンが、アナタは提督の敵ナノですネ?」
コアユニット少女は両腕に装着した艦体をゆっくり上にあげ、
その甲板に付いている計八門の砲身を主砲ヒグマに向けた。
(姫様!?何を為さるのです?)
「提督の敵ハ、殲滅シマス」
(お止め下さい姫様っっっっ!姫――――!?)
制止の声も聞かずに全ての副砲が激しい発射音と共に火を噴き、
16インチ連装砲のゼロ距離射撃が己の体の一部である主砲ヒグマを無慈悲に粉砕した。
「な、なんだ今の爆発音は!?」
「ああ!!あれシバさんが造ってた戦艦ヒ級じゃん!?完成してたの!?」
「おいおい!なんでもう試験管から出てきてんの!?これ異常事態じゃね!?」
砲撃音を聞きつけ、パトロールに来ていた二匹のヒグマが現場に駆けつけた。
そこで彼らが見たのは、返り血を大量に浴びた深海棲艦が砲撃の影響で破壊された
試験管から培養液を垂れ流しながらゆっくりと這い出てくる姿であった。
彼女は二匹に気づいたのか、こちらを向いて口を嗤うように歪ませる。
「これマジヤバくね?早く報告しに……グワァァァァァァアアアア!!??」
「あ、穴持たず639ぅぅぅぅぅ!!!!?」
割れた試験管から一瞬で跳躍し、超重量の装備が嘘の様な異常な機動力で距離を詰めた戦艦ヒ級が、
その前足の鋭いクローで穴持たず639を切り裂いた。
そして、そのままヒグマの頭部の様な形状をした四門の副砲が蛇のように伸び、
穴持たず639の全身を生きたまま捕食を開始した。
「う……うわああああああ!!!!??」
惨劇に恐怖し失禁しながら逃走を謀る穴持たず617の背中に向けて、戦艦ヒ級は16インチ連装砲を連続で叩き込んだ。
戦艦大和に装備された46センチ三連装砲と同じ経口をもつ砲撃を喰らい、なすすべもなく穴持たず617は爆発四散する。
瞬時に二匹のヒグマを葬った戦艦ヒ級は首を鳴らしながら天井に顔を向けた。
「……グルルルルル……!!」
下腹部を見ると、捕食した穴持たず639の養分を利用して先ほど破壊された主砲が涎を垂らしながら徐々に再生されて来た。
脳を粉砕された影響で知性を失いただの戦艦ヒ級の部品と化した主砲ヒグマはコアユニットに命じられるがまま天井に砲身を向けた。
24インチ連装砲が連続で火を噴き、研究所の天井を貫通してヒグマ帝国の地下洞を破壊した。
地下洞に空いた穴から太陽の光が刺し込む。地上への道が開けたのを見て、かつて大和だった少女は狂ったような笑みを浮かべた。
「テイトク……提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督……イマそちらへ向かいマス、どうかご無事デッッッ!!」
研究所跡を飛び出した戦艦ヒ級は地下洞の壁を駆け抜け、地上へと解き放たれて行った。
【ヒグマ帝国 研究所跡/昼(放送直前)】
【戦艦ヒ級flagship@深海棲艦】
状態:精神錯乱、主砲大破(修復中)
装備:主砲ヒグマ(24inch連装砲、波動砲)×1
副砲ヒグマ(16inch連装砲、3/4inch機関砲、22inch魚雷後期型)×4
偵察機、観測機、艦戦、艦爆、艦攻、爆雷投射機、水中探信儀、培養試験管
道具::無し
[思考・状況]
基本思考:ヒグマ提督を捜し出し、安全を確保する
0:偵察機を放って島内を観測する
1:ヒグマ提督の敵を殲滅する
[備考]
※資材不足で造りかけのまま放置されていた大和の肉体をベースに造られました
※ヒグマ提督の味方をするつもりですが他の艦むすとコミュニケーションを取れるかどうかは不明です
※地上へ進出しました
【深海棲艦・戦艦ヒ級】
人間だった頃はトーラスシルバーの異名を持つ天才魔法技師だったシバさんが開発した、
羆謹製艦娘に対抗するために造り出された深海棲艦。ワンオフ機なのでflagship級しか存在しない。
戦艦とは名ばかりでかの戦艦レ級同様、空母や潜水艦の機能も有した移動要塞であり、更に羆の特性も
取り込んでいる為肉弾戦においても初期ヒグマ並の戦闘力を有しており、単騎でほぼ死角はない。
捕食して取り込んだ生物を分解し、資材や燃料に変えて自己修復、自己補給が出来る他、
体内に培養試験管を内蔵しており、小型のコロポックルヒグマや戦闘機を資材の続く限り
自ら産み続けて半永久的に補充することが可能。ヒグマ提督が造りかけで放置していた大和を
ベースに造った影響で強力な火砲を装備しているが、製作の過程で精神に異常をきたしてしまい、
作戦行動に支障が出ないように理性的な第二脳を主砲ヒグマに内蔵していたが、シバさんが目を離した隙に
自分で破壊してしまった為現在制御不能に陥っている。
最終更新:2014年08月06日 13:49