祖父なる風

 日の暮れた草原には、数多くの人影が、地面に倒れ伏していた。
 まるで屍のようにうつぶせとなり、彼らはぴくりとも動けないでいる。
 ただ一頭のヒグマの哄笑だけが、ちらちらと雪の舞い始めたその空間に響き渡った。

「ダメダメダメダメ、駄目ですね! ラマト(魂)を肥大させただけで、あなた方は自分自身を操作しきれていない!
 『ピルマ・イレ(己の名を告げる)』は、決して独り善がりでは辿り着けません! 自他にその名を認められて初めてその境地に至ることができるのです!
 何人かは『プンキネ・イレ(己の名を守る)』に逡巡しているようですが、それではまだ、まだまだ自分のラマト(魂)に押し潰されるだけです!」

 佐倉杏子、龍田という、強大な力を手にしたはずの者たちさえもが、悉く歯噛みしたまま地面に磔にされている。
 いわんや、布束砥信間桐雁夜、田所恵、ビショップヒグマ、ジブリール、ヤイコ、デデンネ、と仲良くなったヒグマ、円亜久里、アイちゃんといった面々は、もはやなす術もない。
 絶え間ない圧力で地面に押し付けられている彼女たちは、呼吸をすることさえままならなかった。
 既にその半ばには、『穴持たず59の墓』と刻まれた丸太に貫かれた、穴持たず59の死体が転がっている。

「まいまいあっとーえれえが! まいまいおすへーらあだな!」
「くっ、そっ、がぁぁぁぁ!!」
「『紅葉の、錦』……!!」

 その犯人である奇声を発しながら飛び回っている影は、改造された制裁ヒグマである。
 彼は切断された上下半身を別々に行動させ、地面で動けなくなっている人々を殺そうと執拗に攻めかかっている。
 この状況にも関わらず死傷者が穴持たず59だけに留まっているのは、動きを封じられながらも佐倉杏子と龍田が必死の抵抗を試みているためだ。
 しかしながら、その抵抗も次第に苦しさを増してきている。

 杏子にできていることは、自分の肉体をアルター粒子に分解し、別の場所に再構成する『テルミナーレ・ファンタズマ(絶影)』を用いて、制裁ヒグマに襲われそうになっている人々の前に立ちはだかり身代わりになることくらいだ。
 その魔法の行使中にも彼女の肉体にはラマッタクペの能力による力積がかかっており、再出現した瞬間に地面に叩き付けられてしまう。攻撃に転ずる余裕など全くない。
 持ち前の機動力を全く発揮できず、倒れたまま腕と指先の動作だけで薙刀を振るう龍田の攻撃は、ラマッタクペにも制裁ヒグマにも容易く避けられてしまう。

 ラマッタクペ自身がつらつらと語るところによれば、この能力は、個人個人の保有する魂のごく一部を運動エネルギーに変換し、それを各個人の肉体にそのまま作用させているのだという。
 他人の魂を感知し操作するという彼の力は、そもそも魂の存在を自覚することもできない常人にはほとんど抵抗できない。
 自己の魂を認識できる魔法少女や艦娘でも肉体の操作を9割以上阻害されているこのラマッタクペの力は、あまりにも圧倒的だった。


「……いけませんね。ここまでトゥミコル(争い)も佳境に入ってきてなおこのザマとは。
 どなたか、我こそはというカムイの方はいらっしゃらないのですか? いないのならばもう、制裁さんに刻んでもらうほかありませんね!」


 その上驚くべきことに、これだけ広範囲の人身に能力を行使していても、ラマッタクペには余裕しかない。
 彼は片手間の加減だけで、残る杏子や龍田の抵抗さえも完全に封じることができるだろう。
 第三回放送も終わり、いよいよ展開が膠着してきたその時、彼はついにその能力を強めようとしていた。

 瞬間、西の遥かから、雪の舞う暗い空を裂いて、闇よりも暗い何かが唐突に飛来する。

「おっと」

 真っ黒な膿が、身を退いたラマッタクペの足元に着弾して飛び散り、その周囲の草を枯らし雪を溶かす。
 覚えのあるその独特の魔力の感覚に、杏子が快哉を上げた。

「――この魔力は! ほむらか!?」
「にゃあああああああ――!!」
「『フォルビチ・インシデーレ(断ち斬りバサミ)』!!」

 続けざまに、空からは二条の閃光がラマッタクペを挟み討つように奔り来ると見えた。
 星空凛の駆るメーヴェから、リボンの振り子を用いて加速した巴マミが、その手に金色の大鋏を構えて襲い掛かると見れば、メーヴェを蹴り捨てて立体機動装置のガスを吹いた凛は、諸手に薄刃を振るって雪風を刻み飛ぶ。

「『108lb化膿砲』……! あのヒグマの動きは私が止める! マミさん、凛、頼んだわ!!」

 黒い雨が、巨大な雨が降ってくる。
 降ってゆく。
 旧ってゆく。
 腐ってゆく。
 黒い膿が空気を埋め尽くし、地面はぬめぬめとした沼地に変わる。
 佇むラマッタクペの逃げ道を塞ぐように、暁美ほむらの形をしたどす黒い魔力の雨が滝のごとく降り注ぐ。

 暁美ほむらの独立分隊による急襲は、ラマッタクペにも躱しようがないように思えた。


    ~~~~~~~~~~


「アイヌの方3名、皆さん『プンキネ・イレ(己の名を守る)』までは至っているようで、素晴らしいですね!」

 しかし、ラマッタクペはその状況に、むしろゾッとするほど笑みを深めた。

「ですがまだ、その力はボクには届きません♪」
「かっ――!?」
「にゃぁ――!?」

 高速で飛行していた巴マミと星空凛は、突然その体に得体の知れない引力を感じ、腹から地面に落下した。
 暁美ほむらの結界により地面の時空間が軟化していなければ、骨折や死亡は免れない衝撃だった。

