ウィーン ~ Vienna ~ 3日目
7時半起床。今日はウィーン市外を見渡せる丘へ行く。片道1時間の道程なので早めの起床である。シャワーを浴び、荷造りをして、チェックアウト。8時過ぎに出発した。
まず郵便局に寄り、昨日書いたポストカードを送ってしまう。これに加えて、お土産として切手を買った。切手は安いし、何より荷物にならない。貰う方としても、珍しいし場所もとらないから、お土産としてこれほど便利なものはない。これは所さんに教えてもらった知恵だ。
今日は様々な乗り物に乗る。まずメトロでSchottentorへ行き、そこから路面電車38に乗り換える。そして、終点のGrizningからバスに乗り、Cobenzl Park Platzへ到着した。
バス停に降りる。ここは高台になっており、ウィーン市街がたしかに見えた。なかなかよい景色だと思った。一応これで心残りはなくなったが、時間があるので少し散歩することにした。
道路脇の歩道を歩いていくと、次第に道は車道から離れて行き、段々と薄暗い森の中へ入っていった。「迷ったらどうしよう」「飛行機に乗り損なったら大変だ」と思いつつも、足が森の奥へと引き寄せられる。薄暗い、しっとりとして落ち着いた森の中をもっと歩きたいという欲望が湧き起こってくる。
薄暗いと言っても、ランニングをしている人(よくこんな泥濘を走ろうと思うものだ)や、犬と散歩している人とたまにすれ違うので、怖さはない。木々も、静かで、無害な印象である。すなわち、日本のような、草木が縦横に生い茂り、虫や動物のテリトリーに侵入してしまったというような印象ではなく、静的なオブジェとして木々の中を歩いているような気持ちである。道が分からなくなっても死にはしないと思える。
次第に道は登り道となり、突然、パッと木々の間に明かりが見えた。森から抜けた。
そこは、バス停の裏の丘陵の上だった。さっきよりもウィーン市外がずっと広大に、一面に見渡せる。薄い靄の中に、午前の陽光でドナウや、シュテファン寺院の塔や、ビル等が、白く浮き出ていた。思わず息を呑む。感動が肌を伝わる。ウィーンを去ることを名残惜しく思った。
景色を眺めながら水を飲み、しばし佇み、出発。
再びバスとメトロを乗り継いで、Schweden Platzへ。職場へのお土産をスーパーで購入した。それからSさんに教えてもらったイエズス会の教会が近くにあるので見に行った。天井のドームは騙し絵で、ドームは本当はない。参拝者の方から見るとドームが有るように見えるが、神父の側から見ると、ドームの絵は潰れた団子のようだった。
それからカフェで、ウィーン名物のパラチンケンとメランジェをいただいた。合わせて10ユーロ。これで残金8ユーロほどである。
Wien Mittから電車(S7)に乗り空港へ。これが5ユーロ弱だった。空港で数独を買うと、ほとんど残金は残っていなかった。使い切った感じがある。
最終更新:2015年09月13日 15:21