プラハ ~ Prague ~ 1日目
8時起床。同室の人たちはまだ寝ている。シャワーを浴び、歯磨きをして、9時出発。旧広場を抜けカルロ橋へ。9時だというのに、街は閑散としているが、旅行者向けの店が多いので当然かもしれない。カルロ橋にも、大道芸人はまだいない。
プラハ城へ登っていく途中で朝食を食べる。どのレストランも入りづらいので、結局ファストフードにしてしまった。ハンバーガーとフレンチフフライだが、バーガーの間にシュニッツェルが入っていたのがよかった。薄い肉のフライなのだが結構美味しい。
プラハの町並みは美しく、視界に入る全てが新鮮だ。プラハは歴史が深く、様々の時代の建築様式が入り混じっている。黒や黄色の小さいレンガで作られている、最も年代の古そうな建物がロマネスク様式であり、旧広場にある旧市庁舎の時計等や、教会の双塔が該当する。それから、黒々としたレンガで造られており、尖塔に細かい突起がビッシリと付いており、また窓は円を組み合わせた幾何学的な建物がゴシック様式だ。壁面は平面的な要素が少なく、襞状になっている。空を仰ぐと、塔の先端の十字架が目立っており、他の部位と比べて強調されている。天へ向かって意識が行くように作られている。
ゴシック様式は陰鬱な印象だが、これに対してルネッサンス様式は楽しい。平面的な壁面に、長方形や、レンガ模様、また人物などが墨で装飾されている。ある種の騙し絵のようなものである。
そしてバロック様式では、直線や曲線を多用して大変華やかだ。
アールヌーボー様式では、建物の形状はバロックやルネッサンスの流用だが、デザイン的な草花が描かれ、朗らかに覆い茂っている。
このように、プラハ城へと登っていく間に、いくつもの建築が見られた。ずぶの素人で、判別が付かないものもたくさんあったが、どれがどの様式なのか判定しながら歩くのは楽しい。
道脇で初老の男がバイオリンを弾いていた。また、正装で四重奏をしているグループがいた。クラシックがあると、プラハの街がより美しくなると感じた。
プラハ城の正門前は大勢の人がごった返していた。兵隊の行進が行われていたからだ。正午のことである。青服の兵隊たちがきびきびと行進する様は、楽隊の軽快なトランペットと合わさって勇ましかった。
中庭を抜けるとゴシック様式の大教会が目前に聳えた。迫力があった。内部には大きなステインドグラスが10枚ほどあった。
城の奥へ奥へと進むと、いつの間にか裏口だったらしい。目下に広がるプラハの街を眺めながら、階段を下りると、カロル橋の一つ北の橋に出た。
火薬塔の近くのカフェで、カフェ・アメリカーノと、ブルーベリートルテを食べながら、手紙を書く。トルテはあっさりとした甘さで、ブルーベリー入りのクリームの中にドライのブルーベリーが入っていた。タルトになっていて、上にはしっとりとしたパン粉状の生地が降ってあった。手紙はそばの郵便局で送付した。郵便局はceska postaと言い、黄色が基調になっている。日本のように郵便マークも何もない。ただのオフィスのようで、郵便局の感じがしなかった。
それからMuchaミュージアムへ行った。Muschaの絵はイラスト的で、草花が装飾的で、いかにも大衆的だから、あまり興味はなかった。それでも時間があるので入ってみた。Muchaは、劇場の看板を多く手がけたことから、女優をモチーフにしたイラストが多かった。映画がないと成立しないことから、中身の無い絵だと思ったが、それでも女や花の美しさ、流れる曲線の優美さに見とれた。何より驚いたのは、Muchaのデッサンがいくつか展示されていたのだが、驚くほど美味かったこと。
その後は中央郵便局を覗いた。大きな直方体状の建物で、バロック様式。ロの字型の構造で、天井はガラス張りになっていて自然光が射している。内装はバロックだが、草花が装飾されており、これがアール・ヌーボーになっている。
夕食はLonelu PlanetにあったRestaurace u Sumavyで食べた。メインストリートから大分外れており、いかにも地元の客が来ていてよかった。ウェイターに、チェコの伝統的な料理が食べたいと伝えると、次の料理が出てきた:
- やわらかいパン(パンケーキ、または蒸しパンのよう)
- キャベツの酸味のある煮込みもの(赤色と白色がある。煮込みにワインを使うのだろうか?)
- 鶏肉のステーキ
- 厚いハム
- カリッと揚げてあり、両端がタコのようになっているソーセージ
- マッシュポテトを固めて団子状にしたもの
が大きな一枚のさらに乗っている。見た目が賑やかだ。それからチェコビールを注文した。シンプルながら飽きない味だ。後で調べたところ、蒸しパンはクネドリーキーというらしい。また、ポテト団子はポテトパンケーキと呼ばれるものではないだろうか。
道端でチェリーアイスクリームを買い、食べながらホステルへ帰る。旧広場の教会は、双塔はロマネスク様式だが、前面はロマネスクの胴にゴシックの屋根が付いている。旧広場は人で賑わっていた。
最終更新:2015年09月13日 21:56