「凛!? マミさん!? くっ――!」

 両者に遅れて、軟化した地面を滑るように駆け寄っていた暁美ほむら自身も、ラマッタクペに捕捉されてその身を地に転ばせることになる。


「自重で地面に押さえつける攻撃……!? なら、体が軽ければどうかしら!」


 その攻撃に、僅かでも付け入る隙を見つけられたのは、巴マミだけだった。
 彼女の体は、一瞬にしてリボンの束に変化して爆ぜ散る。
 舞い上がった黄色いリボンが、ラマッタクペの体を囲むようにして渦巻く。

「『レガーレ・メ・ステッソ(自浄自縛)』!!」
「惜しいですね! 『ピルマ・イレ(己の名を告げる)』まで、あともう一工夫あれば良かったんですが!」

 再構成されゆくリボンの隙間から閃く断ち斬りバサミの攻撃にもしかし、ラマッタクペは怯まなかった。
 巴マミの斬撃は、ラマッタクペの頭上スレスレを空ぶる。

「えっ、えっ!? 何!? 浮いてる!?」
「『エヤイリキクル・コスネプニ(からだが空中に浮かび上がる)』。名前を告げる方法がわかるまで、頭を冷やしてきますか?」

 一転して、彼女の体は上方への力で引っ張り上げられていた。
 もがいても、なす術もなく天空へ吹き上げられた彼女は、雲間から落下する暁美ほむらの膿と正面衝突し、今度は真っ逆さまに地面に落下して無惨な菊花のように潰れた。


「きゃ――グピャ」
「アハハハハ、誤射していては世話無いですよ。ダメダメですねぇ」
「ジブリールを離せッ!」
「勿論あなたも。キムンカムイなのですからもう少し頑張りましょうね?」


 その最中、地面の泥に紛れて隠密したまま近づいていた暁美分隊最後の新入隊員であるゴーレム提督が、巴マミから借受けてその体内に隠し持っていた大刀――ヒグマサムネを突き出す。
 しかし前兆を感じさせぬその奇襲も、魂の位置を捕捉するラマッタクペにはとうの昔に予見されていた。
 たちまち彼女の泥の体は、不可視の鉄槌を振り降ろされたかのように弾け飛んで潰れ、ただの泥濘に等しいほどに広げられてしまった。


    ~~~~~~~~~~


『マミさん……無闇に動かないで。杏子が防衛してくれている間に力を溜めて、この魔力に抵抗できる隙を見つける』
「……暁美……、さん……」

 巴マミの耳から潰れた脳味噌に、暁美ほむらの黒い魔力が、そんな音を立てながら流れ込んでいた。
 遠方で倒れ伏しているほむらは、跳ね飛ばされかけた巴マミを引き戻すために、あえて誤射に見せかけて、時間効果を持たない魔力の砲弾を彼女にぶつけていた。

 未だ、暁美ほむらの結界は張られ続けている。
 地面は軟化し、上空からは絶え間なく巨大な膿が、ラマッタクペと制裁ヒグマを狙って雨のように落下してきている。
 ラマッタクペの魔力は、個人個人の肉体には絶大な影響力をもたらすようだが、このような時空間全体への影響にはさすがに干渉できないようだった。
 この効果により、地面に張りつけられている人々の呼吸は多少楽になり、制裁ヒグマに対抗する佐倉杏子の妨害行動も幾分補助されている。

 その程度の効果でも、この膠着状態に一石が投じられるには、十分だった。


『名前、名前、名前と! お前は前々から何を言っているんだ! 制裁も制裁だ! お前たちは一体何語をしゃべっているんだ!』


 今まで重圧と地面に挟まれていたために声も発せなかったそのオス――、デデンネと仲良くなったヒグマが、その身をわずかに起こしてラマッタクペたちへと唸りをぶつけていた。


『俺なんか自分の名前もわからない! だがこの状況が間違っていることだけはわかるぞ!?
 お前は神を名乗るが、同胞の大切なものを壊す者の何が神か! お前はただの獣だ! ど畜生だ!!』
「わかっているじゃないですか。あなたこそ、何語をしゃべっているんですか?」
「黙れ! ふざけんな宗教クソヒグマ! テメェなんかマミさんやほむらがすぐに――ブギョ」

 デデンネと仲良くなったヒグマの叫びに佐倉杏子が、制裁ヒグマに潰されるわずかな隙に罵倒を重ねた。
 罵られてなお、ラマッタクペは自分を睨みつけてくるヒグマを嬉しそうに眺めるだけだ。
 その間にも、何度も立ちはだかってくる佐倉杏子を潰し飽きた制裁ヒグマは、身を起こしかけているデデンネと仲良くなったヒグマに標的を変えていた。

『俺に力を貸してくれフェルナンデス! いや、誰でもいい! このクソ野郎の首を叩き折るだけの力を、俺に貸してくれぇぇぇぇ!!』
「あかはい!」
『グアアアアァァァァ!?』


 ほんの少しずつ、その前脚をついて身を起こし、ラマッタクペに殴りかかる構えを取ろうとしていた彼を、無情にも制裁ヒグマの上半身が丸ノコのようなその刃で切り裂く。
 そして彼は半身を深く抉られながら、潰れた巴マミの前にまで吹き飛ばされていた。


「スペイン語……」
『な、に……?』


 ぽつりと呟いたマミと、彼の視線が重なった。


「……フェルナンデスというのは、スペイン語圏の名前よ」


    ~~~~~~~~~~


「デデンネェ!!」
「ああ! やめて下さい! あの方は私たちを見出して下さった、父親のような方ですのよ!」
「許さねぇ! 許さねぇぞ、テメェらぁ――!!」
「アハハハハ、どう許さないで下さるのでしょうか! ぜひお見せしていただきたいですね!」
「あかはい! ろおかひ! おるおるぅ! はあっはあ! あほんるい!」


