科学は不確かだ!

全体要旨


Ⅰ 科学の不確かさ

「科学」は普通、以下の3つの要素が混ざったもの:
  • A 何かを突き止めた結果可能となる新しいこと、及びその実行
  • B 今まで突き止めたことを積み重ねた知識の集大成
  • C 物事を突き止めるための特殊な方法

Aについて

科学の顕著な特徴の一つは応用が効くということで、科学によって、何かを行える力を生み出すことができる。
この力の使用法によっては、結果は善悪のどちらにもなりえるが、この力自体には価値があるものと考える。
この力の使い方は科学の領分ではなく、もっと人道的な問題に属する。

Bについて

突き止められた真実こそ科学の果実であり、研究は真実を突き止めたときの興奮を味わうためにやるものだ。
科学という冒険を味わい、楽しめない限り、科学も、科学と他との関係も理解することはできない。
この高揚を伝えるのは難しいが、ある程度はできるかもしれない:
  • 地球、太陽、宇宙…重力の例
  • 生命のいない地球
  • 動物と植物が共通に持つ角ばった環
  • 細菌と人間が共通に持つタンパク質―人間と動物の近さ
  • 原子の壮大さ
  • 全ての世界が原子でできていること
  • 神経活動
  • 普通の物質はプラスとマイナスが同一の割合で纏まって出来上がっていること
自然の働きを理解しようというときには、人間の推理力が容赦なく試される。

Cについて

物事を突き止めるための方法としての科学は、「観察のみによって事実の真偽は決定される」という原則に基づいている。
このため、答えられる質問の種類は非常に限られてくるのであり、善悪については科学が踏み込む余地はない。
観察は念入りに確認し、何回も行う必要がある。また、観察にはいくつか特別な技術が必要になり、ある種の修練が必要となる。

科学のもう一つの特徴

科学におけるアイデアについて

科学の不確かさ

疑う自由の(科学以外の分野も含めた)重要性


Ⅱ 価値の不確かさ

教育、応用科学、平和等、人間が制御しなくてはいけない力は昔と比べて激増したが、その割りに成果はぱっとしない。
それは、これらの力の「使用法」が全く示されていないためである。
最終更新:2014年08月05日 00:51