合同変換

平面と空間の合同変換

合同変換…任意の2点間の長さを変えない変換

二次元の合同変換

平行移動、回転、鏡映、すべり鏡映、回転鏡映

三次元の合同変換

平行移動、回転、鏡映、すべり鏡映、回転鏡映、螺旋運動
変換の合成

二つの鏡映の合成

平行な平面の鏡映…平行移動
交差する平面の鏡映…回転

三つの鏡映の合成

平行な平面の鏡映…鏡映
すべり鏡映
回転鏡映

四つの鏡映の合成

螺旋運動

鏡映の個数 合同変換 不動点
1 鏡映 鏡映面
2 平行移動&()回転 なし
回転軸
3 すべり鏡映&()回転鏡映 なし
中心点
4 螺旋運動 なし
三次元空間の合同変換は上の4種類である。(→4個以下の鏡映の合成で表せる。)

合同変換と行列

直行行列 AA^t=I となる行列。A=()とおくと、|a|=|b|=|c|=1,a∟b等。a,b,cはonb
(e1,e2,e3)を標準的なonbとすると、Ae1=a,... →Aは(e1,e2,e3)を(a,b,c)に移す変換。
Aは内積を保つ。逆に、行列Aによって引き起こされる変換T_Aが内積を保つならば、A in O(3)
定理 A in O(3) → T_Aは合同変換
A in O(3)ならばdetA=+-1。detA=1のとき、Aを回転行列と呼ぶ。

行列の外積

外積の定義式…
(a*b)c=det(abc) → a*bはa,bに直行する。★
|a*b|=|a||b|sinθ ∵ ★でc=a*bとすれば、|a*b|^2=det(a,b,a*b)=|a*b|(a,bの張る平行四辺形の面積)

合同変換と行列

任意の合同変換が与えられたとき、適当な平行移動を合成することにより、不動点を持つようにできる。
∵ T(0)=vとする。vだけ平行移動する変換をTvと書くと、(Tv)T(0)=0
→任意の合同変換Tについて、あるvによってT=(Tv)T_0と書ける。(T_0は0を不動点として持つ合同変換)
→合同変換を分類するためには、0を不動点として持つ合同変換を分類すればよい。

原点を不動点とする合同変換を行列で表す

  • 原点を通る平面Hによる鏡映
a,bをH上の直行する単位ベクトルとする。P=(a,b,a*b)とすると、標準基底(e1,e2,e3)を(a,b,a*b)に移す。
よってHによる鏡映は、PM^{xy}P^{-1}。 (M^{xy}はxy平面による鏡映)
  • 原点を通る軸を中心とする回転
上と同じ設定として、PR^{z}_{\theta}P^{-1}。
  • 回転鏡映
同様に、PM^{xy}R^{z}_{\theta}P^{-1}

このようにして、合同変換を標準形に表せる。

標準形の応用(正6面体群)

曲線

曲線のパラメータ表示:x(t)=(a(t),b(t),c(t))、(a,b,c:連続関数)

  1. a(t),b(t),c(t)がtの一時式の場合 → x(t):直線
  2. x(t)=(cost,sint,0) :円
  3. x(t)=(at-cost,1-sint) a<1、a=1(サイクロイド)、a>1
  4. x(t)=(acost,bsint,bt):螺旋

滑らかな曲線

x(t)がC^i級…a,b,cがi階微分可能で、微分係数が連続である。
これだけでは滑らかな曲線としては不十分である。例えば次の曲線x=(t^2,t^3)を考えると、C^∞級なのにグラフは尖っている(尖点を持つ)。どうしてこのようになったのか調べるために、微分する。
xdot(t):速度ベクトル
上の例ではxdot(t)=(2t,3t^2)となり、原点(0,0)で速度0となる。これが尖っている形になった理由である。そこで、
def 滑らかな曲線:C^i級(とりあえずi>=3とする)で、xdot(t)≠0である曲線。

曲線の長さ

滑らかな曲線に対して弧長を考えることが出来る。
l(c):=∫||xdot(t)||dt
弧長sをパラメータと考えることが出来る。
dt/ds=1/(ds/dt)=1/||xdot(t)||
なので、||dxdash(s)/ds||=||dx(t)/ds ds/dt||=1
(dashはsに関する微分の意味)

曲率ベクトルと曲率

e_1(t):=x(t)/||xdot(t)|| :向きを表すベクトル
曲率ベクトルk(t):微小な長さにおける、向きの変化率を表すベクトル。つまり、
k(t)=lim(e_1(t+h)-e_1(t))/(x(t+h)-x(t))=e_dot(t)/||xdot(t)||。
このベクトルの長さを曲率といいカッパ(t)と書く。
特にパラメータとして弧長パラメータをとると、k(s)=e_1dash(s),カッパ(s)=||xdash(s)||。
e_1(t)∟k(t) (∵e_1e_1=1を微分)

1.半径aの円
x(t)=(acost,bcost,0)、xdot(t)=(-asint,acost,0)、||xdot(t)||=a、e_1(t)=(-sint,cost,0)、k(t)=1/ae_1(t)、カッパ(t)=1/a (半径aが大きいほうが、曲率は小さくなる)
2.螺旋
x(t)=(acost,bcost,bt)、xsot(t)=(-asint,acost,b)、||xdot(t)||=√(a^2+b^2)、e_1(t)=1/√(a^2+b^2)xdot(t)、k(t)=1/(a^2+b^2)(-cost,-sint,0)、カッパ(t)=a/(a^2+b^2)

k(t),カッパ(t)の計算公式

k(t)=1/(xdotxdot)xdotdot-xdotxdotdot/(xdotxdot)^2xdot
カッパ(t)=√{((xdotxdot)(xdotdotxdotdot)-(xdotxdotdot)^2)/(xdotxdot)^3}
最終更新:2015年03月08日 12:27