 デデンネと仲良くなったヒグマが吹き飛ばされるや、あたりにはデデンネと円亜久里の悲痛な叫びが響いた。
 それにも構わず、ラマッタクペは哄笑し、制裁ヒグマは立ちはだかる佐倉杏子をまたもミンチにする。
 その空間の中でひっそりと、巴マミは、目の前に倒れるヒグマへと言葉を紡ぐ。


「……フェルナンデスというのは、スペイン語で、『フェルナンドの息子』を意味しているわ」


 デデンネと仲良くなったヒグマの思いは、佐倉杏子の魔力で翻訳されていた。
 そして彼女ともテレパシーで繋がり合えている巴マミと暁美ほむらもまた、彼の思いを理解していた。

 家族など知らなかったヒグマが、この島で一匹の小動物と出会い、心が開けたように感じたこと。
 様々な葛藤と紆余曲折の後に、小動物と死者と魔法少女と、あたかも家族のような信頼関係を築いてきたこと。
 そんな出会いを拾って来た彼は今まで、唯一自分の名前がわからないことに悩み苦しんで来た。
 その苦悩が、心に流れ込んでくる。

 その悩みへの糸口を、ただ一人、巴マミだけは掴んでいた。
 それはイタリア語を始めとする、各国の言語への深い造詣を持つ彼女にしかわからなかっただろう言葉だった。
 落下の衝撃で半身を潰されたまま、巴マミはしっかりとした口調で、名も知れぬそのヒグマに語り掛けていた。


「その子にフェルナンデスという名前をつけたのなら……、あなたは無意識に、自分の名前をも、イメージしていたんじゃないのかしら」


 聞きながら、彼は自分の心臓がどくどくとその拍動を強めているのを感じた。
 体温が上がっていくのがわかった。
 筋肉が張り詰めていくのがわかった。
 自分の眼に映る世界が、輝きを増して行くように感じた。

 ――きっとそれは、あんた自身が無意識に思ってる何かと、関係あるんじゃねぇの?
 ――そう……、なのだろうか。
 ――ああ、『マミさん』なら、きっとあんたの名前がわかるよ。

 この導き手との『出会い』を、彼は待ち続けていた。
 そして彼の幸運と実力と運命は――、彼に祝福を贈った。


「――あなたの名前は、『フェルナンド』。その名前の意味は、『偉大なる保護者』、『勇敢な旅人』よ」


 魂が、燃え立つ感覚があった。


    ~~~~~~~~~~


「ぐああ――!」
「あかはい! ろおかひ! おるおるぅ! はあっはあ! あほんるい!」

 何十人目かわからぬ佐倉杏子の魔力の肉体を挽き潰した制裁ヒグマは、降り注ぐ暁美ほむらの魔力を躱して、いよいよ倒れる者たちを蹂躙しようとしていた。
 そこへ、佐倉杏子ではない浅黒い巨体が、いつの間にか歩み寄っていた。
 制裁ヒグマはその者にも、ただ奇声を上げながら、上半身の牙をノコのように回し、下半身から数多の注射器を飛び出させて襲い掛かる。


『邪魔だ』


 しかし、彼の体に突き刺さると見えた牙や注射器は、振り抜かれた彼の腕に、一瞬にして叩き折られていた。
 そして続けざまに、制裁ヒグマの上下半身には強烈な爪の一撃が叩き込まれる。


「あひいいいいいいい――! あほんるいあほんるいあほんるいあほんるい――」


 制裁ヒグマは、今までに発したことのない、悲痛なほどの高い声を上げてよじれた。
 牙の折られた上半分と、動体に風穴を開けられた下半分の肉体が、よたよたと乱れた動きで逃げてゆく。
 重傷を自己修復しながら撤退してゆくそれを、彼はもはや関知していなかった。


【E-7・鷲巣巌に踏みつけられた草原/夜】


【制裁ヒグマ〈改〉】
状態:口元から冠状断で真っ二つ、半機械化、損傷(小)
装備:オートヒグマータの技術
道具:森から切り出して来た丸太
基本思考:キャラの嫌がる場所を狙って殺す。
0:背後だけでなく上から狙うし下から狙うし横から狙うし意表も突くし。
1:弱っているアホから優先的に殺害し、島中を攪乱する。
2:アホなことしてるキャラはちょくちょく、でかした!とばかりに嬲り殺す。
※首輪@現地調達系アイテムを活用してくるようですよ
※気が向いたら積極的に墓石を準備して埋め殺すようですよ
※世の理に反したことしてるキャラは対象になる確率がグッと上がるのかもしれない。
 でも中には運良く生き延びるキャラも居るのかもしれませんし
 先を越されるかもしれないですね。


    ~~~~~~~~~~


 彼――、それは、ただ一頭のヒグマだった。

 デデンネと仲良くなったヒグマ。
 または、穴持たず34だったような気がするヒグマカッコカリ。
 または、ヤイェシル・トゥライヌプ(自分自身を見失う者)――。
 外在的な名称でしか規定されていなかった、『何者でもなかった彼』は、もはやそこにはいなかった。

 そのヒグマの姿に、ラマッタクペは魂を奪われたかのように、呆然とした表情で呟いた。


「素晴らしい……、なんというラマト(魂)の輝きでしょう。アハハ、ボクの予想以上です。
 『カヌプ・イレ(己の名を知る)』から一足飛びに至ってしまいますか、そうですか……!」


