「―――――起きたかね」
そんな不気味な声に、俺は起こされた。
目を開けても、あたり一面は真っ暗である。
両手両足を動かそうとするが、拘束されているようで動かない。
買い物に行っていたはずなのに、何故ここにいるかの記憶が無い。
最後に残っているのは、眠らされた記憶。
つまりこれは――――誘拐というやつか。
「ふざけるな!」
「俺たちに何をした!」
「助けて……」
「何が起きたかねだ、アァ!?」
周りの奴はそれぞれの反応を示す。
さて―――ここで一つ違和感がある。
先ほど声をあげた人間の内…知っている人間がいなかった。
図太い声から、可愛らしい声まで何人もの声が飛び交う。
無作為に誘拐された―――ということなのだろうか。
「な、なんだよこれ…」
「畜生――ふざけやがって……!」
「………」
だが、そんな声も気にせず前の男は話し続ける。
「……静粛に――――」
男は物静かに言う。
そんなもので声が止むわけがない。
そう、思っていた。
「―――――――――――静かになったな、まぁ…薬のせいで話せないだけだろうがな」
静かになった、という問題じゃない。
音が―――主催の人間の声以外が――――すべて消えていた。
声を出そうとしても、一切出ない。
手足も縛られて、体が動かせない。
「では、まず説明をしよう―――君たちにはとある共通点がある」
共通点―――――老若男女、人種色々、見た目の共通点―――無し。
残念ながら、共通点などと言われても、分からない。
分かるはずもない――――。
「お前たちには、とある「物」がある――――それを不問にすることは、通常ならできない。
だが、私たちはあなた達にチャンスをやることにした―――それは」
「最後の1人になるまで、競い合ってもらう―――無論、面白おかしいゲームなどではない
その内容はいたってシンプル、単調――――――殺し合うことだ」
血の気が自分からさーっと引いて行くのがわかった。
殺し合いなんて、馬鹿げている。
そんなこと、警察が許すはずがない。
「警察が許すはずがない、などと考えている者もいるかもしれない。
だが――――それは幻想、空想、妄言―――叶わぬ願いだ。
理由としては、ただ一つ―――――我ら団体が国家権力を金で買収したからだ」
金で――――買収した、だと?
あいつらは何を言っているんだ。
本当に、意味がわからない。
「まずその一つを――科学力を見せてやろう、お前たちの首には首輪がつけられている。
それは最先端の科学技術を利用した代物だ―――とは言っても貴様らでは見えないだろう。
そこで――――1人だけ見せしめとして犠牲になってもらうことにした」
前にいる男が机を叩く。
すると、轟音を立て男の後ろに巨大なスクリーンが出現する。
スクリーンから光が放たれ、ルーレットみたいな画面が出てくる。
テレビ番組みたいなSEが鳴り、ルーレットが回る。
誰もが理解した――――これで選ばれた人間が、殺される。
死にたくない、助けてくれ、なんで死ななければいけないんだ。
頼む――――選ばれないでくれ。
俺はそう強く願った。
「デデーン、大田山一、アウトー」
どこかの笑ったら尻を叩かれるアレみたいな音が流れた。
呼ばれた名前、大田山一…。
それは紛れもない……。
自分のことだった。
ビィイイイイイイイイイイイイイ
首らへんから音が鳴る。
ああ――――自分は死ぬのか。
意外と短い人生だったよな。
……なんて落ち着いてなんていられるかよ!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ
「誰か、助けてくれええええええええええええええ!!!!!!」
何故か出た最後の叫びも虚しいままに、俺の命は―――首にあった首輪とともに、跡形もなく消え去った。
最後に俺の眼に映っていたのは、前にいた男の歪な顔だった。
それはまるで、人が死んで喜ぶような奴の顔だった。
ああ―――――恐ろしい。
そして俺の意識は暗闇へと―――――――。
消えない
「がああああああああああああああああああ!!!!」
なぜか、首だけになったのに死んでいない。
痛みだけが、自分の中に残る。
死にたくても、死ねない。
「……さて、これが首輪の効果ですよ……皆さん、ご理解いただけましたか?」
■ ■
その男の声に対して誰一人、返事はない。
それも当然である―――全員薬で喋れないのだから。
自分――――興呂史郎も同じである。
そんな静かな空間に響くのは、首輪を爆発された彼―――――大田山一の絶叫のみ。
「――――ああ、皆さん疑問に思ってるかもしれませんが…大田山一さんの事ですが……
彼は実は薬の効果で首が吹っ飛ぼうが心臓が止まろうが3分ほど生きれるんです…これは禁薬なんですが、金を積めば買えましたよ
あと2分くらいで叫ばなくなりますが…まあうるさいですしいいでしょうね」
縛られている人間の様子は様々だった。
恐怖の念を抱き泣くもの。
怒りを胸に抱えるもの。
享楽により笑うもの。
白目をむいて気絶する者も―――。
「…おっと、言い忘れていましたね……私は崖鉄平と言います。
以後――――お見知りおきを」
崖鉄平、と男は名乗った。
本当なら今すぐに捕まえて逮捕するべきだ。
でも、それができない。
とても歯痒い、自分が無力なことが。
「殺し合い、とは言っても…ただ殺し合うだけではつまらないですよね。
なので…私たちは報酬を用意しました――――――。
それは単純にして明解です、何でも一つ願いを叶えましょう。
それは<死者の蘇生>だろうが<巨万の富>だろうが<最高の名誉>だろうが叶えてやりましょう、我が団体が保証します」
その発言に、何人かの人間が反応する。
だが、自分はそんなこと信じてたまるか。
たとえそれが本当だとしても、誰かを犠牲にしてまで得たくない。
「……大田山一が死んだことではありますし、では始めましょうか。
細かいルールは、君たちが再び眠っている間に頭にインプットさせてあげましょう。
それでは皆さん、自分に嘘を吐かず、本能のあるままに――――殺し合ってください」
その崖鉄平の一言とともに、強烈な眠気が襲う。
そしてそのまま俺の意識は、闇に堕ちた。
【大田山一@俺のオリキャラでバトルロワイアル】 死亡確認
【非リレー型バトルロワイアル・オリキャラオールスターバトルロワイアル 開幕】
【主催 崖鉄平@ろわらじおつあー2nd in 非リレーバトルロワイアル】
■ ■
「……これでよろしいでしょうか?総統殿」
「ああ、よくやってくれた…崖鉄平」
俺、崖鉄平は総統こと加賀美恭二に会っていた。
理由は知らないが、呼ばれたからだ。
それ以外に理由なんざあると思うか?
