酸素
酸素は原子番号8、元素記号Oの元素である。 
性質
酸素は周期表において、16族2周期に分類される元素である。
酸素は、常温、常圧下では無色無臭の気体である。
沸点は-183℃、は融点-218℃である。
|
融点 |
-218.4℃ |
|
沸点 |
-182.96℃ |
|
密度 |
1.429g/L |
|
電気陰性度 |
3.44 |
|
酸化数 |
2,1,-1,-2 |
酸素は通常、無色の非金属元素の気体で、酸素族に分類される。
酸素は常圧、常温下では無色の気体であるが、液体にすると淡青
色となる。また、液体酸素は磁性を持っている。
液体酸素をさらに高圧下、かつ低温状態にすると、青みがかった
固体となり、100万気圧を超えたあたりから、金属光沢を持ち始める。
酸素にはいくつかの同素体が知られており、それぞれ酸素分子(O2),
オゾン(O3),四酸素(O4)などがある。また、固体酸素には多くの相が
存在し、興味深い色、および結晶構造を示す。
化学的性質において、酸素は電気陰性度がフッ素についで大きく、反
応性がかなり高い気体である。多くの金属や非金属と化合し、様々な
酸化物および、過酸化物や超酸化物を生成する。
有機物において、酸素は重要な構成元素のひとつであり、酸素の存在
も有機物の多彩さに一役買っているともいえるだろう。
反応
酸素の反応性は高く、様々な金属と反応する。
鉄を酸素中で熱すると、激しく反応して、酸化鉄(Ⅱ)(FeO)および
酸化鉄(Ⅲ)(Fe2O3)を生じる。
2Fe+O2→2FeO
4Fe+3O2→2Fe2O3
ナトリウムを乾燥空気中に放置すると、すばやく酸化ナトリウム(Na2O)
を生成する。
4Na+O2→Na2O
この酸化ナトリウムを空気中で熱すると、過酸化ナトリウム(Na2O2)が
生成される。
2Na2O+O2→2Na2O2
硫黄を空気中で燃焼させると、一般的に二酸化硫黄(SO2)が生成する。
S+O2→SO2
酸素中で無声放電を行うと、オゾン(O3)が生じる。
3O2→2O3
エタノール(C2H5OH)を酸化させると、アセトアルデヒド(CH3CHO)を生
じる。
2C2H5OH+O2→2CH3CHO+2H2O
製法
工業的にはそもそもから含まれている空気の分留で十分に得ることが
できる。
実験室で合成する場合は、まず代表的な例として、過酸化水素(H2O2)の
分解があげられる。
2H2O2→2H2O+O2
このとき、酸化マンガン(Ⅳ)(MnO2)が触媒として使われることが多い。
水酸化ナトリウム水溶液の電気分解でも得られる。
このとき陽極、陰極ではそれぞれ以下のような反応が起きている。
陽極:4OH-→2H2O+O2↑+4e-
陰極:2Na++2e-+2H2O→2NaOH+H2↑
しかし、結局水酸化ナトリウムの総量は変わらないので、見かけ上の反応
は、
2H2O→2H2+O2
となる。
化合物
酸素は有機物において重要な元素である。従って、範囲を有機物にまで
広げると、際限がないため、ここでは無機化合物の一部のみをあげる。
ハロゲン化物
二フッ化酸素(OF2)
酸化物
水(H2O)
酸化ナトリウム(Na2O)
酸化カリウム(K2O)
酸化マグネシウム(MgO)
酸化アルミニウム(Al2O3)
二酸化炭素(CO2)
二酸化ケイ素(SiO2)
二酸化窒素(NO2)
二酸化硫黄(SO2)
酸化ヨウ素(Ⅴ)(I2O5)
四酸化キセノン(XeO4)
酸化チタン(Ⅳ)(TiO2)
酸化マンガン(Ⅳ)(MnO4)
酸化鉄(Ⅲ)(Fe2O3)
酸化銅(Ⅱ)(CuO)
過酸化物
過酸化水素(H2O2)
過酸化ナトリウム(Na2O2)
過酸化カリウム(K2O2)
同位体
|
同位体 |
中性子数 |
半減期 |
崩壊モード |
天然存在比(%) |
|
12O |
4 |
5.8×10-23秒 |
PE |
0 |
|
13O |
5 |
0.00858秒 |
β+,γ |
0 |
|
14O |
6 |
70.598秒 |
β+,γ |
0 |
|
15O |
7 |
122.24秒 |
β+,γ |
0 |
|
16O |
8 |
安定 |
なし |
99.75 |
|
17O |
9 |
安定 |
なし |
0.04 |
|
18O |
10 |
安定 |
なし |
0.2 |
|
19O |
11 |
26.464秒 |
β- |
0 |
|
20O |
12 |
13.51秒 |
β- |
0 |
|
21O |
13 |
3.42秒 |
β- |
0 |
|
22O |
14 |
2.25秒 |
β- |
0 |
|
23O |
15 |
0.082秒 |
β-,NE |
0 |
|
24O |
16 |
0.065秒 |
β-,NE |
0 |
|
25O |
17 |
5×10-8秒 |
? |
0 |
|
26O |
18 |
4×10-8秒 |
? |
0 |
|
27O |
19 |
2.6×10-7秒 |
? |
0 |
|
28O |
20 |
10-7秒 |
? |
0 |
酸素には3つの安定同位体と、1分以上の半減期を持つ同位体1つと
それ以外からなる。
酸素の安定同位体のうち、最も多いものは16Oであり、他は微量である。
16Oは宇宙で、恒星が水素を燃焼させてヘリウムを作った後に、そのヘリ
ウムを炭素にまで燃焼させてから作られる。具体的には、12Cと4Heの核
融合によって生成される。これに対し、17O、18OはCNOサイクルと呼ばれる
恒星内の核融合サイクルの途中で生産される。したがって、主生産物で
ある16Oの方が核融合の副生産物の17O、18Oより多くなる。
物理的性質は、化合物の水として、H216O、H217O、H218Oの3種類を比べる
と、水は重いものから凍り始め、最初に凍るのはH218Oである。
歴史
はじめ、酸素は1771年ころにシェーレが硝石を熱することによって作られた。
また、1774年にはプリーストリーが酸化水銀(Ⅱ)を熱分解することで酸素を
生成した。しかし、彼らはこの気体を新元素であるとは思わず、脱フロギスト
ン空気などと命名した。
これに対し、1777年、ラボアジェは密閉容器内での水銀の反応により酸素
が単体元素であることを示し、ギリシャ語で「酸味のある」(oxys)という言葉
と生じるものを組み合わせて、現在のoxygenというものになった。
このラボアジェの発見はそれまでのフロギストン説を完全に覆すものであり、
現代化学への第一歩であったといえよう。
また、16Oは1961年まで、原子量の基準とされていた。
存在
酸素は地球、宇宙ともに多く存在する。しかし、反応性が高いために単体と
して存在することは宇宙全体としてまれであり、たいていの場合は氷となっ
ている。地球にも水や二酸化ケイ素などの形で海や地殻に化合物の形で大
量に存在している。特に、化合物として地殻中で酸素は最も多い元素である。
だが、広く知られているとおり、酸素単体は地球の大気には約21%を占めて
いる。これはもともと地球がつくられたときにはほとんど(もしくは全く)空気中
には含まれておらず、植物の光合成のみでここまでつくられたとも言われる。
リンク
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