 デデンネと仲良くなったヒグマ――、いや、フェルナンドから発散する気迫は、草原一帯の空気を帯電させるかのようだった。
 緊張、恐怖、威圧感……。そんな種々の感情がビリビリと肌に信号を刻み、悠然と歩む一頭のヒグマの存在を、否応にも周囲の人々の認識に焼き付けた。
 そしてそれは、ラマッタクペと言えども例外ではなかった。
 恍惚としていた彼の感情は、フェルナンドの射るような眼差しに視線を重ねてしまった瞬間、氷水を浴びせられたかのように冷え竦んだ。
 努めて笑おうとする彼の口は、震えていた。

 誰もが地に伏しているこの空間で、フェルナンドだけは泰然と、抉られた脇腹の傷から大量の血液を零しながらも、地を揺るがすほどにしっかりとした足取りで、ラマッタクペとの距離を詰めている。
 ラマッタクペの能力は、フェルナンドに、全く効いていなかった。


「退散させてもらいますね、アハハハ……」
「――逃がさないわ!」


 暁美ほむらの皮膚全体に刻まれた、モレウ紋のような令呪が波打つ。
 遥か遠方から、悪魔のような黒い翼が展開されるのが、ラマッタクペにも見えた。
 非常に低い姿勢で、暁美ほむらがその肘を構え、あたかも列車砲のように一直線にラマッタクペへと滑り込む。
 その脚には、さらに巴マミのリボンがくくりつけられていた。


「暁美さんッ!」
「肉弾滑腔砲――!!」
「――ッ!?」


 時間超頻(クロックアップ)と『侵食する黒き翼』によるブースターに加え、収縮するリボンの勢いで暁美ほむらの肉体はパチンコのように射出される。
 今や彼女は弾丸だ。
 ただ一つの、ラマッタクペを狙い撃つための砲弾だった。

 しかし、その肘鉄が彼を穿とうとした瞬間、暁美ほむらはその体に、二方向から強烈な引力を感じていた。
 上半身は、天上に引っ張られるように。
 下半身は、地下に吸い込まれるように。
 抗いようもない強烈な力が、彼女の身体を捩じ切った。


「『ウエコホピケゥ(離れ離れになる体)』……」


 ラマッタクペに接触する寸前で、ほむらの肉体は弾け飛んだ。
 それは彼が緊急防御に用いている、彼の霊力(ヌプル)を用いた、ほとんど唯一と言っても良い直接攻撃だった。

 一瞬でも反応が遅ければ、ラマッタクペは暁美ほむらの魔力を受けてその身の時間流を超加速され、腐り落ちていただろう。
 危うかったものの窮地を脱したことで、ラマッタクペはわずかに安堵した。
 その彼の視界を、千切れた暁美ほむらの生首が、嘲笑を浮かべながら落下した。


「……私の体に、干渉したわね。……あなたの、負けよ」
「な、グハッ……!?」


 その瞬間、ラマッタクペの全身には激痛が襲い掛かった。

 ――『魔術師殺し』衛宮切嗣の犬歯。
 暁美ほむらは、令呪で展開したどす黒い魔力を身に纏った内側に、その歯を仕込んでいた。
 彼女の肉体はそれ自体が、干渉した者の魔術回路を切り結ぶ、一つの『起源弾』と化していたのだった。

 魔術的に精製されていないその即席の弾の効果は、僅かだった。
 だがそれでも、予想し得なかった苦痛に身を捩り吐血したラマッタクペには、致命的な隙ができていた。


『俺の家族を襲った罪だけは、償ってもらう』
「――!」


 フェルナンドの威容が、彼の目の前にあった。
 それを理解した瞬間、ラマッタクペの胸部には、フェルナンドの爪が突き刺さっていた。
 ずるりと音を立てて、そこからは拍動する心臓がくり抜かれていた。

 フェルナンドの爪に、ラマッタクペの心臓が握り潰される。
 ラマッタクペはその光景に、呆然と笑った。


「アハ、アハハハハ……。そう、そうです。それでこそ、キムンカムイです……。
 あなたこそが、『ピルマ・イレ(己の名を告げる)』の境地に至ったカムイです……」


 地面にほとばしる鮮血を眺めながら、ラマッタクペは未だ、乾いた笑いを零していた。
 仁王立ちするフェルナンドを見上げ、彼の口調は再び恍惚とした感情を帯びていた。


「ハハ……、このハヨクペ(冑)もついに終わりですか。しばらくメルちゃんやケレプノエを揶揄えなくなるのが、心残りですね……」

 そして彼はよろよろと後ずさりしたかと思うと、そのまま音もなく、ゆっくりと上空に浮き上がってゆく。
 彼はそのまま、重圧から解放され立ち上がり始める眼下の人間たちに、厳かな口調で語り掛けていた。


「良いことを教えてあげましょう……。あと6時間……、日付が変わる時に、この島に向けてルカニ・アペが……、溶ける黒金の炎が発射されます……。
 この島の……、いえ、世界の全てを亡き者にすべく、あなた方を誘拐した全ての黒幕が、ついにハヨクペ(冑)を得て、行動を開始したのです……」
「あのスポンサーが……!? まさか、島に核兵器を打ち込むつもりだというの!?」


 胸の穴から血を流しながら天に昇ってゆくそのヒグマを、人々は呆然と見上げていた。


「あなた方が『ピルマ・イレ(己の名を告げる)』に至るならば、きっとそれを止められるでしょう……。
 いえ、そうあって下さい。我々カムイの名を絶やさないよう、それを止めるだけの霊力(ヌプル)を身につけて下さい……。
 そして我々の名を、世界に知らしめてください。我々の存在を、世界中に告げてください……!
 世界に我々を、認めてもらってください……」


 そのヒグマの声は、今までにないほど切実だった。
 布束砥信の問い掛けに答えるわけでもなく語り続ける彼の声は、嬉しさと悲しさと誇らしさと、悔しさが滲んでいるようだった。
 そして彼は最後に、実に気持ちが良さそうに笑顔を作った。