「で、どうして総統殿は自分をお呼びに?」
「今回のバトルロワイアル…目的は何か分かっているか?」
「ええ、あなたの娘さんを助けることですよね?」
そう、それは自分が聞いたことだ。
総統の娘さんは難病と闘病中らしい。
それの治療方法が確か、心臓に含まれる何かの成分を体に投与するとかなんとか。
その量は、人間70人分いるらしい。
だが、良質な成分でなければ毒になるとかで…だから殺し合いを計画したとか。
こんなことせずに、普通に後ろから襲いかかって殺して心臓を取ればばいいんだが―――。
どうやら、精神的に追い込んだ状況にすれば効果が上がるとかで、計画したそうだ。
「ああ…お前には話したが、参加者をどうあろうが全員殺す予定と話したな」
「ええ、そうですね…全員が、適合者でありますし」
そう、この殺し合いに優勝者などいない。
最後に残った一人は、射殺されることが決定しているのだ。
理由は簡単…70人分の心臓がいるからだ。
1人帰してしまったら、69人分しかなくなる。
「実は、一人適合者がいたのに気付いてな…そいつの分の心臓をとって、優勝者には褒美をやろうと思う」
「……ほう、その適合者とは?」
「聞いて驚け――――――それはな」
「貴様だよ、崖鉄平」
「……は?」
後ろのドアが開いた。
黒服の人間が、大量に押し寄せてくる。
あれがどんな連中かは俺がよく知っている。
特殊組織「無限の遺言<エターナル・デッドワード>」、超有名な実力派集団だ。
こいつらを呼ぶのに、5億円はかかるといわれている、だが加賀美が経営する団体にとっては安いものだろう。
「…総統、ハメやがったな」
「悪く思わないでくれ…本当は殺す気はなかったが気が変わったんだよ、連れて行け」
後ろから黒服が一気に襲いかかってくる。
護身用の銃を取り出して撃つ。
2、3人撃つが人数が多いせいで止められない。
俺は地面に抑えられる。
「や、止めろ…ふざけるな!主催として働けば一生を保証すると…!」
「……人生はそう甘くは出来ていないんだよ、崖鉄平君」
俺は縛られて、部屋から連行される。
そして向かう場所は――――。
■ ■
「………ああ、愛しの桐之よ…もう少しの辛抱だぞ」
私――――加賀美恭二はベッドの前に座っていた。
眠っているのは我が娘、加賀美桐之だ。
彼女は、10兆人に1人という難病を抱えている。
私は父親として、娘を助けなくてはならない。
だから、そのためには…非道な行いだって尽くしてやる。
「ぐ、ぎゃああああああああああああああ……」
隣の部屋から叫び声が聞こえてくる。
これで一人分の心臓が手に入った。
この計画の第一歩だ。
退くことなんてできない。
退くことなんてありえない。
退くことなんて許されない。
私の決意は曲がらない。
たとえどんな非情な現実に遭おうとも。
たとえどんな結末を迎えようとも。
「……愛しているぞ、我が娘よ」
【崖鉄平@ろわらじおつあー2nd in 非リレーバトルロワイアル】 死亡確認
主催変更
【加賀美恭二@オリジナル】
【団体構成員@オリジナル】
【特殊組織「無限の遺言<エターナル・デッドワード>」@オリジナル】
【オリキャラ情報】
【名前】加賀美恭二(かがみ・きょうじ)
【性別】男
【年齢】32歳
【職業】団体社長
【性格】基本は誰に対しても優しく当たる、だが娘の事になると他を気にしない正確になる
【好きな物・事】娘
【嫌いな物・事】娘に害をなすもの
【特殊能力】なし
【趣味】娘の看病をすること
【備考】
経営団体「グループ・KAGAMI」の社長、団体は年収10兆円とのこと。
娘が生まれた瞬間に妻が死に、それ以来娘を溺愛している。
超能力などはないが、頭脳明晰、身体能力抜群、などと全体的に秀でている。
【名前】加賀美桐之(かがみ・きりの)
【性別】女
【年齢】11歳
【職業】小学生
【性格】?
【好きな物・事】?
【嫌いな物・事】?
【特殊能力】?
【趣味】?
【備考】
加賀美恭二の一人娘。10兆人に1人にしかならない難病に罹っている。
最終更新:2012年01月04日 16:39