「ボクは一足先に、カントモシリ(天上界)から、見守らせていただきますよ……」


 突然、そのヒグマの上昇は止まる。
 完全に脱力したその肉体は、そこから命と魂と能力が、悉く失われたことを示していた。
 今までゆっくりと昇っていた高さから、彼はたちまち自由落下した。
 地面に叩き付けられ、ラマッタクペの肉体は潰れたトマトのように飛び散っていた。


    ~~~~~~~~~~


 ラマッタクペが潰れた後、その有様を確認したかのようなタイミングで、立ち尽くしていたフェルナンドはゆっくりと地面に倒れていた。
 それをきっかけにして、人々は我を取り戻したかのように声を上げる。

「ああ! そのヒグマ大丈夫か!? 畜生、俺も龍田さんもほとんど何もできなかった!」
「助かったわ~……、私たちだけじゃ、余りにも力不足だった……」
「ジ、ジブリール、ビショップさん! 何か救急道具ないの!? 他の怪我人は!?」
「レムちゃあぁぁぁぁん、怖かったよぉぉぉぉ――!!」
「ゴーレムさん、良かっタ……! ヤイコさんもダイブ重体かと……!」
「こ、このあとどうすんべ……! ひまわりちゃんもれいちゃんも……!」
「暁美ほむら、巴マミ、星空凛、とりあえず感謝するわ! 話はあとで!」
「ええ、核兵器だとかとんでもない話が聞こえたけど……」
「まずは――!」
「あのヒグマさんだにゃ!」

 慌てふためく人々を掻き分けて、フェルナンドの元に真っ先に駆け寄っていたのは、デデンネ、円亜久里とアイちゃん、そして佐倉杏子だった。

「デネェ――!」
「きゅぴぃ~!!」
「ああ……! お願いします、どうかご無事で……!!」
「おい! お前! しっかりしろ、死ぬんじゃねぇ!!」
『はは……、良かった……。俺はどうやら、「家族」を、守れたようだな……。「保護者」として……』


 駆け寄ってくる『家族』の姿に、彼はこれ以上ないほどに嬉しそうな、安心しきった笑顔で呟いた。
 制裁ヒグマに抉られた彼の傷からはもうほとんど血も出ない程で、とっくに出血が致死量を超えていることは明らかだった。
 むしろ彼が今まで動けていたことの方が、不思議なくらいだった。

 デデンネが彼の鼻を、ぺろぺろと舐めていた。
 彼はそれに、くすぐったそうに目を細めた。
 そして震えながら、その前脚をデデンネに差し出そうとした。
 それは彼に残った全身全霊を、振り絞った一動作だった。

 デデンネはそれを、拒まなかった。
 もう、彼を恐れる気持ちなどなかった。
 彼は。――フェルナンドは。全力で、優しく、息子の毛並みを撫でていた。

『俺の名前は、フェルナンド……。フェルナンドだ……。お前と、仲良くなった、ヒグマだ……』
「デネ、デネデネンデ!! デデンネェ――!!」

 デデンネは、今までただその時その時の感情と本能で生きてきただけだった。
 だから彼には、自分の生みの親の記憶などなかった。
 たった一日の間だけでも、この凄まじい戦いを共に生き抜き、守ってくれた保護者――フェルナンドこそが、彼の記憶する唯一の父だった。
 自分を守り、撫でてくれたこのヒグマが死んだのだということを、デデンネは否応も無く理解していた。
 自分の半分がごっそりと失われたかのような凄まじい喪失感が、デデンネを苛んで止まなかった。


「デェネェェェーー――、デデンネェェェーー――」


 彼は泣いた。感情のままに、その小さな体が震えるほどに泣いた。
 顔が崩れるほどの勢いで、臆面も何もなく泣き叫んだ。
 その姿に、円亜久里も、アイちゃんも、声を押し殺して泣いていた。
 しかしその中でただ一人、佐倉杏子だけは、動かなくなったフェルナンドの遺骸の前に片膝をついて、瞠目して項垂れていた。


「燃え尽きちまってる……。魂が……。こいつは自分の魂を、そのままエネルギーに変えて、動いてたんだ……」
「佐倉さん……」


 彼女は、後ろから巴マミが心配そうに声をかけるまで、呆然とし続けていた。
 魂を媒介として魔法を使う魔法少女とは違う。フェルナンドは、自分の名を理解したその時から、自分の魂を直接燃やし、莫大なエネルギーを発散させていた。
 それはラマッタクペの能力を完全に拒絶し心臓を一撃でくり抜くほどの力を持つための、ほとんど唯一といっても良い方法だったのかも知れない。
 しかしその代償は、魂の完全な消滅だった。
 円環の理も拾うことはできず、残留思念の再構築も叶わない、絶対的な死と、虚無。

 円亜久里の肉体も再構成した自分の力ならば、なんとかなるだろう――。
 そんな楽観的な考えが否定された時、杏子の心には、この北海道の海風よりも冷たい風が吹き荒ぶようだった。


「……杏子。これしか、なかったんだわ。今は、感謝しか、するべきでないと、思うわ……」
「ハハ……、人生で2回も親父を亡くすことになるとは……、思わなかったよ」


 肉体を再構成した暁美ほむらに肩を叩かれて、彼女はようやくのろのろと立ち上がった。
 見開いたままの眼に、うっすらと涙が浮かぶ。
 しかしその水分は、彼女の髪や衣服から溢れ出る炎に、たちまち蒸発していった。


「それもこれも全部……」
「私たちが弱かったから」
「そうね……」


 佐倉杏子、暁美ほむら、巴マミという、この島で大きく成長したはずの魔法少女三人は、己の不甲斐なさに震えるばかりだった。

 草原に血痕となっているラマッタクペというヒグマには、同情も同感もできはしない。
 彼の行なってきた行為は、この場の大多数の面々にとって明らかに許されざることだった。
 しかし、彼が目的としてきたことの一端だけは、ようやく彼女たちにも、理解できた。

 幸運を拾い成長するか、死か。そんな分岐を、素知らぬフリと笑顔で突き付け続けてきた、このヒグマの行動。

 その必要性を今や、彼女たちは認めざるを得なかった。
 彼の設けてきた数々の試練を乗り越えられる程の力を身につけなければ、この島から生きて脱出することは、不可能なのだった。


「核兵器なんて使わせないわ。必ず脱出させてみせる」
「仇は討つ。この島で死んでいった全ての奴らの仇を、アタシは必ず討ってやる……!!」
「もう……、殺す以外の解決策を、絶対に見つけ出さなきゃ……!」


 記憶から来た軍神が、復讐の女神が、正義を信じる者が、各々の思いに猛った。


【ラマッタクペ@二期ヒグマ 死亡】
【フェルナンド(デデンネと仲良くなったヒグマ)@穴持たず 死亡】


【E-7・鷲巣巌に踏みつけられた草原/夜】


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
状態:記憶から来た軍神
装備:球磨の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険・艦隊これくしょん、自分の眼鏡、ダークオーブ@魔法少女まどか☆マギカ、令呪(無数)
道具:球磨のデイパック(14cm単装砲(弾薬残り極少)、61cm四連装酸素魚雷(弾薬なし)、13号対空電探、双眼鏡、基本支給品、ほむらのゴルフクラブ@魔法少女まどか☆マギカ、超高輝度ウルトラサイリウム×27本、なんず省電力トランシーバー(アイセットマイク付)、衛宮切嗣の犬歯、89式5.56mm小銃(0/0、バイポッド付き)、MkII手榴弾×6、切嗣の手帳、89式5.56mm小銃の弾倉(22/30)、球磨の遺体、碇シンジの遺体、ナイトヒグマの遺体、ジャン・キルシュタインの遺体
基本思考:まどかを、そして愛した者たちを守る自分でありたい
0:核兵器などが来る前に、必ず脱出させる……!
1:ありがとう、巴マミ、星空凛。そして、私を押してくれた全ての者たち……。
2:まどか、ありがとう……。今度こそ私は、あなたを守るわ。
3:他者を救い、指揮して、速やかに会場からの脱出を図る。
4:ゆくゆくは『円環の理』の力を食らった代行者として、全ての者が助け合い絶望せずに済むシステムを構築する。
[備考]
※ほぼ、時間遡行を行なった直後の日時からの参戦です。
※島内に充満する地脈の魔力を、衛宮切嗣の情報から吸収することに成功しました。
※『時間超頻(クロックアップ)』・『時間降頻(クロックダウン)』@魔法少女まどか☆マギカポータブルを習得しました。
※『時間超頻・周期発動(クロックアップ・サイクルエンジン)』で、自分の肉体を再生させる魔法を習得しました。
※円環の理の因果と魔力を根こそぎ喰らいましたが、現在使っている円環の理由来の魔法・魔力は、まだまだほんの一端です。
※贖罪の念から魔法少女としての衣装が喪服/軍服に変わってしまったため、武器や魔法の性質が大きく変わっています。
※固有武器は、『偽街の子供たちの持つ巨大な編み針』です。
※固有魔法は、『自分の愛(時間・世界線)を自在に濃縮・希釈し、紡ぎ、編むこと』です。
※魔女・魔法少女としての結界を、翼のように外部に展開することができます。


【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
状態:ずぶ濡れ
装備:ソウルジェム(魔力Full)、省電力トランシーバーの片割れ、令呪(残りなし)
道具:基本支給品(食料半分消費)、流子の片太刀バサミ@キルラキル、流子のデイパック(基本支給品)、人吉球磨茶白折入りの魔法瓶
基本思考:正義を、信じる
0:もう、誰かが死んで悲しむ姿なんて、見たくない!
1:殺し、殺される以外の解決策を。
2:誰かと繋がっていたい。
3:みんな、私のためにありがとう。今度は、私が助ける番。
4:暁美さんにも、寄り添わせてもらいたい。
5:凛さん、あなたは見習いたいくらいすごい人だわ。
6:デビル、纏さん、球磨さん、碇くん……、あなたたちにもらった正義を、私は進みます。
※支給品の【キュウべえ@魔法少女まどか☆マギカ】はヒグマンに食われました。
※魔法少女の真実を知りました。
※『フィラーレ・アグッツォ(鋭利な糸)』(魔法少女まどか☆マギカ~The different story~)の使用を解禁しました。
※『レガーレ・メ・ステッソ(自浄自縛)』(劇場版 魔法少女まどか☆マギカ~叛逆の物語~で使用していた技法のさらに強化版)を習得しました。
※魔女化は元に戻せるのだという確信を得ました。


【星空凛@ラブライブ!】
状態:胸部に電撃傷(治療済み)
装備:訓練兵団の制服、ほむらの立体機動装置(替え刃:3/4,3/4)、包帯
道具:基本支給品、メーヴェ@風の谷のナウシカ、手ぶら拡声器、輸液ルート、点滴、ジャンのデイパック(基本支給品、超高輝度ウルトラサイリウム×15本、永沢君男の首輪、ブラスターガン@スターウォーズ(79/100))
基本思考:この試練から、『アイドル』として高く飛び立つ
0:ほむほむ、信じてた……。待ってた……!
1:この島に残る人たちを救うために、もう、止まらない。
2:ジャンさんたちを忘れないために、忘れさせないために、この世界に、凛たちの存在を刻む。
3:クマっちが言ってくれた伝令だけじゃない。凛はアイドルとして、この試練に真っ向から立ち向かう。
[備考]
※首輪は取り外されました。


穴持たず506・ゴーレム提督@ヒグマ帝国】
状態:疲労、『第十かんこ連隊』隊員(潜水勢)、元医療班
装備:ナイトヒグマの鎧、ヒグマサムネ
道具:泥状の肉体
[思考・状況]
基本思考:艦これ勢に潜伏しつつ、知り合いだけは逃がす。
0:興味深い人間たちの力の先を見極める。
1:医療班も崩壊、か……。せめてあとシーナーさんには会いたい。
2:邪魔なヒグマや人間や艦娘は、内側から喰って皮だけにする。
3:暫くの間はモノクマや艦これ勢に同調したフリと潜伏を続ける。
4:とにかく生存者を早く助けなきゃ!
※泥状の不定形の肉体を持っており、これにより方々の物に体を伸ばして操作したり、皮の中に入って別人のように振る舞ったりすることができます。
※ヒグマ帝国の紡績業や服飾関係の充実は、だいたい彼女のおかげです。


【穴持たず81(ヤイコ)】
状態:胸部を爪で引き裂かれている、失血(中)、疲労(大)、海水が乾いている
装備:『電撃使い(エレクトロマスター)』レベル3
道具:ヒグマゴロク
[思考・状況]
基本思考:ヒグマ帝国と同胞の安寧のため電子機器を管理し、危険分子がいれば排除する。
0:布束特任部長、田所料理長……、あなた方に、お渡しするものが……。
1:モノクマは示現エンジン以外にも電源を確保しているとしか思えません。
2:布束特任部長の意思は誤りではありません。と、ヤイコは判断します。
3:ヤイコにもまだ仕事があるのならば、きっとヤイコの存在にはまだ価値があるのですね。
4:無線LAN、もう意味がないですね。
5:シーナーさんは一体どこまで対策を打っていらっしゃるのでしょうか。


【龍田・改@艦隊これくしょん】
状態:左腕切断(焼灼止血済)、サーヴァント化、ワンピースを脱いでいる(ブラウスとキャミソールの姿)、体液損耗防止魔術付与
装備:『夜半尓也君我、獨越良牟』、『水能秋乎婆、誰加知萬思』、『勤此花乎、風尓莫落』
道具:薙刀型固有兵装
[思考・状況]
基本思考:天龍ちゃんの安全を確保できる最善手を探す。
0:まだまだ、この島には強力な敵が居るのね……。
1:ごめんなさい、ひまわりちゃん……。
2:この帝国はなんでしっかりしてない面子が幅をきかせてたわけ!?
3:ヒグマ提督に会ったら、更生させてあげる必要があるかしら~。
4:近距離で戦闘するなら火器はむしろ邪魔よね~。ただでさえ私は拡張性低いんだし~。
[備考]
※ヒグマ提督が建造した艦むすです。
※あら~。生産資材にヒグマを使ってるから、私ま~た強くなっちゃったみたい。
※主砲や魚雷はクッキーババアの工場に置いて来ています。
※間桐雁夜をマスターとしてランサーの擬似サーヴァントとなりました。


【穴持たず203(ビショップヒグマ)】
状態:魔力不足
装備:なし
道具:なし
基本思考:“キング”の意志に従う??????????
0:キング、さん……。シバさん……! もう、どうスレばいいんですか……!
1:スミマセンベージュさん……。アナタを救えなかった……!!
2:……どうか耐えていて下サイ、夏の虫たち!!
3:球磨さんとか、龍田さんとか見る限り、艦娘が悪い訳ではナイんでスよね……。
4:ルーク、ポーン……。アナタ方の分まで、ピースガーディアンの名誉は挽回しまス。
5:私の素顔とか……、そんな晒す意味アリマセンから……。
[備考]
※キングヒグマ親衛隊「ピースガーディアン」の一体です。
※空気中や地下の水と繋がって、半径20mに限り、操ったり取り込んで再生することができます。
※メスです。
※『ヒグマを人間に変える研究』の自然成功例でもあるようです。


【穴持たず104(ジブリール)】
状態:健康
装備:ナース服
道具:なし
[思考・状況]
基本思考:シーナーさん、どうか無事で……。
0:レムちゃんレムちゃんレムちゃあぁぁぁぁん!!
1:皆さんの手当てを!
2:ベージュさん、ベージュさぁん……!!
3:応急手当の仕方も勉強しないとぉ……!!
4:夢の闇の奥に、あったかいなにかが、隠れてる?
5:ビショップさんが見たのって、私と、同じもの……?
[備考]
※ちょっとおっちょこちょいです


【布束砥信@とある科学の超電磁砲】
状態:健康、ずぶ濡れ(上はブラウスと白衣のみ)
装備:HIGUMA特異的吸収性麻酔針(残り27本)、工具入りの肩掛け鞄、買い物用のお金
道具:HIGUMA特異的致死因子(残り1㍉㍑)、『寿命中断(クリティカル)のハッタリ』、白衣、Dr.ウルシェードのガブリボルバー、プレズオンの獣電池、バリキドリンクの空き瓶、制服
[思考・状況]
基本思考:ヒグマの培養槽を発見・破壊し、ヒグマにも人間にも平穏をもたらす。
0:情報が錯綜しているわ! 早く整理しましょう!
1:HHHの呉キリカ達とも合流しないと!
2:キリカとのぞみは、やったのね。今後とも成功・無事を祈る。
3:『スポンサー』は、あのクマのロボットか……。
4:やってきた参加者達と接触を試みる。あの屋台にいた者たちは?
5:帝国内での優位性を保つため、あくまで自分が超能力者であるとの演出を怠らぬようにする。
6:帝国の『実効支配者』たちに自分の目論見が露呈しないよう、細心の注意を払いたい。
7:駄目だ……。艦これ勢は一周回った危険な馬鹿が大半だった……。
8:ミズクマが完全に海上を支配した以上、外部からの介入は今後期待できないわね……。
9:救えなくてごめんなさい、四宮ひまわり……。
[備考]
※麻酔針と致死因子は、HIGUMAに経皮・経静脈的に吸収され、それぞれ昏睡状態・致死に陥れる。
※麻酔針のED50とLD50は一般的なヒグマ1体につきそれぞれ0.3本、および3本。
※致死因子は細胞表面の受容体に結合するサイトカインであり、連鎖的に細胞から致死因子を分泌させ、個体全体をアポトーシスさせる。


【田所恵@食戟のソーマ】
状態:疲労(小)、ずぶ濡れ
装備:ヒグマの爪牙包丁
道具:割烹着
[思考・状況]
基本思考:料理人としてヒグマも人間も癒す。
0:ひまわりちゃん、れいちゃん……!
1:もどかしい、もどかしいべさ……。
2:研究所勤務時代から、ヒグマたちへのご飯は私にお任せです!
3:布束さんに、落ち着いたらもう一度きちんと謝って、話をします。
4:立ち上げたばかりの屋台を、グリズリーマザーさんと灰色熊さんと一緒に、盛り立てていこう。
5:男はみんな狼かぁ……、気を付けないと。


【間桐雁夜】
[状態]:刻印虫死滅、魔力充溢、バリキとか色々な意味で興奮、ずぶ濡れ
[装備]:令呪(残り3画)
[道具]:龍田のワンピース
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を桜ちゃんの元に持ち帰る
0:聖杯戦争どうなってるんだよおい……。
1:俺は、桜ちゃんも葵さんも、みんなを救いたいんだよ!!
2:俺のバーサーカーは最強だったんだ……ッ!!(集中線)
3:俺はまだ、桜のために生きられる!!
4:桜ちゃんやバーサーカー、助けてくれた人のためにも、聖杯を勝ち取る。
5:聖杯さえ取れれば、ひまわりちゃんだって助けられるんだ……!
[備考]
※参加者ではありません、主催陣営の一室に軟禁されていました。
※バーサーカーが消滅し、魔力の消費が止まっています。
※全身の刻印虫が死滅しました。
※龍田をランサーのサーヴァントとしてマスターの再契約をしました。


【デデンネ@ポケットモンスター】
状態:健康、ヒグマに恐怖を抱くくらいならいっそ家族という隠れ蓑で身を守る、首輪解除
装備:無し
道具:気合のタスキ、オボンのみ
基本思考:デデンネ!!
0:デデンネデデネデデンネ……!
1:デデンネェ……
2:デデッデデンネデデンネ!!
※なかまづくり、10まんボルト、ほっぺすりすり、などを覚えているようです。
※特性は“ものひろい”のようです。
※性格は“おくびょう”のようです。
※性別は♀のようです。


【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
状態:頭部破壊、石と意思の共鳴による究極のアルター結晶化魔法少女(『円環の袖』)
装備:ソウルジェム化エイジャの赤石(濁り:必要なし)
道具:アルターデイパック(大量の食料、調理器具)、江田島平八のデイパック
基本思考:元の場所へ帰る――主催者(のヒグマ?)をボコってから。
0:フェルナンド……、父さん……。
1:復讐を遂げるためにも、このヒグマたちのように、もっと違う心の持ち方があるはずだ。
2:カズマ、白井さん、劉さん、狛枝、れい……。あんたたちの血に、あたしは必ずや報いる。
3:神様、自分を殺してしまったあたしは、その殺戮の罪に、身を染めます。
4:たとい『死の陰の谷』を歩むとも、あたしは『災い』を恐れない。
5:これがあたしの進化の形だよ。父さん、カズマ……。
6:ほむら……、あんたに、神のご加護が、あらんことを。
7:マミがこの島にいるのか? いるなら騙されてるのか? 今どうしてる?
[備考]
※参戦時期は本編世界改変後以降。もしかしたら叛逆の可能性も……?
※幻惑魔法の使用を解禁しました。
※自らの魂とエイジャの赤石をアルター化して再々構成し、新たなソウルジェムとしました。
※自身とカズマと劉鳳と狛枝凪斗の肉体と『円環の袖』をアルター化して再々構成し、新たな肉体としました。
※骨格:一度アルター粒子まで分解した後、魔法少女衣装や武器を含む全身を再々構成可能。
※魔力:測定不能
※知能:年齢相応
※幻覚:あらゆる感覚器官への妨害を半減できる実力になった。
※筋肉:どんな傷も短時間で再々構成できる。つまり、短時間で魔法少女に変身可能。
※好物:甘いもの。(飲まず食わずでも1年は活動可能だが、切ない)
※睡眠:必要ないが、寂しい。
※SEX:必要なし。復讐に子孫や仲間は巻き込めない。罪業を背負うのはひとりで十分。
※アルター能力:幻覚の具現化。杏子の感じる/感じさせる幻覚は、全てアルター粒子でできた実体を持つことが可能となる。杏子の想像力と共感力が及ぶ限り、そのアルターの姿は千変万化である。融合装着・自律稼動・具現・アクセス型の全ての要素を持ち得る。


【円亜久里@ドキドキ!プリキュア】
状態:佐倉杏子のアルター製の肉体
装備:アイちゃん@ドキドキ!プリキュア
道具:自分のプシュケー
基本思考:相田マナを敵の手から奪還する
0:佐倉杏子へ協力し道を示す。
1:自分の持つ情報を協力者に渡しつつ生存者を救い出す。
[備考]
※佐倉杏子のアルター能力によって仮初の肉体を得ました。
※プシュケーは自分の物ですが、肉体は佐倉杏子の能力によって保持されているため、杏子の影響下から外れると消滅してしまいます。

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最終更新:2025年10月28日 11:20